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「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」 横須賀美術館

yokosuka

横須賀美術館で12月26日(日)まで開催中の「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」展に行って来ました。

ラファエル前派の画家の国内での展覧会は、一昨年2008年にBunkamuraザミュージアム、奈良県立美術館で開催された「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」が一番記憶に新しい所。ウィリアム・モリス、彼は画家という範疇で良いのか疑問ですが、彼やモリスが提唱したアーツ&クラフツに関する展覧会は毎年のようにどこかの美術館で開催されているように思えます。

今回の「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」展では、ラファエル前派からウィリアム・モリスへの純粋美術と装飾美術の一体化というテーマから芸術と生活の融合という理念への展開の流れを、その同盟や運動に関わった作家ロセッティ、バーン=ジョーンズなどラファエル前派を代表する画家の絵画約80点やデザイナーの作品含め全118点から展観しようとする初の試みです。

出展されている作品の大半が、イギリスやオーストラリアの美術館所蔵の作品で未見作がほとんど、正直これだけのラファエル前派の絵画作品を鑑賞できる機会はそうそうありません。
ロンドンに数年前に行った際にも、テートブリテン、V&Aなど各美術館に行きましたが、80点もの作品は観ることができなかったと記憶しています。

展示はほぼ作品年代順、作家単位になっています。

あまり難しいことは考えず、華麗で優美なラファエル前派の絵画を堪能することができました。
以下印象に残った作品多数ですが、特にというものを挙げていきます。基本的に西洋絵画の図録は買わない主義ですが今回は、図録買ってしまいました。

・ウィリアム・ダイス ≪聖母子≫、≪ヤコブとラケルの出会い≫
ダイスについては今回初めて知りました。彼はラファエル前派に所属したというのではなく、ルネサンス美術への回帰を目指し隠遁生活を送る画家集団ナザレ派に影響を受け、フレスコ画を学ぶ。特に≪聖母子≫1845年頃、ノッティンガム美術館蔵などはラファエロのような宗教絵画の影響が感じられる。ラフェエル前派到来以前の予兆を感じさせる画家で、彼らへの共感も示したという。

・ジョン・ラスキン
彼に関する作品は書籍に掲載されている建築素描である。中で、1点≪ルーアン大聖堂西玄関口≫ウィリアム・モリス・ギャラリー蔵は克明な水彩デッサン。
彼の思想なくしてラファエル前派の成立はあり得なかった。

・ジェームス・スメザム ≪ダンテとヴェルギリウス≫1864年個人蔵
この画家のことも知らなかった。ロセッティの友人で、ダンテの『神曲』に題をとった作品。彼の作品はラファエル前派の画家の作品と趣を異にしており、非常に幻想的であり、独特のタッチを持っている。
緻密で装飾的というより、解説にも記載されていたがウィリアム・ブレイクの画風に近いと思う。

・ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
本展では、ロセッティ関連の作品が全部で18点ある。
≪朝の音楽≫水彩 1867年 バーミンガム美術館
≪レディ・リリス≫水彩 1867年 個人蔵
≪愛の盃≫水彩 1867年 ウィリアム・モリス・ギャラリー ⇒ 国立西洋美術館の油彩の水彩レプリカの3作目
≪マリゴールド≫18747年 油彩 ノッティンガム市立美術館
これらの着彩画や黒チョークによるデッサンなどすべて女性像である。まさにロセッティらしい。神話的、装飾的な美しさは彼の作品から満ち溢れている・

・エドワード・コリー・バーンジョーンズ
これも、日本国内ではなかなかお目にかかれない画家。
≪モーガン・ル・フェイ≫1862年 水彩 ハマスミス・フラム行政区
≪ティスペ≫1864年 黒チョーク、水彩 ウィリアム・モリス・ギャラリー
≪プシュケを誘い出すクピド≫1867年 油彩 ハマスミス・フラム行政区
≪宵の星≫1880年頃 油彩 ウィリアム・モリス・ギャラリー
≪ペリカンの献身≫ 鉛筆、蝋チョーク、金彩 ウィリアム・モリス・ギャラリー
これ以外にもバーンジョーンズは全部で23点の出展あり。これだけ、これだけ油彩、水彩、デッサンなど多彩な作品群を単独展以外で観られるのは貴重。
しかも、やっぱりバーンジョーンズって好き。

・ウォルター・クレイン
≪愛の聖域≫1870年 ウィリアム・モリス・ギャラリー
≪ディアナとエンヂュミオン≫1883年 ダンディー美術館
≪平和の天使≫1900年 ウィリアム・モリス・ギャラリー

上記3点の油彩のほかに、木版画3点もあり。彼はバーンジョーンズの追随者であり、その仕事を手伝っていた。アーツ&クラフツ運動の「影響を受け、その再興に勤めた人物。
なるほど、バーンジョーンズの後継者だから、気に入ったのかと得心した。よくよく見てみると、どことなく作風が似ている。

・ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
≪南の国のマリアナ≫1897年 ハマスミス・フラム行政区
≪フローラ≫1914年頃 郡山市立美術館
ウォーターハウスは残念ながらこの2点のみ。しかし前者≪南の国のマリアナ≫は実に素晴らしい作品だった。
この1点を観られただけでも、来た甲斐があった。郡山市美の≪フローラ≫は過去にも観ているのだが、それでもやはり優美で装飾的。

他にもウィリアム前派の中心メンバーであったミレイの≪めざめ≫1865年パース美術館、ウィリアム・ホルマン・ヘントの作品もあったが、ヘントの作品はラファエル前派の作家の中でもちょっと濃厚過ぎて苦手であった。

アーツ&クラフツ関係のウィリアム・ド・モーガン、彼の展覧会も近年パナソニック電工汐留ミュージアムで開催されたばかりダシ、ウィリアム・モリスのテキスタイルなどの作品も勿論出展されている。

最後にステンドグラスが集められた展示空間があったが、ラファエル前派の作品はステンドグラスにすると見栄えは上々で、ステンドグラス向きだと改めて感じた。

イーブリン・ド・モーガンの≪フローラ≫1894年 ド・モーガン財団は、ルネサンス絵画のボッティチェリを思わせる美しさで解説にもその影響下にある作品とあった。それにしても優美で観ているだけで幸せになれる。

肝心の展覧会意図についてより、目の前に繰り出される、ラファエル前派関連の画家の作品に圧倒され、主旨のことなどすっかり忘れていた。
未知の作家の作品含め約120点堪能しました。

横須賀美術館は常設展示も日本の洋画のよいものを持っています。常設展示もお見逃しなく。特に朝井閑右衛門の作品を常時これだけ見られるのは国内でここだけではないでしょうか。

*12月26日まで開催中。
本展はこの後以下に巡回します。
2011年2月25日~3月27日 美術館「えき」KYOTO

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はじめに: この展覧会は10月末から開かれていたが、ごく最近になって朝日新聞の美術欄にバーン=ジョーンズの《プシュケを救い出すクピト》の画像とともに紹介され、会期末に近づいてきていることが分かったのでので、あわてて見に行って来た。チラシの画像↓はバーン=...

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21世紀のxxx者さま

こんばんは。
横須賀美術館は大好きな美術館です。
今回、初めて図書室を利用しましたが、
とても気持ちの良い空間でした。

あの中で1日過ごすのも素敵な休日だと思います。

No title

こんにちは
ラファエル前派は大好物なので、こちらの展示も楽しむことができました。
この美術館は初めて足を運んだのですが綺麗で気持ちのいい所ですね。
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