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「芸術家の家 大沢昌助と父三之助展」 練馬区立美術館

oosawa

既に12月23日に終了してしまい、巡回もない展覧会だが、どうしても記録として残しておきたいと思った。
練馬区立美術館開館25周年記念「芸術家の家 大沢昌助と父三之助展」である。
なぜ、もっと早く行かなかったのか、いやたとえ最終日閉館2時間前のぎりぎりであっても、見逃さずに済んだのは、twitterでの尊敬すべきアートブロガー遊行七恵さんの呟きだった。
以下呟きを引用。
「練馬区美「大沢昌助と父」展で、大沢家の息子たちが「紙映画」なるものを拵えて活弁つき上映していたそうで、場内ではその紙映画をDVDで上映中。「橋の上の殺人」がモダニズム漂うピカレスクもので面白かった。モノクロでシャープなところがいい。他のも上映中。楽しい「映画」だった。」
「大沢昌助とその父 三之助 感想http://bit.ly/fqSno5見逃さずに行けてよかった!と思う展覧会だった。」

この2つの呟きを見て、これは行かねばならないと最終日に駆け込んだ次第。

そして、結果は遊行さんの仰る通りのツボかつ稀有な展覧会だった。
この展覧会では、辰野金吾の教えを受けた建築家で、今日の東京藝術大学建築科を立ち上げた大沢三之助(1867年~1945年)の業績を建築設計図案や水彩画などにより検証。合わせて、三之助が育てた異色の建築家や美術家の仕事も紹介。また三之助の長男である大沢昌助は(1903~1997年)1929年から二科会を中心に活躍し、戦後は抽象的要素が画面を占める絵画を描いた画家であり、彼の少年時代の水彩画や大沢三兄弟が作り続けた同人誌や紙映画などの資料も公開するものです。

Ⅰ章 建築家・大沢三之助
この第Ⅰ章については、明治時代など古い建築にお詳しい前述の遊行七恵さんのブログに熱い詳細な内容が語られているので、ぜひそちらをご参照いただきたい(以下)。私の方はごく簡単に。
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-2057.htmlここでは、三之助の建築家としての仕事や、教育者としての仕事や在学中の成績表など珍しい資料の数々に驚き、じっくり鑑賞して行った。
あの中之島にある大阪市公会堂に三之助の建築案が3等に選ばれていたこと、有名なローマでの日本美術展覧会の会場設計を手がけていたとか、ごく身近な所で活躍された建築家だったのだ。

そして、とどめは私の大好きな今和次郎が三之助の教えを受け、彼の卒業制作「ラオ屋と子供」や武田五一の作品が観られたこと。
思いっきり感動した。来年は今和次郎の展覧会が開催されるらしいが、もう今から楽しみでならない。
今回はその先鞭であった。
そして、三之助の師であった松岡壽の水彩画や松岡の授業ノートに三之助の成績が点数化されていたり、当時を思い出させるにたる、豊富な資料の数々にとにかく圧倒された。
第1章だけで1時間弱かかった。

Ⅱ章 大沢三之助とみづゑ
これまた、私のツボだった。大下藤次郎を知って以来、この時代のみづゑ(水彩)が大好きなのである。
三之助の水彩画はとても素人とは思えない、東京帝大工科大学で教えを受けたのが西洋画を学んだ松岡壽であったことも三之助にとって幸運だった。
確かに、建築家を生業としていたかもしれないが、彼は時間さえあればスケッチに出かけていたようで、兵役中にもスケッチブックを携え水彩画を描くほど絵が好きだった。
そんな彼の水彩画は、本当に素晴らしい。
特に好きなのは「日光山旅行日記」、「水辺の夕」「河畔夕景」など。

大下藤次郎顔負けの腕前だと思ったし、特に日光山旅行記は欲しいくらい。

Ⅲ章 息子・昌助の受け継いだもの
絵の大好きな三之助は、自分の息子昌助にも絵を手ほどきする。
水彩画だけを比べると、私は父の三之助の作品の方が好み。昌助の水彩はややタッチが粗く、後年は西洋画の影響を強く受けた水彩画であるのが特徴で、三之助の作品は当時の流行というか基本に忠実な水彩画を描いている。

やはり昌助は油彩の方が彼の本領を発揮出来ていると思う。

この最終章での最大のみものは、三兄弟が制作した雑誌「GOOD HOPE」と紙映画である。
三之助には3人の息子、長男:健吉(建築家:彼がローマでの日本美術展の現場監督だった)、次男:昌助、三男:三郎(建築家)。

「GOOD HOPE」の装丁のカッコよさと言ったらない。当時最先端を行っているセンスあるデザイン。
これだけでも大収穫なのに、紙映画には心底仰天した。

今も現存する兄弟が作った紙映画は100本もあり、今回はその一部がそのまま展示されていただけでなく、実際に弁士による活劇上映の映像が会場に流れていた。確か6本だったと記憶している。
・絵画の研究 昌助作
・大地震 三郎
・橋上ノ殺人 健吉
他3作品。どれも、くすりと笑ってしまうようなお話もあれば、シュールな絵柄でスリリングな展開があったり、活弁がまた上手いの何の。すっかり惹きこまれて、全部観ると30分は必要で、時間の関係上1作品だけ観られなかったのが心残り。

12月11日には、実際に大沢三之助のお孫さんである大沢匠氏による「紙映画上映会」が開催されていたので、これは参加したかった。 

大沢昌助の描いた「三之助・みよ子の肖像」コンテ作品だが、両親を描いた実に思いの伝わる絵であった。
また、1階から2階への階段途中に三之助や昌助が愛蔵していた洋書や硯、外国土産などの写真が展示されていて「大沢家の想い出」と題されていたが、これまた両者の嗜好や制作の背景にあるものが分かり良い展示でひたすら大沢家の家族に思いを馳せ、会場を後にした。

*本展は既に終了しています。

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遊行七恵様

第1章であれだけの量と質で書けば、さすがに第2章は手薄に
なっても致し方ないと思います。
なので、私がその分を僭越ながら補ってみました。

分かってくれて嬉しいです。
来年もお互い楽しく徘徊しましょうね☆

No title

こんばんは
つぶやきがいかに大事かがよくわかった気がします。
me女史がかけこまれて本当によかったです。
ラストのラストでこういう素敵な展覧会に当たるとは思いもしませんでしたね。

水彩画は書き切れなかったのでここで読めて嬉しかったです。
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