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「歴代沈壽官展」 日本橋三越

日本橋三越新館7階ギャラリーにて1月31日まで開催中の「歴代沈壽官展」に行って来ました。

既にNHKの『日曜美術館』で放映されたので、内容についてご存知の方も多いことだと思います。

薩摩焼に私が出会ったのは、まだほんの数年前のこと。美術鑑賞を本格的にはじめてまだ10年も経過していないので仕方ないことだろう。最初に観たのは江戸博ではなかっただろうか。
その精細で精緻な絵付けに最初は目を奪われたが、今回の展覧会を拝見し、薩摩焼の魅力はあの乳白色の美しい下地の色だと改めて思った。

あの下地の得も言われぬ優しい白色があればこそ、細かい絵付け、例えば群れなす鶴や花鳥、更には虫までもが活き活きとこちらに語りかけて来るような風情を生み出すのだろう。

そして、いまひとつ、薩摩焼の魅力で忘れてはならないものがある。
ちりめんのように細かい貫入である。
前述の乳白色の下地によくよく眼を凝らしてみると、細かい線のようなものが見えて来るはず。それが貫入なのだが、薩摩焼の貫入は他のやきもの、例えば青磁などと比較すると、圧倒的に細かい。
貫入とは分からない程の細かさで、この結果何もない状態よりもニュアンスが付加されてより美しい下地ができあがっている。

展覧会は初代が作成した、てらいのない、しかしこれぞ薩摩焼という白の茶碗≪伝火計手≫17世紀初頭が展示されている。
これこそ、冒頭に相応し作品だ。
この白を出すために、土をあちこちで探したという。この初代、沈当吉は、他の陶工同様に豊臣秀吉の挑戦出兵の際に朝鮮半島から連れてこられた陶工のひとり。
九州地方にはやきものの盛んな土地柄であるが、すべてこれを紀元としていると考えて良い。
苦難の末、20年あまりもかけて白薩摩の陶土を発見したというから凄い。

あとは、もう華麗な技術、絵付けに身をゆだねるだけで良い。

薩摩焼は分業制になっていて、絵付けは絵付け、彫り師は彫り師と担当が決まっており高度な専門技術が伝承されていく。繊細な彫りを観ていると、昨年台湾の故宮博物院で見た牙彫を思い出した。あちらの技術も驚異的だが、薩摩焼は焼き物でそれを実現しているのだ。

人気のある絵付け師や練り物師には指名が入ることもある。
今回は1明治期に活躍した12代の作品が多く出展されていたが、それはもう素晴らしいものばかり。

当代十五代の新たな挑戦作品も現代の息吹を感じる。

この展覧会はこの後、福岡三越、名古屋三越に巡回するが、関西方面への巡回はない。そして、各巡回先では展示期間が1週間足らずと非常に短い。
本当にそれだけで終わるのが勿体ないような展覧会です。

*1月31日まで。最終日は17時までに入館必要なのでご注意ください。お薦めです。

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とら様

こんばんは。
とら様の仰る通り、とても上手いたとえですね。


> こんにちは。あの貫入の繊細さはため息モノでした。
> 十二代は天才です。当代はやり手です。
> 二人のお陰で滅多に見られぬ薩摩焼の名品に接することができました。

十二代は凄い技術とセンスヲ持つ人物だったようですね。
見事でした。

No title

こんにちは。あの貫入の繊細さはため息モノでした。
十二代は天才です。当代はやり手です。
二人のお陰で滅多に見られぬ薩摩焼の名品に接することができました。

noel様

こんばんは。
薩摩焼ときけば、行かない訳にはいかないでしょう。
期待以上でしたね。

作品数が多かったので、ビデオを視聴すると1時間では足りませんでした。
最後はやや駆け足になったのが無念ですが、乳白色の美と絵付けを
十分堪能できました。満足です!

酔いしれました

私も日曜美術館を見て駆けつけてきました。超絶技巧工芸好き?としては堪りませんでしたね~~(笑) 素晴らしい作品と歴史の重みに酔いました。
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