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「Art in an Office-印象派・近代日本画から現代絵画まで」 豊田市美術館 

豊田アート

豊田市美術館で開催中の「Art in an Office-印象派・近代日本画から現代絵画まで」に行って来ました。

本展は、豊田市内の企業が所有し、一般には見る機会のないコレクションの一端を約80点展示し、企業のオフィスと美術作品について考えてみようとするものです。

展示は大きく第1部、第2部と2つに分かれています。

第1部では19世紀~20世紀の西洋絵画と近代日本画、洋画とを展観し、第2部は豊田と言えばお馴染みのトヨタ自動車株式会社が2006年~2010年までに購入した現代美術作品「TOYOTA ART COLLECTION」を公開。

「TOYOTA ART COLLECTION」は、毎年審査があって、その結果購入作品を決定するとのことだが、地元愛知県ゆかりのアーティストの作品と東京都のメジャーギャラリー、例えばギャラリー小柳、小山登美夫ギャラリー、タカ・イシイギャラリーの扱い作家が特に多いのが気になる。

以下第1部より印象に残った作品とともに振り返る。
<西洋絵画>
・モイーズ・キスリング 「スペインの女」 1925年
100.2×73.5のなかなか大きなサイズの作品。キスリングは好きなので、1点でも嬉しい。

・ジュール・パスキン 「下着姿の座る少女」 1928年
パスキンも好きな画家のひとり。これは晩年の作品で、彼はこの絵を描いた2年後に亡くなる。彼の絵の魅力は何と言っても真珠のような絵肌にある。淡い色彩とゆらめくような甘い雰囲気の中にどこか不安が漂う。この作品、どこかで観たような気がする。

・フランシス・ピカビア 「モレ=シュル=ロアン池」 1904年
ピカビアはダダの作家としてカテゴライズされるが、この作品は隣に展示されていたシスレーの「春の朝・ロワンの運河」1897年にそっくりな印象派そのものの作品。ピカビアは20代にシスレーのもとで、ロワン川の絵を描いていたのだそうで、次々と作風を変えるそのカメレオンぶりに興味をそそられる。

<日本画>
・前田青邨 「鵜飼」 1933年
横長の、恐らく額装される前は絵巻であったに違いないが、一部を切り取られたようにおさまっている。
やや損傷がみられる。本展担当学芸員の天野氏によれば、青邨は構成的に優れた画家だとのこと。なるほど、青邨の上手さは常々感じていたが、その源が何であるかがはっきりしなかった。構成力。これから彼の作品を鑑賞する際に念頭に置いておこう。

・上村松園 「つれづれ」 1940年頃
松園らしいきりりとした目元の厳しい美人画。この作品は、昨年開催された上村松園展にも出展されていなかったように思う。

<洋画>
・岡田三郎助 「花の咲く風景」 1920年
・岸田劉生 「麗子微笑」 1920年
・和田英作 「カーネーション」 1939年
・岡鹿之助 「運河」 1967年
これらは、いずれも各画家の佳作だと思う。それぞれの作家の良さが作品にあらわれており、眼福。

・藤田嗣治 「二人の人物のいる風景」 1917年
藤田の初期作品は非常に貴重。日本人の洋画作品の中で一番強く印象に残った。まだ、この時代の作品は藤田らしい陶器のような白は使用されていない。モディリアニの作品に似た重く暗い画面だ。

・小絲源太郎 「豪雪」 1973年
なかなか小絲の作品は他で観ることができないので、貴重な機会。

第2部 TOYOTA ART COLLECTION
このコレクションでは、実際に展示する場所をアーティストに見せて、その場所に合った作品を制作してもらうというコミッション・ワーク。実際に、会議室や応接スペースに作品が展示され、社員が打ち合わせや応対している写真も合わせて展示されている。

ただ、コミッション・ワークという割にはトヨタ自動車を意識した作品は非常に少なかった。

・杉戸洋 「Century」2007年
杉戸のセンチュリーはマイベスト。この油彩、とても素敵だった。杉戸さんらしさ満載。小さな黒塗りの車が一台道を走っていく様子を描いているが、すぐにセンチュリーと分かる。

・鬼頭健吾 「cosmic dust」2006年
鬼頭健吾は、豊田市美にもコレクションがある。今回のような4点組の「cosmic dust」シリーズは初見。1枚ど~んとあるより、4点並べるとまた違った魅力が出て来る。

・田幡浩一 
ギャラリー小柳での個展を拝見したばかりの田幡の作品。淡い色のアクリル板に彼らしい線の細く美しいドローイング(?)がエナメルで描かれている。紙にドローイングより重さを感じる。

・みがきッコ(山本高之/出口尚宏:協力 山田尚子)
山本高之と言えば、あいトリの映像作品を思い出す。今回は写真作品。撮影されているのは。私も好きなトヨタのVitz。車のナンバーもしっかり撮影されていたが、誰の車を使用したのだろう。

・安田悠 「Obscure」2008年
安田悠の作品があるのは良かった。彼女の作品はもう少し観てみたい抽象と具象の境界上にあるような画面。

・大巻伸嗣 「ECHO-Crystallization」 2005年
水晶、修正液、アクリル板を使用した平面作品。額装されているので壁に展示されている。素材が水晶を砕いて粉状にしたものをいつものように大巻風の模様をかたどる。

・森北伸 「童の庭」 2010年
立体ではなく、3点ひと組の平面作品。立体でないのが残念。森北さんの作品は平面より立体の方が好き。

・木村友紀 「忘れ領域/y」2009年
これもトヨタを意識したのか?と推測される写真を使用した作品。やっぱりインパクトある。

・米田知子 「ヘッセの眼鏡-兵士の写真を見る」 1998年
彼女の作品はとても好きだが、これはかなり以前の作品。コレクションの中ではもっとも制作時期が古い。

・池田光弘 Untitled 2008年
池田の作品はShugo Artsの個展で拝見したが、やはり力がある。

この他、名和晃平さんのDotシリーズ、手塚愛子の織物作品「Reverse/Repetition」、横内賢太郎、伊庭靖子、藤本由紀夫、渡辺豪、樫木知子、塩保朋子、桑久保徹ら錚々たる作家の貴重な企業コレクションを一堂に観る機会はこれを逃すともうないかもしれない。

なお、常設展示のコレクション展「浮船」はイケムラレイコ、丸山直文、トニ-クラッグ、毛利武史郎、山口啓介らの5名のアーティストの作品を組み合わせた展示室1は良かった。
続く、展示室2では杉本博司の「Sea Scape」シリーズ。展示室3は難解な内容で、頭をフル稼働。小清水漸の作品と彦坂直嘉の組み合わせ。

展示室4は荒木経惟、イケムラレイコ、中村哲也、奈良美智、ボイス、村瀬恭子、大岩オスカール、牧野義雄、福田美蘭。
浮船のイメージにそぐう作品もあればそうでないものも。
村瀬恭子の作品は、ちょっと苦手だったのに今回観たら良かったのはなぜなんだろう。

*「Art in an Office」は3月27日まで開催中。

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