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2011年1月11日~1月23日の観賞記録 美術館・博物館編

年初に、今年は観に行った展覧会やギャラリーの記録を漏らさず書くと自分に誓ったが、わずか一ヶ月も経過せぬうちに、既に崩壊の兆しがある。

ということで、既に書いていない展覧会、個展の感想を一気に纏めます。観た順番の記憶が曖昧なので、思い出した順に。

・「プライマリー・フォールドⅡ 絵画の現在-七つの<場>との対話」神奈川県立近代美術館葉山 1/23終了
twitter上では、好意的な評価、中には既に今年度ベスト入りの予感・・・などの呟きがあるかと思えば、そうでもなさそうな呟きもあったり。同じ神奈川近美鎌倉別館の山下菊二コラージュ展と合わせて鎌倉方面に行きたかったので、それを待って行って来た。
展覧会の作りとしては不親切。出展作家は7名、高橋信行、小西真奈、保坂毅、三輪美津子、東島毅、伊藤存、児玉靖枝の7名なのだが、なぜこの7名を選択したのか、少なくとも会場だけでは分からない。図録を読めば分かるのかもしれないが、いちいち図録を読まないと分からないような展覧会は公立美術館の展覧会としてどうなのだろう?と思ってしまった。作家名のみしかパネルはない。
チラシによれば見るたびに初めて見るような形に出会える展覧会とのこと。
既に知っていたのは、小西、伊藤、児玉の3名(敬称略)。伊藤存は、昨年大山崎山荘美術館での展覧会がとても良かったし、彼の作品はホワイトキューブより、庭園美術館や大山崎山荘美術館のような一種独特の空間の方がマッチしている。その記憶があるため、今回の展示は物足りない。
他の6名も然り。保坂は出展作家中最若手で、不定形の半立体の支持体を使用した抽象絵画。あくまで、好みの問題だが、強いインパクトはなかった。
中では東島のインスタレーションのような巨大な抽象絵画とガラスを使用したミクストメディアの組み合わせが一番強く印象に残っている。
三輪美津子の≪床下の死体≫はミステリー小説の一部のようだった。

・「ひと/HITO」展 神奈川県立近代美術館鎌倉館 既に終了
こちらは、展覧会の主旨が明確で、所蔵作品展とは言えさすがの名作揃い。東近美に負けるとも劣らぬコレクションを披露、「ひと」のイメージの諸相を以下の5つに分けて探るテーマと展示作品に一貫性がありとても良い内容だった。
第1 部:かお
第2 部:からだ
第3 部:生きているひと
第4 部:死と向き合う
第5 部:HITOとは
印象に残った作品としては、関根正二「村岡みんの肖像」、中川一政「青山二郎像」、松岡壽「童児」、三岸好太郎「横向きの進化」、松本竣介じゃ全部で4点、麻生三郎「寝ている男」シリーズ、高松次郎「世界の壁」、ジャコメッティの裸婦小像など。ジャコメッティの像は、ミニチュア並の小ささなのに存在感があって、古代の土偶を思い出した。
展示品70点で、企画展と言っても良いような充実度だった。

・「山下菊二 コラージュ展」 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館 3月27日迄
2009年度に寄贈された山下菊二のコラージュを中心に紹介。展示作品の中心は《戦争と狭山差別裁判≫シリーズ。冤罪という非常に重たい社会的な問題を絵画化する仕事は、山下の中に宿る正義感ゆえだろうか。
文字と絵画で画面構成されたコラージュは、見ていると恐怖を感じる。来て良かった。

・「歴史を描く-松園・古径・靫彦・青邨-」 山種美術館 2/17まで
山下裕二教授による解説付きの特別観賞会に参加。見どころは松岡映丘≪山科の宿≫という縦幅の長い、長大な絵巻、しかも詞書は、当時東京美術学校(現東京藝術大学)の第五代校長の正木直彦であるが、非常に達筆。
しかし、もう1点展示される予定の合作絵巻≪伊勢物語≫は松岡映丘の描いた部分は後期の展示替えで出展されるそうでがっかり。ごく最近、佐倉市立美術館で予定されている人形作家の平田郷陽の調査の中で、松岡が平田に自分の人形制作を依頼していることが判明。写真が発見されたが、肝心の人形はいまだ見つかっていないらしい。佐倉市立美術館の展覧会までに何とか発見されて欲しい。チラシの小堀鞆音≪那須宗隆射扇図≫は、日本のヤマトタケル信仰の一端として紹介されていた。
上村松園の「砧」が出ているが、いつ見ても美しい作品。

・「みえないちから」 ICC 2月27日まで
オスカー・フィッシンガー、エキソニモ、小金沢健人、志水児玉、堀尾寛太、フォルマント兄弟の出展。
ここのギャラリーAは入場料一般500円だが、ここでは小金沢の映像≪ほこり≫が良かった。
堀尾寛太は私の好きな梅田哲也さんや毛利悠子さんもそうだけれど、最近こういった電池や既存の日用品を使用し、偶発的に動きを見せたり音を出させたりする作品がやたら多い。

無料ゾーンのクワクボリョウタの作品が一番良かった。プラレールのように模型列車を走らせ、影を使用したインスタレーション。列車の動く速さに緩急があり、影の形も様々に変化させる。

・プロジェクトN 吉田夏奈 東京オペラシティアートギャラリー 3/27まで
吉田の作品は「TWSエマージング」で昨年拝見したと思う。今回は全長40mにも及ぶ長大な山の風景画を中心とした構成。ワンダーウォールでの作品と同じ技法だが、何しろ大きい。今後100mまで延長させていくらしい。
幾何学的な面で構成された山の表現が特徴的。

・100かいだてのいえのひみつ 岩井利夫がこともたちと作る絵本と遊びの世界展 武蔵野市立吉祥寺美術館 2/20迄
岩井俊雄は、メディア・アーティストとして活躍していたが、自身の子どもの誕生と武蔵野市での生活の中で、絵本作成を思い立った。
彼が作る絵本は縦に伸びる絵本。本展では、原画を含め、岩井自身の言葉による解説で展覧会をまわる。
中央に絵本の世界を立体化した家ができていた。
小さなお子さんと一緒なら、必ず楽しめます。

・「木村伊兵衛賞」 川崎市民ミュージアム 既に終了
楽しみにしていた展覧会だが、全体の感想としては物足りず。歴代の木村伊兵衛賞作家の作品を展示するとのことだったが、特に過去の作家になる程展示作品が少なかった。
会場の大きさの都合なのか、途中で受賞者の順序が飛んで別の展示室になっているので、流れがうまくつかみきれない。
むしろ、同時に展示されていたデュシャンの映像作品の方が面白かった。

・「室町三井家の名品」 三井記念美術館 1/29迄
さすがの室町三井家。茶道具の名品の数々にうっとり。
国宝:志野茶碗:卯花墻は何度か観ているが、今回一番目を惹いたのは特別出品されている国宝「古今和歌集 元永本 下帖」(東京国立博物館蔵)。料紙の美しさは全部のページをめくりたくなる衝動にかられる。

「古銅桃底花入 伝利休所持」、大井戸茶碗銘須弥(別銘 十文字)朝鮮王朝時代にとりわけ熱いまなざしを送ってしまった。この他「紅花梨木地秋草蒔絵茶箱」は中身も含めて、ちいさきものはみなうつくしの世界。
ハッとしたのは、墨蹟「清拙正澄墨蹟」や「愚極智慧墨跡」などを拝見すると背筋がピンと伸びる。カツを入れられたような心持がする。
この展覧会は、かなりのお客さまで賑わっていた。会期末にはまた混雑しそう。

・「三代徳田八十吉展~きらめく色彩の世界」 そごう美術館 2/13まで
TVでも紹介されていたと思うが、まさにきらめく赤を除く黄色、青色、緑色、紫色の世界。組み合わせによって、今では200色以上の色を作り出せるという。
伝統的な初代の所有していた古九谷の名品も展示されており、新旧の名品を一堂に会し眼福に尽きる。
そごう美術館のやきもの関連の展示方法は、いつもながら見やすいし、作品をより美しくみせる気配りがされている。
三代のモダンかつ斬新なデザインの美しさと色の選択に素晴らしいセンスを感じた。
元々、九谷焼の窯元の家に生まれながら、九谷が嫌いだと言ったら、それなら新しい九谷焼を創り出す才能があると有名作家(誰だったか失念)言われ、この道に進んだらしい。
デパート系の美術館の中では最高峰だと思っている。来年度は蕗谷紅児の展覧会も予定されているし、これからも楽しみ。

東京藝大先端の卒業修了制作展と練馬区立美術館「宮芳平展」は別記事予定。

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せいな様

クワクボさんは良かったですね~。
みえない力より、良かった。
フォルマンと兄弟のお化け屋敷は期待したほどではなかったです。
何が嫌だったかというと、ずっと立ちっぱなしだったこと。
ぼうっと立っているだけで話を聞いているのがきつい。
もう少しひねりが欲しかったです。

オペラの曽根さんはエルメスの方が良かったかな。
でも、常設の若手作家さんの作品が良いのでぜひに。

No title

オペラシティまだなんです。この記事読んで再訪するって決めました。
「みえないちらら」はフォルマント兄弟が私は好きです。「なるほど!」って感心してしまったって感じかな。あの暗闇を頑張った息子も最後は楽しそうでした。
ICCのクワクボリョウタさんは親子で大好きです。もう何回行ったかしら。
メディア芸術祭の優秀賞も納得です。
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2010/art/TheTenthSentiment/
うちの子はあそこの展示に行くと夜は寝室にプラレールをつなげてレゴ等を置いて「まっくらプラレール!」と真似をしています。
ただプラレールのライトは弱いので何も知らないでみると「ネクラな幼稚園児」に見えてしまいます。。。
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