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「開館30周年記念特別展 牛島憲之 ―至高なる静謐― 」 渋谷区立松涛美術館

牛島

「開館30周年記念特別展 牛島憲之 ―至高なる静謐― 」 渋谷区立松涛美術館 4/5(火)~5/29(日)
http://www.shoto-museum.jp/05_exhibition/index.html

牛島憲之(1900-1997)の展覧会に早く行きたいと思っていた。
震災があって、福島原発の問題がますます深刻化するという不穏な状況で、なんとなく気持ちが落ち着かない日々。
そんな時、一番観たいなと思ったのは、牛島の作品だった。

展覧会のタイトル「-至高なる静謐-」とあるように、彼の絵を観ていると気持ちが落ち着いて静かな心持になれる。元々、府中市美術館の常設に「牛島憲之展示室」があり、彼の絵は府中市美へ行くたび必ず観に行くようにしている。

今回出展されているのは全部で65点。当初66点の予定だったが、1点が出展中止になっていたため。
残念ながら作品リストがなかったので、印象に残った作品は必死にメモ。
65点のうち、府中市美術館所蔵作品はわずか。大半は個人蔵と府中市美術館以外の他館からの貸し出し作品が中心。中には、東京美術学校卒業制作と思われる「自画像」1927年(東京藝術大学蔵)もあり。

最初期作品は「風景」1922年(個人蔵)で、初期作品から絶筆の「道一筋」まで、制作順に辿る構成。

特に初期作品には注目した。
既に画風が確立した頃の作品は何度も目にしていたが、最初期作品は今回初めて拝見した。
22歳から27歳の自画像まで、画風は堅い。
徐々に、クレーのような抽象的な画風に変化する。この時代の特徴的な作品として「赤坂見附」1940年(福岡市美術館蔵)具象と抽象の間をさまようような、宙に浮いたような感覚。しかし、この頃から既に、色彩の使い方が後年の作品の傾向を感じさせる。
熊本、福岡の所蔵品が目についたので、よくよく略歴を見れば熊本県熊本市生まれ。熊本県出身だったとは、これまで意識していなかったが、彼の緑には高校時代まで育った熊本県の緑のイメージがあるのやもしれない。

1943年の「雨」個人蔵あたりが転機になるだろうか。
これより後の作品は、明らかに牛島の作風を示している。
溶けるような、青の使い方。そして、「残夏」1946年(個人蔵)では見事に緑のグラデーションを使って、輪郭線をぼかしたしっとりした夏を表現している。
「炎昼」1946年、「青陽」など、彼は緑と青の使い方が実に上手い。

そして、「タンクの風景」(1955年)神奈川県近代美術館、「まるいタンク」(1957年)熊本県立美術館をはじめ「煙突の風景」「煙突」と構築物が画面に登場する。
彼は、なぜこれらの構築物に惹かれたのだろう。
10年程前に、大規模な回顧展が開催されているようなので、この辺りはその時の図録を探してみようと思う。
突如現れる、タンクの形を観て私が思い出したのは、ベッヒャー夫妻の写真。
2006年開催の「ドイツ写真の現在」展の図録を観ていると、給水塔やらガスタンクが被写体として現れるが、時代が違い過ぎる。

画家や写真家を惹きつける何かがこれらの構築物にはあるのだろうか。

そして、牛島憲之と言えば、岡鹿之助との関係も忘れてはならない。
作品を観て行く中で、色の使い方やタッチがどこか共通しているように感じた。岡鹿之助の方が点描のような細やかさがあるので、共通しているのは絵具の置き方という点であるが。

2階の展示室に上がると、中央にあるソファでくつろぐ人々の数がいつもより多く感じた。
皆さん牛島作品を堪能し、のんびりと絵に囲まれているように見える。
彼の作品には、人をくつろがせる、落ち着かせるものがあるのだ。
私のようにいつも急いでいる人間には、特に今、牛島作品が必要だった。

晩年になっても作風は大きな変化はないが、樹木や道などは牛島特有の形態を見せている。
「白い昼」1974年個人蔵、「雨明る」1982年個人蔵、「暗日」1987年など好きな作品をあげるときりがない。

入館料は一般:300円。
図録は今回、破格の1300円でフルカラー。しかも彼の作品に重要な質感がよく印刷に現れていて非常に美しい。
美術館の方に伺った所、図録のお値段がお値打ちなので、買って行かれる方が多いとのこと。分かる気がしました。

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