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「長沢芦雪 奇は新なり」 MIHO MUSEUM

芦雪

MIHO MUSEUMで6月5日まで開催中の「長沢芦雪 奇は新なり」に行って来ました。

長沢芦雪(1754~1799)は円山応挙に学び、習得した技術を自在に駆使して、穏健な師のスタイルとは対照的な機知に富んだ表現を展開しました。
大胆な構図、斬新なクローズアップ、動物の生き生きとした表現と動き、師の自然観察を更に進めた光の表現、対象の大きさを逆手にとった視覚遊戯など、鋭い観察眼と機知的感覚で、傑出した作品を生み出しました。
本展では、無量寺の「龍図襖」「虎図襖」、「富士越図屏風」(個人蔵)などの代表作をはじめ、82年間行方不明だった「方寸五百羅漢図」(個人蔵)を初公開し、芦雪の魅力とその全貌を紹介します。
 ~MIHO MUSEUM 『Shangri-La』より。

さて、本展は、前期・後期で大幅な展示替えがありますが、更に4/12~5/8、5/10~展示と期間限定展示作品がかなりあるので、作品リストとスケジュール帳をにらめっこして、いつ行くのが良いのかよ~く塾考することが先決です。
展示作品リストはこちら

なお、展覧会構成は次の通りです。
・応挙に学ぶ、南紀へ向かう
・大画面に描く
・奇は新なり
・迫力ある作品
・芦雪をめぐる人々
・奇想横溢
・多彩な表現 方寸五百羅漢図

何しろ、桃源郷を標榜する美術館。山をかきわけ、えっこんなところにと思うような山奥に突如、I.Mペイ設計の美術館が現れるのです。
レセプション棟から、美術館棟までのアプローチにはトンネルと左右には、今の季節には枝垂れ桜並木があり、自然と美術作品を楽しめる世界が広がります。
美術館棟まで行くと、鶯の鳴き声も聞こえて来て、まさしく「桃源郷」のイメージが体現されている場所だと言っても過言ではないでしょう。

余談ですが、岡崎市美術博物館で開催中の「桃源万歳」展を観に行かれる前に、ここで桃源郷のイメージを膨らませるのも両展覧会を楽しむ方法の一つかもしれません。

さて、本展の見どころのひとつは、82年ぶりに発見された「方寸五百羅漢図」(個人蔵)でしょう。
この作品は最後の最後、終盤に登場します。
それまで、掛軸や屏風など、大胆かつ奇抜な構図の水墨世界を見せてくれた芦雪が、僅か3.1センチ四方に五百羅漢を描き込んだ作品です。
本作品は、着彩されており羅漢の輪郭が上部に行けば行くほど、曖昧にかすんで描かれており、この濃淡で遠近を表現しているのでしょうか。隙間なく、びっしりと描き込まれた羅漢の着衣の色は様々で赤っぽいものもあれば、わずかに水色っぽいものや農紺色もあり。

この五百羅漢図は誰かの依頼によるものだったのか、はたまた自身の信仰によるものか。
芦雪の仏画は、この他、無量寺蔵の「揚柳観音図」、達磨図あたりしか浮かばず、本作品の異質さは飛びぬけているように思います。
図録にこのあたりの考察論文が掲載されていることでしょうが、内容のチェックまで至らず。

この他、印象に残った作品は、「蹲る虎図」(個人蔵)、これはかの有名な無量寺の「虎図襖」の虎によく似ていますが、真正面から向かい合った虎を描いている点が面白い。
芦雪は、「牛図」(個人蔵・4月5日~5月8日まで)もそうですが、真正面から向き合った動物を描いた作品が何点かあるのも興味深い。

「蹲る虎図」は、いかにも猫を描いたような虎なのですが、愛敬があるのが魅力的。

そして、拝見するのは2度目になりますが、「群猿図屏風」(六曲一双・草堂寺蔵・重文)の見事な構図と、墨の使い方は圧巻です。ここでは、黒と白の対比にも注目すべきで、右隻では、右端に大きな崖が黒をメインに、しかし雪を表現しているのか白の絵具が流れたような痕跡が数か所あり、山や崖に深みを与えています。
黒い山の頂上にいる1匹の猿は、この猿だけ白猿。
左隻は白っぽい草むらに黒墨で毛が1本1本描かれた猿が5匹。うち1匹は母猿の背中にちょこんと鑑賞者に背を向けて乗っかっているのが何とも愛らしく、いかにも芦雪だなとつくづく感じ入りました。

そうかと思えば、師の円山応挙ばりの「牡丹孔雀図」(下御霊神社蔵・4/24迄)の艶やかな彩色写実画ありと実に上手い絵師でした。

会期中には、約50点の作品が展示されています。
50点だと、普段見慣れている東博、京博あたりの特別展と比較すると、ちょっと物足りない感がありました。
また、屏風絵や障壁画の割合がやや少なく掛軸中心ですが、それでも芦雪作品の魅力は伝わってきます。

昨年の6月12日~7月19日に和歌山県立博物館で開催された企画展「長沢芦雪の動物画」では、展示作品数は13点と少なめですが、ほとんど屏風や襖絵中心の構成で、13点中、重要文化財指定されているのが9点、残りは和歌山県指定文化財)。

襖絵の場合、なかなか全ての面は展示できないが、8面中3面~5面、また「枯木鳩図襖」は全12面が展示されていて、こちらは逆に展示室が狭く感じる程だったのを思い出しました。
他にはお馴染みのプライスコレクションより「箔像黒牛図屏風」こちらも黒白の対比に注目。
そして、唐子や「仔犬図屏風」(これは愛らしすぎて離れられない。応挙も芦雪も仔犬を描かせたら日本一ではなかろうか。などの子供や犬、動物を描かせたら右にでるものはいないかも、と思う愛らしさがどの作品からも滲みでいるのだった。
そうかと思えば、「七福神図」(個人蔵)のユーモラスな作品もあり。

45歳で謎の死を遂げた芦雪。もう少し長生きして、もっともっと作品を残して欲しかった。

<関連イベント>
学術講演会「長沢芦雪の魅力」 4月23日(土)13時~16時
講演者:冷泉為人、河野元昭、辻惟雄 13時~14時半
第一部 3名による講演(各30分)
第二部 鼎談、質疑応答

参加希望の場合は、MIHOMUSEUM広報まで電話での申し込みが必要です。参加料無料、入館チケットは必要です。

なお、MIHO MUSEUMの枝垂れ桜は、現在7~8分咲きだそうです。GWには、満開の桜を堪能できると思います。
桜の開花情報は美術館の公式サイトに掲載されています。ライブカメラによる実画像あり!(以下)
http://www.miho.or.jp/japanese/inform/new.htm

MIHO MUSEUMでは、作品感の間隔も十分に取られていて、ゆっくりじっくり鑑賞できるのもポイント。超充実の所蔵品展も合わせて、ゆっくり信楽の里を堪能されては如何でしょう。

*6月5日まで開催中。展示替えにはご注意ください。

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