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「墨宝 常盤山文庫名品展」 根津美術館

bokuhou

根津美術館で2月13日まで開催中の「墨宝 常盤山文庫名品展」に行って来ました。

何はさておき、東近美の「日本画の前衛」展に次いで楽しみにしていた展覧会。今回の失敗は、1月22日に開催された正木美術館主席学芸員の高橋範子氏による講演「墨の魅力 禅寂の境地にひたる」に申し込まなかったこと。
参加された方によれば、禅画の流れなどを分かりやすく解説されたとのこと。てっきり、こちらは墨蹟についてのお話で絵画についてとは想像せず、後で悔やんでも時既に遅し。貴重な機会を逃しました。

さて、常盤山文庫、日本美術をよくご覧になる方であれば作品所蔵先にこの名前を目にしたことが何度かあるに違いありません。かくいう私もその一人。一度、これはどこにあるのかとぐぐって調べたこともありました。
実業界の粋人(・・・と展覧会チラシにはありますが、フィクサーとしての顔もあり)により昭和18年に創設。以後60年以上にわたり形成されたコレクションは墨で表現された優品が多数含まれています。

本展では、両国の禅宗寺院を背景に生み出された常盤山文庫の墨宝を中心に初公開の工芸品、特別出陳を加え、日本の中世における中国文化受容の一端を紹介しようとするものです。~美術館チラシより一部抜粋

冒頭いきなり、今回一番のお気に入りの一対の絵画が。
≪捨得図≫(常盤山文庫蔵)、≪寒山図≫(静嘉堂文庫蔵)虎巌浄伏賛 元時代 の対面。
元々寒山捨得の一対の作品なのに、今は所蔵先も異なるので、本来であれば向かい合った形の寒山捨得が、そうならない。
静嘉堂文庫の≪寒山図≫は、既に拝見していて、非常に特徴のある頭髪の表現があるため、すぐに過去に観た作品と分かった。あの頭髪表現は忘れようにもなかなか忘れられないものがある。一体、筆をどうやって使うとあんなに自然なアフロができるのだろうか。
仲間の≪捨得図≫も同様の頭髪表現で同じ書き手であることはそれ以外、墨線でも分かる。
あぁ、良いものを見せていただいているなぁと感動。

根津美術館は、近頃来るたびに展示の方法がグレードアップしているような気がしてならない。
今回も墨宝を堪能するには、足利義満の時代のごとく君台観左右帳記に倣ったしつらいを少しでも感じてもらえるようにとの配慮で、ガラスケース内でできうる限りの努力をした展示を行っていた。

例えば、棚飾りを作って、そこに南宋青磁の茶碗や文琳茶入を置いたり。それだけではない。一番、気に入ったのは、あの根来のお盆や黒漆、朱漆の輪花盆を台にして、青磁杯や青磁袴香炉と心憎いばかりの取り合わせ。
まさに室町時代を思わせる取り合わせ。これがまた名品揃いで美しい。

工芸品の白眉と言えば、初公開の≪彫漆雲文水注 犀皮≫・南宋は凄かった。
文様が仏像の羅髪のように渦巻いている。解説の読み違いでなければ元は金属製の水柱に漆を何層も塗り重ねそれを彫ってあの雲文(渦巻き)を創り出しているという。持ち手にも要注目。何ともいえぬ味わい深いまるでべっ甲のような光沢があった。

そして、貴重な南宋絵画≪送海東上人帰国図≫、あとは根津美の国宝≪鶉図≫が。
絵画では他に以下の作品が印象に残る(所蔵先の記載がないものは常盤山文庫)。
・龍図 李筆 明時代 
・楊柳観音図 伝 可翁筆 一山一寧賛 室町時代
・瀟湘八景図 雲渓永怡筆 室町時代
・帰郷省親図 卾隠恵奯ほか12僧賛 室町時代
・白衣観音図 能阿弥筆 室町時代
・月に兎図 蔵三筆 室町時代
・張果老・鉄拐・呂洞賓図 啓孫筆 室町時代
・花籠図 雲渓永怡筆 室町時代

中でも、最後の花籠図は同時代の中国宮廷画家の作品を模したものではないかと解説にあった通り、他の作品とは一線を画す緻密な画法だった。

また、墨蹟にいたっては、ほぼ全て名品と言っても過言ではない。
中では、非常に単純明快ではあるが、無準師範墨蹟 ≪巡堂二大字≫は強烈だった。

文字に精神が宿るっていうのはこういう文字のことなのかと観惚れてしまった。

私は書を鑑賞するのは好きだけれど、墨蹟は苦手。好きなのは明時代ごろまでの中国書なのだけれど、今回に限って言えば、墨蹟も良いなと少し魅力が分かったような。
ミュージアムショップをちらりと覗いたら、正木美術館編の『水墨画・墨蹟の魅力』・吉川弘文館刊という本を発見。
やや気になっている。

なお、3階展示室では鍋島焼の展示と初春を祝う茶と題した展示も開催。特に後者は菟のモチーフを集めた茶器など季節や干支を取り入れた遊び心のある展示となっています。

*2月13日まで開催中。

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