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「中谷ミチコ展 境界線のありか」 横浜美術館 アートギャラリー1

横浜美術館 アートギャラリー1で開催されていた(3/27終了)「中谷ミチコ展 境界線のありか」に行って来ました。

中谷ミチコは2010年昨年の「VOCA展2010」で作品を拝見した時から気になっている作家さんで、VOCA展の後に同じく昨年開催された森岡書店での個展「そこにあるイメージ」にも行っている。

1981年生まれ、2005年多摩美術大学美術学部彫刻科を卒業後、ドイツに渡り、ドレスデン美術専門大学彫刻科に編入昨年同大を卒業している。
作家さんご本人のサイトはこちら

その後、どうされているのかと思っていたところ、今回の個展の案内が届いた。
大震災もあり、本来の開催期間は3/4~21日までとなっていたが、横浜美術館の休館もあり本日27日まで会期が延長され、私も観に行くことができた。

本展は黄金町エリアマネジメントセンターと連携し、中谷ミチコの滞在制作とその成果を展示しています。
ドイツから帰国直後より黄金町エリアに滞在し、新作の制作を行っていました。

展示作品は全部で8点。

中谷と言えば、VOCA展受賞作で見せた約10センチの厚みの石膏に浮彫状の粘土の原型を沈め、石膏の内側に凹状の人物や動物のかたちを定着させる。その原型を抜き取った’うつろ’を樹脂で充填するという手法の作品がまず浮かぶ。

本展でも合計4点が、うち1点は小さめの作品が1対になっているもの、この樹脂を使用した凹状の浮彫作品であった。わずかに着彩されたそれは、樹脂の影響もあって艶やかで時間を封じ込めているようにも見える。
モチーフの多くは少女が多いが、少女の瞳や唇、腕、爪など細部にわたってかたどりされている。

特に印象的なのは少女の目だろう。
例えば、≪牛頭と少女≫2011年(石膏・樹脂・顔料)で見せる少女の瞳は角度を変えて観ても追いかけて来る。視線から外れることができないのだが、これは作家も意図した訳でなくたまたまとのことだった。

モチーフは少女であるが、テーマとしては西洋の宗教画や神話画、歴史画の図像にイメージの源泉を持っているものが多い。これは勿論、作家の意図したことである。前述の≪牛頭と少女≫の牛はミノタウルス、少女は、サロメに斬首された聖ヨハネとが綯い交ぜになったものだという。

同様に≪来るべき日のイメージ≫2011年では、8人の少女達が絡み合う姿をモチーフとしているが、こちらも聖母像に依拠したと解説にあった。

今日はたまたま、アーティストトークに参加できたので、作家本人による作品解説や今回の個展のテーマなどを伺うことができた。

今回の展覧会では異なる表現手法でイメージを見せたかったというのが1点、全体として見えないものを見えるような展覧会にしたかった。そして観る人の中で物語ができるような展示構成にしたかったと語っておられた。

黄金町滞在は3カ月だったというが、ほぼ1日中、制作にあたっていたようで、「10年この生活はできません。」と相当自分を追い込んでの8点新作だったと分かる。

別のイメージの作品、こちらは凹状ではなく、凸状のレリーフ2点。
凸状と言えるのは、≪重くて黒くて深い森≫。非常に細かい鱗が付いた黒い犬6頭が隙間なくひと塊りに固まって壁に掛けられている。こちらも石膏に彩色。
犬というより、離れて見ると森のようにも見える。「森を作りたかった筈なのですが・・・」と中谷さん。作っていくうちにモチーフが変化していくことは度々起きるそうです。

そして、忘れてならないのは鳥のモチーフ。
重力がかかってないかのように見える存在として「鳥」が気になると言っておられて、凹状の2つで1組の≪印象 鳥Ⅰ≫と≪印象 鳥Ⅱ≫と石膏彫刻そのものの≪鳥≫この2作品の対比は面白い。

そして、中央には、ドローイング彫刻。
ドローイングも中谷にとっては彫刻である。
無題になっているが、壁面約横に2メートルくらいに華のような紋様が描かれている。自動速記のようなコンパスで描いたのか?と思えるほど正確な円。壁画の曼荼羅のようにも見えるし、なぜか音を感じてしまった。

反対側の壁面には、ドイツ留学時代に描いたドローイング≪空にある光の数≫紙・色鉛筆。緑のカーテンのようなそれは、彫刻とはまったく別の魅力がある。
繊細で、壊れてしまいそうな儚さがあり、一方で樹脂を使用した彫刻や石膏彫刻そのものはしっかとした存在感がある。
あるようでいて、ないようなもの。

そんな表現がぴったりかもしれない。これから、どんな作品を発表してくれるのか益々楽しみである。

*本展は既に終了しています。

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