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「アルブレヒト・デューラー版画・素描展」 国立西洋美術館

デューラー

国立西洋美術館で1月16日(日)まで開催中の「アルブレヒト・デューラー版画・素描展 宗教/肖像/自然」に行って来ました。

デューラー自身が構想した芸術理論書『絵画論』の草稿の中で、芸術において重要なのは「宗教」「肖像」「自然」の3つの主題であることを明らかにしている。
本展では、これら3つの主題が実際の作品においてどのように視覚化されたかを見て行くことで、デューラー芸術の本質に迫ろうとするものです。
出品される版画・素描作品は、メルボルン国立ヴィクトリア美術館からの105点を中心に国立西洋美術館の所蔵版画49点、ベルリン国立版画素描館からの3点の素描を加えた計157点。国立西洋美術館所蔵のでデューラー版画を一堂に展示するのも本展が初というのも見どころの一つです。

第1章 「宗教」デューラーの受難=情熱

第2章 「肖像」名声の流布と永続のためのメディア

第3章 「自然」 写実から潜在的イメージへ

過去にもデューラーの版画はあちこちで観ているが、概要に書いた通り同時期に開催されていた関連企画展、東京藝術大学美術館の「黙示録-デューラー/ルドン」展然り。

これだけの数が揃うのはまたとない機会で、観て来た当日に書いた通り、技法による作品の違いや、各章冒頭の素描と版画との比較ができたのは嬉しかった。

主催者側の意図からすれば、主題についての考察も念頭に入れつつ鑑賞すべきなのだろうが、キリスト教に疎いため、特に「宗教」についての作品図像への深い理解と読解には至らず。

ということで、鑑賞記録の繰り返しになるが、一番強く感じたのは、版画技法の作品に与える影響の大きさであった。
木版、エッチング、エングレービング、ドライポイント。
やはり、デューラーの木版画は素晴らしいが、銅版画と比較すると緻密であることは相違ないが、線の太さの違いは素人目にも歴然としている。
デューラーの線の美しさはエングレービング技法をもって集大成を見た。
わずかにエッチングとドライポイントによる版画が数点あったが、エングレービングほどデューラーの良さを伝えていない。ドライポイントは、別の意味で面白い雰囲気を醸し出していたので、たった3点しか残していないのはやや残念。

モチーフとして一番興味深かったのは、第2章「肖像」である。
特に、デューラーの妹、マルガレータ・デューラーがモデルと推測されている≪ある女性の肖像≫1503年は木炭による素描であるが、今回印象に残った作品のひとつである。
自身の自画像は美化して描いているのに、妹らしき人物は極めてリアルに容赦なく写実的に描いている。

そして、本展最大の見どころは、≪マクシミリアン1世の凱旋門≫の超巨大木版画作品 1515~1517年だろう。
木版49枚を繋げて1つの作品としたものであるが、その大きさは全体で341.0×294.1cm(紙寸)。

下から最上段を見上げてもあまりの細かさに何が描かれているのか単眼鏡を使用しても分からない。
余談だが、本展単眼鏡をお持ちの方は是非持参されることをお薦めします。
そこは、西洋美術館、きちんと部分部分を拡大し、図像解説も怠りない。
これだけの巨大木版画連作を作り上げていたとは知らなかった。神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世が、版画芸術に魅入られなかったら、本作の制作はなかっただろう。
デューラーは彼が生きた時代の皇帝にも恵まれていた。

第3章では、国立西洋美術館所蔵のデューラー三大銅版画と言われる≪戦士と死と悪魔≫≪書斎の聖ヒエロニムス≫≪メレンコリアⅠ≫に加え、≪アダムとイブ≫に目を奪われる。
他に、≪ネメシス≫1502年における人体表現も素晴らしかった。

この展覧会を機に以前から気になっている『西洋版画の見かた』を購入したら、案の定、デューラーの作品を例として各技法の説明がされていたので、私も含めて西洋版画初心者には最適な良書だと思います。
技法のみならず、西洋版画の歴史について、実際の作品画像を取り入れつつ説明しています。
これで、700円なら買って良かったと思いました。

なお、2月13日まで常設の新館2階版画素描展示室にて開催している小企画展「アウトサイダーズ」ではジャック・カロやオノレ・ドーミエの作品を中心とした「よそ者たち」をモチーフにし版画作品を展示中。
個人的には、ドーミエもカロもあまり魅力を感じない。
むしろ、良かったのはベーハム(初めて知った)のエングレーヴィング作品≪小さな道化≫1542年だった。

*1月16日まで開催中。
年末年始は12月28日(火)~2011年1月1日(土)は休館。
※1月3日(月)・1月10日(月)は開館。
※1月4日(火)・1月11日(火)は休館。

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国立西洋美術館で「アルブレヒト・デューラー版画・素描展」を観た!

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とら様

こんばんは。

あの巨大連作版画は本当にびっくりでしたね。
見る部分が多過ぎて、図録を見つつ再度復習です。
ベスト10入りも分かります。

No title

≪マクシミリアン1世の凱旋門≫には驚きました。
メルボルンにこれほどのコレクションがあること自体も驚きでした。
ということで・・・「美術展ベストテン 2010」に堂々入選です。
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