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「東京藝術大学 大学院美術研究科 博士審査展」 東京藝術大学大学美術館他

hakase

東京藝術大学大学美術館他絵画棟など上野校舎で10月24日まで開催中の「東京藝術大学 大学院美術研究科 博士審査展」に行って来ました。⇒http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2010/hakaseten10/hakaseten10_ja.htm

博士審査展だけは、修士・卒業制作展とは別に12月に開催されると知ったのは昨年のこと。今年は是非拝見したいと日程を事前にしっかりチェック。
「博士審査展」というからには、ここでの作品発表および博士論文の審査によって博士号を取得できるかどうかがかかっているのでしょう。
各作品の傍に置かれていた論文の分厚いこと。実際、じっくり座って拝読したくなるものもありましたが、全部目を通す時間がなかったので、気になるものだけざっくりと。

以下、私の目に留まった印象に残った作家さんを挙げていきます。なお、展示は東京藝大美術館の1F、地下2階、3階の展示室1~4の他に絵画棟などを使用しています。
ここで初めて気付きましたが、音楽学部構内の大学会館2階の杉山礼香さんの作品は見逃しました。

<日本画> 3階展示室3
3名の方による展示だったが、どれも正統派過ぎて新鮮味、面白味には欠けていたように思う。勿論技術的には素晴らしい。中では、大竹寛子さんの≪mind stream≫が一番良かった。赤っぽい下地に無数の金色の蝶が乱舞する様は妖艶かつ妖しい雰囲気が放たれていた。
今春の卒展でも感じたが、東京藝大の日本画科の方の作品はどれも正統派が多く、皆何か似ている。特に、日本画は学校のカラー、ひいては指導教官の色-が反映されているように思う。

<油画>
・フィロズ マハムド 3階展示室の右側にど~んとどこかで観たようなカラフルな戦闘機があると思ったら、やはりあいちトリエンナーレ2010で愛知県美術館会場に出展されていた作品と同じもの、同じ作家さんだと分かった。
作品タイトル“sucker'wfp21"は、様々な穀物を飛行機の表面に貼り付け機体デザインを飾っている。あいトリでは穀物戦闘機で評判になっていた。

マハムド氏は、バングラデシュ生まれ。2007年に東京藝術大学に研究生として留学。国民の労働の証である穀物が税として戦闘機に変わるというシニカルな意味合いの作品。解説は下記マハムド氏のサイトに詳しい。

マハムド氏ご本人のサイト ⇒ http://www.firozmahmud.com/index.html

ペインティング≪Layapa Paintings Series≫として大作1点、中程度の大きさのものが4点の計5点。いずれもキャンバスの角が飛び出していたり変形している。ペインティングも個性的で、私的には好み。戦闘機との組み合わせも上手く行っていた。
オオタファインアーツの取扱作家さん。⇒ http://www.otafinearts.com/artists-firoz-mahmud.html

私が読みたかった博士論文は彼のものだった。

・山本久美子 日常収集シリーズで3点。
古紙(チラシや古新聞)を使用して、立体作品を制作。うらわ美術館のコレクションにぜひ加えて欲しい。

<油画技法・材料>
・小池 真奈美 ≪居残り佐平次≫≪抜け雀≫≪三枚起請≫≪時そば≫の4点。
一目観ただけで、上手いと思った。テーマは落語の中の自画像。落語好きな方にはたまらないペインティングかもしれない。筆跡を残さない、写真のような油画。絵に描かれた女性は全部自画像なのだと思う。複数の女性の顔がよく見ると全て同一人物だった。
彼女もマハムドさんと同じくオオタファインアーツの取扱作家。
今回の作品もギャラリーのサイトに掲載されている。⇒ http://www.otafinearts.com/artists-koike_manami.html

<彫刻>
・大平龍一 美術館1Fエントランスホール
木彫に音楽性を加えた巨大な木彫作品が4つと小さな小さな大黒天がたまらなくいとおしい。
中央に四角いホワイトBOXが床に配置され、その上で柏手のごとく、4拍手すると、木彫作品に仕込まれたスピーカーから微かな振動ともに鳴動する。地響きのようなその音にまず驚くが、やはり巨木のオブジェもすごい迫力。

≪十俵≫?だったかを支えて床で踏ん張っている大黒天を見つけた時は思わず微笑んだ。

・渡辺理紗
木彫好きとしては、やはり見逃せないが、砂時計をモチーフにしたのはどうなんだろう。彼女のせっかくの良さがあまり発揮されていないように感じた。むしろ小品の≪電球≫、ジャスパー・ジョーンズの作品の引用のように論文に記載されていたが、≪電球≫ の方が同じ静物でも、木彫の魅力を感じる。

<工芸(鍛金)>
・小田 薫 ≪記憶の在り処≫≪大きな街≫
鍛金の彫刻作品。完成度は非常に高い。

<工芸 (ガラス造形)>
・藤田紗代 砦シリーズ3点
彼女の作品もどこかで観た記憶がある。氷の結晶のようなガラス造形は忘れ難い。

<先端芸術表現>
・多和田有希 ≪Local News≫
多和田さんは、2009年のTARO NASUでの個展を拝見している。以下その時の感想記事。
(参考)http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-616.html

2009年の個展で拝見した作品と同じ技法。写真自体をクラッシュ加工して線描する。
小さいサイズの作品は、これまでの作品と加工方法が大きく違っていて、水玉風というかカビのようなものが写真に付されていて、あれも多和田さんの作品だったのだろうか。

・春日聡 ≪スカラ=ニスカラ≫
地・水・火・風・空の5つの要素を映像化し全部で32分。これは全部通して観たかったが、地と水のみ拝見した。
続きが気になるが、再訪する時間がない。ただ、面展開がぎこちなくぶつ切りみたいに展開するのが気になった。もう少しスムースに場面転換した方が、映像に没入しやすい。

・琴 仙姫 ≪bloodsea≫ 絵画棟1F
これは実に衝撃的なインスタレーションだった。映像もあって、まるで映画のようだったのでこれも全部観たかったが数分観ただけだが、続きが気になる。
作品は赤い十字架。しかしこれは彼女の記憶や体験を表現したもの。ベタと言えばそれまでだが、砂地に置かれた暗闇に赤く光る十字架は血が捧げられたような印象を受けた。

栗山斉は、オラファーエリアソン風の光を使用した作品。もうひと工夫欲しかったかな。一つの作品として観た時には弱い気がした。


なお、19日に行ったら藝大アートプラザで「第5回藝大アートプラザ大賞展」テーマ「呼吸」を開催しており、ほぼ五万円以下で芸大生の作品を購入できる。応募作品の中から様々な領域の先生方が慎重に監査を繰り返し、審査し入選作から大賞、淳大賞他を選出。
最終日だったので、あらかた売れていたが、もっと早く行っていたらと残念。欲しかった作品は売却済でした。来年は早めに行きたいな。

*12月24日まで開催中。入場無料 10時~17時 

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