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「チェルノブイリから見えるもの/追悼 針生一郎」、原爆の図 丸木美術館 はじめての美術館83

「チェルノブイリから見えるもの/追悼 針生一郎」 丸木美術館 5月3日(火)~6月11日(土)
 美術家公式サイト → http://www.aya.or.jp/~marukimsn/index.htm

丸木美術館は、5月5日の今日が開館記念日。
この美術館は、丸木位里、俊夫妻による「原爆の図」連作であまりにも有名。

もちろん、私も存在は知っていたが、埼玉県東松山市と交通の便があまり良くないせいもあり、なかなか足を運べずにいた。しかし、今年の年明け東近美で開催された「日本画」の前衛 1938-1949展で丸木位里の作品を何点か拝見し、やはり丸木美術館に行かねばという思いが強くなった。

そして、開館記念美の今日は記念イベントで、4月から目黒区美術館で開催が予定されていた「原爆を視る」展担当の正木基学芸員による講演とその後、チェルノブイリに訪れたことのあるフォーク歌手・小室等さんのコンサートが開催されると知り、いよいよ訪れることとなった。

その前に、埼玉県近美のアールブリュット展に寄ったため、大宮→川越→森林公園に行く筈が、逆に向かってしまい、なぜか気付いたら赤羽という大失態。
今日は記念美ということで無料送迎が12時半にあったのに、間に合わない~と半ば諦めモードで南浦和→朝霞→森林公園へ。12時45分に到着したのに、送迎車は待っていてくれた。

東武東上線森林公園駅より車で10分。本当に周囲には何もない場所に丸木美術館はあった。
開館記念美は通常900円の入館料が800円。
シールが入場チケット替わりで、着衣の見えるところにペタンと貼る。
間口は狭いが奥に長い建物で、1階と2階に「原爆の図」連作や丸木スマ(丸木位里の実母)の作品がある。そして、新館棟とホールには晩年の大作4点「水俣の図」270×1490(cm)「南京大虐殺の図」400×800(cm)「アウシュビッツの図」340×1610(cm)「水俣・原発・三里塚」の4作品が壁面を全て覆い尽くす。

「原爆の図」もさることながら、私は最初に講演会が開催されるホールに向かったので、いきなり晩年の4大作と向かい合うことになった。
これが、すさまじかった。筆舌に尽くしがたいとはこのことか。
特に、横16メートルにも及ぶ「アウシュビッツの図」、同じく横約15メートル「南京大虐殺の図」は高さも4メートルと超大作。
背筋が思わず寒くなったのは、今日の東京が季節外れの寒さだったからというのもあるが、その大きさ、迫力、そして墨の力強さ、線の確かさ、全てが私を包みこんで離さなかったからだと思う。

今まで、私がここに来れなかったのは、これらの作品、過去の歴史と向き合うのが怖かったから。
交通が不便というのは実は単なる言い訳にすぎず、原爆の図や大量殺りくを描いた作品に向き合うのに怯えていたのだろう。

しかし、やっと史実にそして丸木夫妻の作品と対面した時、畏怖ではなく戦慄の方が先に立った。と同時にこれだけの大作を描き上げた丸木夫妻の画力にほとほと感心した。

紅蓮の炎だけ赤を取り入れ、晩年の4作品は基本的に墨一色で描かれている。

「原爆の図」連作15点は、日本画らしく多色作品も数点(9部~11部)あるが、基本は墨と赤のみ。
これら屏風仕立ての15連作は縦1.8m×横7.2mと前述のホールにあった超大作よりサイズは小さい。第1部の「幽霊」は1950年制作、最後の第15部「長崎」は1982年制作と実に30年あまりをかけて完成させたシリーズは、1点1点胸を打つ。

特に、忘れがたいのは第8部 「救出」。たロシアのイリヤ・レーピン「ヴォルガの舟曳き」はたまた青木繁の「海の幸」が頭をよぎったが、いやまさに地獄絵図のような作品。


常設展示だけで、完全にノックアウトされたが、企画展が2つ開催されていた。

「チェルノブイリから見えるもの」
ここでは、本橋成一のチェルノブイリ写真、広河隆一の福島原発事故写真、チェルノブイリ写真の展示、そして貝原浩『風下の村 チェルノブイリ・スケッチ』などが展示されていた。

貝原浩のデッサンとスケッチはまさに叙事詩と言っても良い。写真は、広河のチェルノブイリの村をカラーで撮影したものが印象深かった。はっとするシーンが何枚も続いた。

また、昨年急逝された針生一郎氏は、丸木美術館の元館長であったことを私は知らなかった。
館長追悼企画としてゆかりの芸術家による30点の作品展示だったが、これがまた秀逸。小品主体だが、これまで観たことのない作品ばかりで驚いた。
特に、長谷川利行「題名制作年不明」の赤い籠に盛られた草花の作品、瀧口修三「壊れやすい夜か、または・・・」、小山田二郎「顔」、難波田龍起の作品など、どれもこれも、思わず足を止めさせる。


目黒区美術館の正木学芸員による講演は、「原爆を視る」展開催に至る経緯や出展予定作品をスライドを交えながら解説。
同展は、現在のところ、来年6月以後の開催を目標に動いているとのこと。
恐らく、来年には同展を観ることが可能のようです。

小室等さんの楽しいお話を交えた歌を聴きつつ、開館記念イベントは盛況に終わった。

美術館のすぐわきに、休憩棟があったので、のんびりおにぎりを食べていると、眼下には都幾川のせせらぎと小鳥の鳴き声、そして河原の菜の花、丸木夫妻がここをアトリエに選んだ理由が分かったような気がした。

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「原爆の図 丸木美術館」を観た!

「原爆の図」図録表紙 丸木美術館、展示室風景 行ってきました、「原爆の図 丸木美術館」へ。初めて行ってきました。初めて「原爆の図」を観てきました。単に「原爆の図」かと思っていたら、なんと「原爆の図」は15連作でした。下に挙げた「幽霊」「火」

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