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「鉄を叩く-多和圭三」展 目黒区美術館

tawa

目黒区美術館で明日1月9日(日)まで開催中の「鉄を叩く-多和圭三」展に行って来ました。

最近、つとに様々な情報を入手しているtwitter上での評判には上がって来なかったが、年末の専門家が選ぶ2010年展覧会ベスト3などに本展を挙げておられる方がいたので、やはり観ておこうと会期末ギリギリになってしまったが駆け込んだ。

そして、予想通り観に行って良かった。

多和圭三は1952年に今治市に生まれ、日本大学芸術学部で彫刻を学ぶ。その時に師は、柳原義達(カラスの彫刻などで著名)、土谷武である。現在の彼の作品により強い影響を与えたのは土谷のように感じたがどうなのだろう。
そして、当初より鉄を素材にした彫刻を制作。

初個展は1981年神田の真木画廊で、初個展で出展された作品≪弛緩≫1981年も展示されている。20㎝弱四方の正方形の鉄板112枚を敷き詰めた作品。
今回、この112ピースのうち1枚を付けた特装版図録が限定20部用意されている。お値段36,000円で、通常版図録は2,000円である。

1階の作品では、鉄彫刻よりむしろ壁面を飾っていた平面作品≪景色≫のシリーズが気になった。
画面を二つに分けた作品。
極めて単純であるが、紙でしかも平面であるのに、どこか鉄彫刻に似たものを醸し出している。
紙のニュアンスも素敵で、更に素晴らしい作品が2階にあった。

2階は通常あるカーペットをはがしてむき出しのコンクリートの上に作品を展示。
確かにカーペットの上に、多和の彫刻作品は似つかわしくない。
むしろ、屋外スペースの方がもっともっと魅力を発揮できるのではないかと思った。
彼の作品が大地と一体となった時、一体どんなことを感じるだろう。

持ち上げるだけでも重いハンマーによって鉄を叩き作品制作を行ってきたが、近年では石や鉛などの彫刻も手がけているという。

そして、ここで私の大好きな大谷石の彫刻≪景色-蠢動≫2008年がうっすらとブルーの色を湛えて、待っていてくれた。
タイトルからも分かるように、多和はこの作品で、春を生み出すような作品を作りたかったという。
この作品があるコーナーでは鉄彫刻4点あるのだが、全体で見てみると、雨は降っていないのにまるで雨が降っているような、見えない水の姿が浮かんでくる。
それは大きくえぐった大谷石の彫刻のせいなのか、同様に、水がたまるような器のような彫刻作品を敢えて並べていたせいなのかもしれない。平たい作品もあったが、水に濡れたような光沢を放っており、そんなに光っていた作品は他になかったように思う。

多和の作品の多くは、鉄の表面を叩くことで鉄塊に微妙なニュアンス<凹凸>を付け、鉄という重さ、存在感だけを表出するのではなく、鉄が見せる表面の表情を創出することを行っていた。

1階から中央の階段を上がって右側奥の展示室にはついになった≪景色-境界-≫2008年がある。
これは非常に良かった。
前述の紙にもニュアンスを作った平面作品も2点≪景色≫2010年ある。一方は黒、もうひとつは白。
この両者の対比。
黒と白の平面の対比だけでなく、先端がギザギザになったまるで草のような四角の1対の鉄枠作品。一つはやや厚みが大きく、もうひとつはそれよりやや薄めに作られている。

この中で静かに佇んでみると、調和した空間、静かで静謐な雰囲気をたたえた空間だった。

大谷石の作品があるコーナーの反対側のコーナーもとても良かった。
≪黒色-伝承≫2010年。
最新作では、これまでの凹凸で四角の鉄塊でなく、寧ろ逆の方向にある作品を生み出していた。
一つはギザギザの先端、先程の作品と似ているがこちらは真っ黒の鉄枠。
ついになっているのは、山の先端が切り取られてしまったような筒型のオブジェ。
中を除くと内側の鉄の表情が何とも言えない。

もの言わぬ鉄が、これ程語りかけて来るとは、予想外だった。
恐らく、美術館に1点鉄塊の作品があるだけでは感じなかったものが、これだけ一堂に多和の作品を集め、展示したことで、全ての作品が共鳴しあい、それぞれが語り始めたようだった。
一階のカフェ奥にて、多和の制作映像が上映されている。静かな美術館に多和がハンマーを振り下ろし、鉄を叩く音が谺する。

蛇足だが、ちょうど私が訪れた時間帯に、非常に有名な日本人男性写真家が展示を観に観て来ていたので驚いた。
しかも、イメージ的には意外な感じ。彼と多和さんとは、どこかで繋がりがあるのかもしれない。

鉄彫刻もだが、ドローイングの平面作品にも注目して欲しい。
目黒区美術館は最後の巡回先です。未見の方はお見逃しなく。

2011-01-7

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