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「柴田是真 伝統から創造へ」 豊田市美術館 高橋節郎館

豊田是真

豊田市美術館は、谷口吉生の建築で名高いが、本館とは別に高橋節郎館があるのをご存じの方は少ないかもしれない。

もちろん、愛知県近郊の方、建築関係の方はご存知だと思うけれど、存在に気付かず中に入られたことがない方もあるのではないだろうか。
かくいう私も急いでいる時(他の美術館とのはしごで時間がないとか)は、高橋節郎館には寄らないこともある。

今回は、ここ最近一気に美術会で脚光を浴びている「柴田是真 伝統から創造へ」展が開催されるというので行って来ました。
高橋節郎(1914~2007)は、漆工芸家で長野県生まれの高橋と豊田市との関係は?と思っていたら、1984年に豊田市民文化会館にて「黒と金の世界橋節郎」を開催後に作品75点を寄贈したことから始まるのだそう。
(参考)Wikipediaより

本展は、1995年に開館した高橋節郎館の開館15周年を迎えるにあたり、より多くの方に漆文化や工芸の素晴らしさを紹介するために企画された第一弾の企画展となっています。

柴田是真(1807-1891)は、既に古美術ファンの方ならご存知でしょうが、幕末から明治にかけて画家として、漆工家として偉大な足跡を残した作家ですが、時代の狭間、そして絵画と漆芸というジャンルの狭間に位置した作家であったため、長い間美術会の間で、脚光を浴びることがありませんでした。
三井記念美術館で開催されたエドソンコレクションを中心に展観した「柴田是真の漆絵」で一気に存在が世間に周知されたと申し上げても良いでしょう。

今回は、是真の残した次の大きな3つの成果に着目し、是真作品約40点と彼に大きな影響を与えた江戸時代の漆工家・絵師の小川破笠(おがわ・はりつ、1663-1747)の作品2点で構成されています。
①伝統を忠実に受け継ぎ次代につないだこと
②失われていた技術を復活させたこと
③多様な技法によって新しい世界を切り拓いたこと


先に開催された三井記念美術館他に巡回した是真展と比較すると、国内の是真作品で出展されていなかった作品がかなりありました。また、絵師・画家としての是新作品に特に見るべきものが多く、両方の展覧会を拝見でき良かったです。

以下印象に残った作品です。

Ⅰ.絵師・画家としての是真
・明治宮殿千種之間天井画下絵 112枚のうち9枚 明治20年 東京藝術大学
この下絵が、素晴らしかった。
明治宮殿の千種之間の往時の様子も写真で展示されていたが、それはもう見事な天井画。
その一部を前期後期と2回に分けて、合計18枚を展示する。
草花を描いたものが多かったが、鶏頭が特にお気に入り。

・鵜飼之図 清水三年坂美術館
清水三年坂美術館も是真のコレクションが相当あって、昨年展覧会が開催されていたのに、観にいけなかった。
ここで、同館のコレクションの一部を観ることができて嬉しい。

・雪中鷲図 明治7年 東京国立博物館
鷲が獲物を狙う一瞬をとらえた佳作。まるで、写真のように瞬間を切り取っている。実に上手い。 

・写生帖『蝶真写』『魚』『鳥』『桜華百色 全』 東京藝術大学
写生帖を眺めていると、是真の画力が実感できる。実によくものを観ている。

Ⅱ 漆職人・作家としての是真

・漆絵画帖 東京国立博物館および個人蔵 各二帖
是真の魅力のひとつは漆絵だと個人的には思っている。あの粘々した漆で絵を克明かつ精緻に描く技術は凄い。
何度観ても惹かれる。

・蒔絵夕顔引戸 根津美術館
初見だと思う。蒔絵を施した工芸技術の粋を集めた作品。

・武蔵野三重手付きたばこ盆 たばこと塩の博物館
秋草の模様が施された、琳派風の煙草盆。

・蛍蒔絵吹雪 個人蔵
これは見せ方が良かった。下から白い照明をあてて、まるで器自体が蛍のように光っていた。
実際には上下をきれいに面取りした器で、形がすこぶる整っている。更に、その上に蛍紋様が、控えめに施されている所が実に日本的。蜂須賀家の旧蔵品。

・瓢箪形花入
・柳流水蒔絵重箱 静嘉堂文庫美術館 江戸後期
いずれも初見か。静嘉堂文庫は間違いなく初見。さすが、良い蔵をお持ちです。これは明治前の作品ですが、既に是真のセンスの良さと技術の高さが伺われる作品。

この展覧会の最後に小川破笠と是真の作品がそれぞれ横に並んでいたが、明らかに是真の作品デザインにモダンさを感じた。小川破笠はきっちりとした仕事、従来の伝統を受け継いだという印象だったが、是真のそれは、新しいものを志向しているように見え、両者の違いが鮮明になった。

3月20日(日)午後2時~ コンサート「漆絵の粋×箏曲の粋」が開催されます。
場所:豊田市美術館講堂 当日観覧券必要

*4月3日まで開催中。

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