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「高僧と袈裟-ころもを伝え こころを繋ぐ-」 京都国立博物館

kousou

京都国立博物館で11月23日まで開催中の「高僧と袈裟-ころもを伝え こころを繋ぐ-」に行って来ました。

「高僧と袈裟」最初、この特別展のチラシを観た時、何ともまた地味かつマニアックな展覧会を行うものだと驚いた。いまだかつて、僧侶が身に付けておられる「袈裟」を注視し、関心をもったことはなかった。
そこを敢えてクローズアップしようとするこの展覧会は実に意欲的かつ京博ならではの好企画展だった。

恐らく開催側も多くの入場者を見込めないことは覚悟の内であっただろう。それでもなおかつ、こんな貴重で稀有な展覧会を開催して下さったことに対して心から感謝を申し上げたい。
この企画展がなかったなら、袈裟について何一つ知らず、関心をもつことなどなかった。
そして、そんな人が多いだろうということも見こしていたのか、今回は作品リストだけでなく【小・中学生向けワークシート】袈裟ってなあに?が作成されていた。
このワークシートがまたよくできていて、小・中学生向けなどと銘打たずとも十分に大人のためのワークシートとして活躍してくれる。
もうひとつ鑑賞の助けになるのは、お馴染の「京都国立博物館だより」10・11・12月号で各章単位の内容がまとまっていて復習になる。
強いて言えば、最後か途中で、実際に袈裟を着用できるコーナーがあったら良かったと思う。
前述のワークシートに「袈裟を着てみよう!」という記事が掲載されていて、袈裟の着用方法が図入りで解説されているのだ。陳列されていた袈裟と一緒に、べっ甲製らしき円環も一緒にケースに入っていて、あれをどう使って袈裟を下げるのか、やはり実演してみた方がより理解が深まったに違いない。

展覧会の構成は次の通り。
第一章 袈裟のはじまり 律衣と糞掃衣(りつえとふんぞうえ)
「律」と呼ばれるインドの仏教修行集団の規則を通して定められた制服が袈裟だった。

第二章 天皇家と袈裟
法王や天皇が身に付けた袈裟を展観する。

第三章 鎌倉仏教と袈裟
鎌倉時代の仏教において袈裟はどう変化し、何を伝えようとしたかを探る。

第四章 伝法衣(でんぽうえ)にみる東アジア交流Ⅰ
伝法衣⇒師から嗣法の弟子へ、法を伝えた証として授けられる特別な袈裟。
この時、袈裟は、嗣法の象徴という重大な意味を持つことになった。

第五章 道教・神道と袈裟
神仏習合の思想が反映した袈裟を紹介

第六章 伝法衣にみる東アジア交流Ⅱ
新発見の夢窓疎石ゆかりの袈裟と南北朝時代の作例を紹介。

第七章 袈裟と名物裂
袈裟と名物裂のつながりを考察。袈裟に染織品としての価値を見出した茶道での名物裂を紹介。

第八章 伝法衣にみる東アジア交流Ⅲ
「金蘭」という裂地は足利義満によって開始された日明貿易によってもたらされるようになった。金蘭の袈裟を中心に室町時代の袈裟を紹介。

本展は、袈裟を通して、日本の仏教と東アジアの染織の歴史をたどり、またそれを伝えて来た人々の想いを届ける機会にしたいと企画されたもの。
見どころは、めったに表には出てこない秘蔵の袈裟の数々が一堂に会し、まじかで見られることにある。

冒頭に書いたようにこれまで袈裟の存在に注目したことがなかったので、これだけの袈裟を一度に観ることができたことがまずは貴重な機会だった。
その上で、それぞれの袈裟を眺めて行くと、折型の拡大図もあり、一見似たような袈裟でも織りや糸の細さ密度の違いが良く分かる。
更に袈裟の中でも国宝や重要文化財が目白押し。
どこがどう優れているから国宝や重文指定されているのかが、素人には残念ながら分からず。豚に真珠(豚には失礼だが)状態だったかもしれない。
それでも、袈裟って美しいなと、多くの袈裟を前にして思った。
色遣いの配置や、同じ紫でも黒に近い紫だったり、紺に近い紫だったり微妙に相違する。

気に入った作品にはリストに印を付けておくが、今回は「九条袈裟」が多く観られた。
そもそも九条袈裟の「九条」が意味する所さえ知らないのが情けない。
縦に区議らている数に応じて、九条袈裟、五条袈裟等と呼ばれるが、九条以上の袈裟は盛装に用いられるのだそう。

また、興味深かったのは、実際に展示されている袈裟を着用している高僧の肖像画が並んでいたことである。それらの絵画によって、明らかに目の前の袈裟が、高僧に使用されてていたことを如実に物語る。すなわち、盛装して撮影した写真にようなもの。

他に印象に残ったのは、冒頭の華麗な中尊寺経国宝2点、最澄の七条袈裟、国宝「法然上人絵伝」、「一遍聖絵 巻第十、巻第十一、重文「刺繍九条袈裟貼屏風」重源招来、高麗時代の「文殊師利問菩提経」、絶海中津料「二十五条袈裟」などなど。

時代がくだるにつれて、記事も豪華になって行く。染織美の展覧会としても興味深い内容だった。

*11月23日まで開催中

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Hokuraijin様

こんばんは。
お返事が遅くなり申し訳ございません。

仰る通り、京博ならではの展覧会でしたね。
私が訪れた時には、かつてないほど観客はまばらでしたが、
やはりお寺関係の方が多かったようです。
そして、図録の分厚さにも驚きました、
詳細な袈裟の拡大図で織の違いを見せるあたり、ある意味マニアックな
内容でしたが、めったとない好企画だったように思います。

Re:高僧と袈裟展

私もこの展覧会で同様なことを感じました。こんな地味なものでよくぞ展覧会が開かれたものだと、驚きの一言でした。
こんな袈裟だけの展覧会なんてあまり面白くはないのではないかと、最初は思っていたけれど意外と観客も多く、また自分自身も結構興味深く見てしまいました。
きっと、これも京博ならではの着目なのでしょう。今後もこういった思わぬ視線の展覧会を開いてもらいたいものだと思いました。
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