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「杉本博司 アートの紀元|科学」 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

kagaku

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で2月20日(日)まで開催中の「杉本博司 アートの紀元|科学」に行って来ました。

既にご存知の方も多いことと思いますが、同館では1年を通して杉本博司を「科学」「建築」「歴史」「宗教」のテーマでその作品世界を通じて、杉本がもっとも重要と考える人間の意識を辿るものです。

第1回目は「科学」。

1階のエントランスでは、≪放電場構成001≫2007ー2008年を6点、縦に繋げて、美術館の1階吹き抜け空間を上手く利用した展示をしています。傍には、≪概念の形011 負の定曲率曲面、回転面≫2008年、アルミ削り出し、鏡で作られた幾何学的オブジェ。
この取り合わせを観ると、昨年秋に行ったベネッセハウスパーク棟の中庭や中にあった放電場の作品が、脳裏によみがえって来ました。
冒頭、来客を迎えるにあたって、相応しい展示内容だと思います。

階段を上がって2階へ。
これもご存知の方は多いと思いますが、猪熊弦一郎現代美術館(以下MIMOCA)は、かの谷口吉生設計のJR丸亀駅前美術館として、建築の世界ではつとに有名な建物。
ここでは、アーティストの作品がいかに谷口建築と調和するのかも見どころのひとつと個人的には訪問する度に楽しみになっていることの一つです。

2階、ここが今回の一番のオススメ。
横浜美術館の1階ギャラリーで昨年「さよならポラロイド展」が開催され、杉本博司も参加しその際に出展していたポラロイド写真≪偏光色≫2010年を今回は50点展示。
件のポラロイド展では、確か2、3点しか出ておらず、もう少し観たいなと思っていたので念願叶う。

光を光学ガラスを通して、偏光させた所をポラロイドでパチリが制作方法だと思われるが、50点の色の様々な組み合わせの妙は光の多様さ不思議さ、偶然性様々なことを考えさせられる。
しかし、何よりも美しい発色と半ば企図した通り、半ば偶然の産物であろう色の組み合わせの美しさに魅せられる。もう少し、大きな画面で観たいと思ったが、7.7×7.9サイズに封じ込められた色彩世界は、時に宇宙から見た地球の一部のようであったり。画面を2分割したようなものや、横しまに色相が作られた画面、虹の一部を切り取ったようだった。

なお、関連資料としてアイザック・ニュートンの『自然哲学の数学的諸原理』1739-42年初版2冊、『光学』1704年初版が展示されていた。ニュートン以来の光学を現代で辿った作品ということだろうか。

2階には猪熊弦一郎コレクションの展示もあるが、それは後回しにして3階へ。

3階の展示室の使い方、これが今回は驚いた。実に杉本博司らしい使い方である。過去、何度かここへは来ているが、空間の開口部を閉じて、入口を細くひとつに、しかも曲がらないと中に入れないので、観客はまず必然的に行き止まりの壁面に投影される映像を観ることになる。
この映像作品は1階にあったのと同じ≪放電場≫シリーズをスライドで見せる。

中に入ると、大きな木製の雛段がまず目に飛び込んでくる。これより前に青山ブックセンター本店で開催された杉本博司トークにて、この会場の映像が紹介されたので内容は事前に分かっていたが、それでも実際に目の当たりにすると、さすがにその大きさに驚く。
階段を登りきった所には(観客は登れません!)、杉本博司の「歴史の歴史」展に展示されていた同氏所蔵の≪雷神像≫鎌倉時代の木彫が遠くを睥睨している。
雷神の頭上にも≪放電場≫2009年が1点。

この空間は壁面にも≪放電場≫シリーズを電飾で見せたり、はてはなぜか垂れ幕に放電場をプリントしたもので、壁面を覆っていたりと、ちょっとやり過ぎ感、遊んでいるなという感じが強く好感が持てなかった。
特に垂れ幕は、せっかくの放電場のちょっと神秘的な雰囲気が、安っぽく見えてしまった。

長い衝立となる壁面の向う側にも1つだけ作品≪ファラデーケージ≫2010年がある。
展示室に入った時から、時折壁の向こう側から聴こえて来る電気がスパークする音が気になっていたのだが、その正体が分かった。

ヤノベケンジが昨夏、富山県の入善町立発電所美術館そしてその前に豊田市美で≪放電≫を起こす作品を発表したが、その縮小版と言えば分かりやすいか。
仕組みは分からないが、恐らくヤノベケンジの作品と今回の≪ファラデーケージ≫は同じ仕組みなのではないだろうか。

≪ファラデーケージ≫では鳥かごの前後に古い写真が貼られていた。
せっかくだから、放電の際に写真が何か変化したら面白いのにと思って眺めていたが、変化なし。
不定期感覚で起こる放電の放つ光の閃光は、稲光にも似ていて、隣にある雷神像が関連した存在として理解できた。

次回展のテーマは「建築」で会期は3月6日(日)~5月15日(日)。
関連イベントとして、何と建築家:谷口吉生×杉本博司の対談が4月1日(金)19時より同館で開催される。
先着順で200名定員。当日14時より1階にて整理券配布。
他の日なら何としても馳せ参じるのだが、さすがに年度始めの平日に休みは取れない。

ユーストリームで中継していただけないものでしょうか。

*2月20日(日)まで開催中。

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