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「石上純也-建築のあたらしい大きさ」 豊田市美術館

ishigami


豊田市美術館で12月26日まで開催中の「石上純也-建築のあたらしい大きさ」に行って来ました。
詳細は、美術館ホームページをご参照ください。⇒ こちら
本展では、石上純也(1974年生まれ)の考える「『あたらしい環境=建築』-それが建築のあたらしい大きさであり、建築のあたらしいイメージである。」を5種類の模型を中心として展観するものです。今ある世界をいかにして少しでも広げていけるかということ、建築をより自由なものにしていくことができないか、という石上純也の建築を模型を通して伝える内容となっています。

今回は、2階の展示室1から鑑賞して下さいと受付で伝えられ、まずは2階の展示室1へ向かう。

<展示室1> 雲を積層する
この部屋の天井の高さはかなりなもの。かつて、ヤノベケンジのジャイアントトラやんがファイアーしたのもこの展示室だった。
そこに、巨大な真四角の大きな半透明の建築模型が展示されていた。
ここでのscale(石上はスケールという言葉をよく使用する)=1/3000。実際の建築物にした場合も同じ素材を使用する?いやまさか。

地盤面と接する床と天井を除いて,5層の積層構造になっているが、各界の幅が異なっていて、上に行くほど、下の相との間が広がって行く。不織布で床の間仕切りを、柱はカーボン、カーボンの留め具は鉄らしい。

これは、蟻が雲の上を歩くスケールで、人の大きさと建物の床の厚みを縮尺してできた模型。

雲の中を歩く感じ。。。模型ではよくイメージできず。
ただし、観た目は美しい。特に3階から見下ろすと美しく見えます。

<展示室2> 森と建築のあいだ scale=1/50
これは、『神奈川工科大学 KAIT工房』の映像と模型からなる。唯一、この模型のみが実際の建築物として実現していると考えて良いだろう。展示室4の模型のひとつも実際建築されているが、あれだけ大量だと実際に建てられた住宅の模型はどれなのか分からない。

ここでは、2000㎡のワンルームを305本の柱のみで成立させ、中に観葉植物を置くなど、外部と内部の境界を曖昧にしているのが特徴的。外部との仕切りはガラス。

<展示室3> 地平線をつくる scale=1/23
現在計画中の学生がキャンパス内でゆったりくつろぐための施設。思わず贅沢な!と思ってしまったのは私だけだろうか。学生より、疲れたサラリーマンや労働者、健康を害して入院を余技無くされた方のためにこそ欲しい空間。

この模型が凄かった。ブログ'A'holic days のmoriさんが豊田市美で本展のボランティアされた時のご苦労を書いていらっしゃったのは、この模型か?と頭に浮かぶ。
*参考:'A'holic days 「石上純也展ボランティア@豊田市美術館

とても繊細で細かい、模型を超越して、ある種のミニチュアアートの域に達しているが、真っ先に浮かんだのはボランティアの方々のご苦労だった。
これを完成させるの、大変だったろうなぁ。。。
薄く平たくどこまでも広がって行く、大地にひかれたレジャーシートのような建築模型。自然と一体感がある点においては他のものと同様。

<展示室4> 空に住む scale=1/300
床の大きさに対して、階高の非常に高い積層建築。以前、資生堂ギャラリー主催の石上純也氏のトーク(ベネツィアビエンナーレ受賞前を拝聴した際にも話題にあがっていたもの。
これより前に行われた資生堂ギャラリーでの石上純也展にも類似の模型は出ていた。

ここでは、全部で120もの階高な積層建築の模型が部屋に列をなして並んでいる。こちらもまたボランティアの方の作業のご苦労が頭に浮かぶ。
ひとつひとつ観て行くと階段の設置場所や設置方法、階段の種類が違ったり、皆どこか違う。

この建築でいつも思うのは、実際住むとなったら大変だろうなということ。上に行ったら下に行くのが面倒になりはしないか。上階は掃除しなくなりそう。メンテナンスは?とつい現実的なことが浮かぶ。

最後に、建築とはちょっと違う個人蔵の≪little gardens≫2007-2008年が展示されている。
これは、建築というより、完全に美術作品と言って良いだろう。丸テーブルの上に、ミニチュアの食器や押し花が。たばこと塩の博物館で開催中の小林礫斎のミニチュア作品が浮かんだ。
石上氏のイラストイメージにもっとも雰囲気が近い。

再び1回に戻って、展示室8、もっとも広い展示室へ。
<展示室8> 雨を建てる scale==1/1
ベネチアビエンナーレで出品した作品の2倍の大きさの模型。展覧会開始前、完成直前に仮止めをはずす段階で、予測しない力が加わり展示物の柱54本のうち48本が倒れ、展示できなったという作品。現在は勿論、復旧して見事に建ち上がっています。

この模型は糸によって面を支えている。54本の雨の柱を建て、2808本の雲の糸をはる。
糸がまるで見えない。肉眼視出来ないほど細い白い糸。
光の加減で漸く見える場所を見つけたが、確かに糸が出ているではないか。
柱はカーボンできていて、透明な建築。透明な空間がそこにある。

蜘蛛の糸、雲の糸、芥川龍之介の小説を今度は思い出した。

資生堂ギャラリーで開催された『石上純也展 建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?』とは、全くscaleの異なる内容。
より大きく、実際の建築に構想が近付いているように思う。

一見実現不能のように思えたり、突拍子もないような考えの先に新しい建築がある。
それを続けていくことで、建築の可能性を追求できる。
今の技術をもってすれば、不可能も可能になる。

そんなことを考えた。
とにもかくにも、これだけの細かい模型制作、本当にご苦労様でした。一番の功労者は模型制作に携わったボランティアの皆様だと思います。

なお、最終日の12月26日には、以下の石上純也さんの対談が開催されます。
石上純也(建築家)×南後由和(社会学者・東京大学大学院情報学環助教授)対談
日時:12月26日[日] 14:00-
*美術館1階講堂にて
*当日正午より整理券を配布します(定員172席)
*対談終了後、石上純也氏のサイン会あり

早めに並ばないとあっという間に整理券はなくなることでしょう。

また、2階の常設展示では速水御舟に、前田青邨、クリムト、クリスト、イブ・クラインをはじめ、別館の高橋節郎館では美しい漆工芸を鑑賞できますので、お見逃しなく。

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石上純也「建築のあたらしい大きさ」@豊田市美術館

お手伝いもさせて頂いた石上純也展に行ってきました。 いやはやあの日々は地獄だった・・・。今では思い出です。こちら。 さて、まずは2階の吹き抜けを使った「雲を積層する」から。 高さ5.5x幅7.6x奥...

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