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「植田正治写真展 写真とボク」 埼玉県立近代美術館

uedasyoji

前回の続き。
宇都宮美術館を後にして、帰りは大宮経由北浦和で下車。埼玉県立近代美術館で1月23日まで開催中の「植田正治写真展 写真とボク」に行って来ました。

この展覧会は行こうか迷っていたが、ブログ「関東近辺の美術館めぐり」さんの記事を拝見して、やっぱり行こうと決めた。
植田正治は私にとって実に思い出深い写真家である。まだ美術館めぐりを始めた頃、2005年に初めて東京都写真美術館で「写真の作法」展で植田正治の写真を観て衝撃を受けた。
ここで、初めて写真のポストカードを購入。それが植田の「童暦」シリーズの乳母車を押している影絵のような1枚。
この写真は本展にも出展されていたし、名古屋の家の冷蔵庫に今もしっかり貼られている。
更に、その後鳥取県の植田正治写真美術館(設計:高松伸)に建築を観に行く目的もあり、2007年8月に訪れた。
過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-150.html
植田正治が亡くなったのは2000年で、2010年は没後10年記念ということで大規模な巡回展が開催され、今回は最終巡回先の郡山市立美術館の前で埼玉での開催である。
初期から晩年までの代表作約200点を鳥取県の植田正治写真美術館のコレクションによって構成、更に没後発見された未整理未発表のネガによる初公開作品も10点展示されている。

また、昨年はミュゼ浜口陽三コレクションでも、浜口陽三と植田正治の二人展が開催され、記事は書いていないが、こちらも拝見した。が、展示数が極めて少なかったので物足りず。
しかし、本展は違う。200点でしっかり植田の仕事を振り返る内容となっていてとても満足できた。1993年に東京ステーションギャラリーで開催された「植田正治の写真展」の映像(45分)も会場の最後に上映されている。

構成は次の通り。
Ⅰ.初期作品
Ⅱ.砂丘劇場
Ⅲ.家族
Ⅳ.風景、「かたち」・・・1950年代の作品より
Ⅴ.童暦
Ⅵ.風景の光景
Ⅶ.小さい伝記
Ⅷ.音のない記憶
Ⅸ.オブジェなど
Ⅹ.砂丘モード

植田と言えば、「植田調」という言葉が海外にも広く知られ、当時、日本の写真界では木村伊兵衛、土門拳らの絶対リアリズム重視の写真が主流派となっており、演出、芸術写真の植田は自ら生涯アマチュア写真家を標榜し、鳥取県で写真活動を続けていた。
たとえ、主流でなくても自己流を貫き通した植田の写真は絵画、美術から写真を観ることを始めた私にとって、リアリズム追求写真より自分の中にするすると入って行った。
よくよく作品を追って行くと、マン・レイ風のソラリゼーション作品あり、シュルレアリスム風の作品あり、アンドレ・ケルテスを思わせる作品あり。
やはり、植田ならでは!と思わせるのは砂丘シリーズからであろう。

私は、彼の構図が好き。後述の童暦シリーズはちょっと別として、他のシリーズ作品の大体は構図に強く惹かれる。

絵画とは違う、写真の魅力。
それを最初に私に教えてくれたのが、植田正治であったと思う。

今回初期作品から砂丘⇒童暦⇒風景の光景⇒音のない記憶と順を追って観て行くと、常に写真に対して一貫した姿勢を通していることが良く分かる。
思い出深い童暦シリーズを前に、2005年に最初にこのプリントを観た時のことを思い出し、ぐっと来るものがあった。
先日写真美術館で、ニュースナップショット展を拝見したが、あそこで展示されていた写真は全てインクジェットプリントだったが、今回はごく一部を除いてオリジナルプリント(ゼラチンシルバープリント)だと思われる。作品リストにもキャプションにも記載がなかったが複写プリントだけ注記されていた。
やはり、プリントの質がまるで違う。

これがプリントの良さかと改めて、特に好きな写真は舐めるように眺めて観て来た。
本展図録は高精細印刷で現代の印刷技術の粋を活かした内容だが、やはりオリジナルには敵わない。
写真集でも良い写真家とオリジナルでないとという写真家両方あっても良いし、それぞれで作品の魅力が出せれば良いと思うが、植田の場合は、プリントが美しいように思った。
と言っても、何しろド素人のいうことなのであてにはならない・・・のが悲しい。

音のない記憶シリーズは今回初めて観たかもしれない。こんな重要なシリーズをプリントで見たことがないとは何とも恥ずかしい限りだが、写真集『植田正治小旅行写真帖 音のない記憶』1974年をどこかで観ることはできないだろうか。モノクロ180点からなる写真集というから、探してみよう。
今回展示されていたのは、同シリーズからは僅か10点。

また、未公開の10点は「特別展示 僕のアルバム」と題し、主に植田の妻である紀枝婦人のポートレート中心に家族や身の回りのもの、猫とか、植田の温かなまなざしが感じられる作品群。
1935年から1960年の間に撮影されたものと推定されている。

この展覧会を機に、埼玉県立近代美術館の会員に入会。
次回展がまた楽しみなのである。これで企画展は何度行っても無料。植田正治写真展もできれば再訪したい所。

2010-1-6

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植田正治写真展 写真とボク 【埼玉県立近代美術館】

先日、北浦和の埼玉県立近代美術館で「植田正治写真展 写真とボク」を観てきました。この展示は結構前から楽しみにしていました。 【展覧名】  植田正治写真展 写真とボク 【公式サイト】  ht...

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21世紀の×××者様

こんばんは。
こちらこそ、有難うございます。
背中を押していただいたので、しっかり観て来ました。
不覚にも童暦のある1枚で涙ぐみました。

何しろ個人的に思い出多き写真家です。

No title

こんにちは ご紹介いただき恐縮です^^;
この展示は良い内容でしたね。 こちらの記事を拝見して、なるほどと思うことばかりです。確かにプリントによっても印象が違うかも?? 写真集を観た時にちょっと違う感じを受けました。
私も植田正治の展示は今後追いかけてみたいと思います!
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