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「第5回 shiseido art egg」 川辺ナホ展  資生堂ギャラリー

川辺ナホ

資生堂ギャラリーで開催中の「第5回 shiseido art egg」 川辺ナホ展に行って来ました。

いよいよ最終回となった同シリーズはこのたびの大震災の影響で11日よりギャラリーは休館、23日(火)より通常時間で開館しています。平日19時まで開館しているのは嬉しい限り。
これだけは、観ておきたかった展示だったので駆けつけました。

川辺ナホは、1999年武蔵野美術大学卒業後ドイツに渡り、以後ドイツを中心に主にインスタレーションや映像作品を展開しているアーティストです。
プロフィール等詳細は作家のサイトがありますので、そちらをご参照ください。以下。
http://www.nahokawabe.net/art/

本展では、<Open Secret>をテーマに映像3点とインスタレーション作品1点を展示しています。
入口を抜けて正面の壁に映し出される「HELP!」の文字。作品タイトル≪調和的だけど不公平≫2011年
何より、まずその文字と文字の意味を考えてしまいました。

3月4日から開催されていたこの展示を震災前に拝見していたら「HELP!」の文字も違って見えたかもしれません。
しかし、未曾有の大震災の後に「HELP!」が浮かんだり消えたりする様は、SOS信号のようにも見え、嫌が応にも震災で被害に遭った人々、直接的であれ間接的であれの助けの声のように感じます。

「HELP!」の文字が映し出される仕掛けが面白く、壁面手前にランダムに吊られているように見える色とりどりのカラフルな球体に光があたることで文字が写るという、立体を映像化、視覚化した作品。
そして、更に不思議なのは、展示室中にカラフルな光の輪が投影され、あたり一面に華が散ったような印象を受けます。

次に会場に入った時にモーター音の大きさに気付きます。
これはちょっと大き過ぎて、意図的なものなのか音を小さくすることができなかったのかが分かりませんが、個人的にはもう少し音は小さい方が良かった。
≪静止するふり≫は、映像とプロジェクターの両方が左右に動くことでコマの画像が1ヶ所に留まっているように見える…筈なのですが、私には留まっているようには見えなかったです。
音はプロジェクターを左右に動かすためのモーターから出ていました。

振り返ると高い支柱の上に、木彫りの人形がちょこんと乗っかっています。
≪どうしてぼくはこんなところに≫2011年は、この人形の影絵を映像で見せている。解説によれば、本物と偽物の影をもつアフリカのデベ族の人形で、私が観ている影は果たして本物なのか偽物なのか。
再び考えてしまいました。
この人形、1階スペースからよく見えます。

奥のスペースにインスタレーション作品≪封印した!≫2011年が。
炭を使って、床にレース模様を再現した作品で、レースのカーテンを通して部屋に差し込む陽の光を影として床に封じ込めたもの。同シリーズは川辺が長く取り組んでいる手法です。

川辺の作品は一貫して人間の「見る」という行為をテーマにしています。
しかし、私は今回の展示で「見る」という行為の更に背後にあるものを想像していました。

3月23日の展示再開後から配布されている川辺自身のメッセージに共感を覚え、その意味を考えているうちに「見る」ことはいつしか、自分の中から離れて行ったように思います。
筆者に了解を得ていませんが、ここで川辺のメッセージの一部をご紹介させていただきます。
以下。

私の中からこの「HELP」という単語が出て来たのにはやはり経緯があります。長い間、自分の中に家族というシステムや「家」という概念への疑問や疑惑のようなものがあり、それは答えの出ないまま、私がずっと考え続けてきた問題です。「家」そのものをモチーフとした差う品も制作しましたし、それ以外の作品の中でもこのテーマは、ほぼ全ての作品の中に直接的ではなくても関わっています。

(中略)

しかし、自分がずっと考え続けてきたまさにその家が、津波によって暴力的に破壊され粉々になってしまうのを目の当たりにし、津波で孤立された方々によって地面や屋根に大きく書かれた救難信号のなかに、HELPという言葉を見たとき、私は全く平常心でいられなくなってしまいました。これまで保ってきたギャラリーに展示している作品と自分の距離がぐちゃぐちゃになってしまったのです。そして、日常が完全に消失してしまっているあいだは、そこにはアートもいませんでした。

少しずつ被災地より復旧の知らせもとどくようになり、3月23日より、短い期間ですが展覧会をもう一度オープンできる運びとなりました。ほんの少しずつでも生活の中に文化が戻ってくることで、日常が回復してくることを願ってやみません。(略)


作品を一見しただけでは分からなかった「家」や家族についての言及が非常に興味深く、また同様に私もこれまで長く悩まされてきた問題でもありました。

残り少ない会期になってしまいましたが、本展を観て各人各様の思いを感じて頂けることを願ってやみません。

*3月27日(日)まで開催中。平日 11:00~19:00 日・祝 11:00~18:00 入場無料

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