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「香り かぐわしき名宝展」 東京藝術大学大学美術館

香り

「香り かぐわしき名宝展」 東京藝術大学大学美術館 4月7日~5月29日
展覧会公式サイト:http://kaori.exhn.jp/top.html

美術館に入ってすぐ、通常ではない芳香が漂っていることに気付く。
日本の「香り」をテーマにその歴史や関連する美術品を集めた展覧会だけになるほどと思う。
この美術館は展覧会関連グッズを2階で販売しているが、今回は2階だけでなく1階の入口にもブースが出ていた。

さて、展覧会構成は次の通り。展示作品は絵画を中心に前期後期で入れ替えあり。私が訪れたのは後期展示(5/10~5/29)。
序 香りの源
Ⅰ 香りの日本文化1 聖徳太子から王朝貴族へ
Ⅱ 香道と香りの道具
Ⅲ 香りの日本文化2 武家から庶民へ
Ⅳ 絵画の香り

Ⅰ 香りの日本文化1 聖徳太子から王朝貴族へ
ここでは、様々な仏画から香りが生まれ使用されるに至った情景を主に仏画で見せる。
・尊勝曼荼羅図 鎌倉時代 宝寿院 重文
鎌倉時代の仏画でも状態が良く、戴金も美しい。香炉が中央に描かれる。
ところで、日本の香りはシルクロードを通じ、大陸より仏教とともに伝来したと考えて良いのか。解説をしっかり読まずに流したのだが、正倉院宝物にも香木があり、著名な香木を所持することが権力の象徴だったりと、香りを巡る歴史は美しいだけではない。
日本の文化には木に対する信仰、例えば御神木がその好例だろう。民俗学的信仰があり、仏像なども香木、白檀や榧、樟などで作られた。昨年、東京藝大彫刻科の深井隆教授の日本の木彫に関する講座に参加したが、その際、木の香りを種類別に体験した。削ったばかりの木屑の香はそれはそれは芳しく、樹種によってももちろん異なっていた。

完成したばかりの一木造の仏像は、あたり一年に芳香を放っていたに違いない。

・十一面観音立像 奈良~平安時代 重文 白檀
今回拝見した仏像の中では、造作が美しく最も印象に残った。

仏をかぐわしい香りで祀るという、仏教の中での使用が主であり日常生活にまで香りの文化が普及するのは平安時代だろうか。
源氏絵では嫉妬した妻が香を使って、夫を燻す場面も見られる。

Ⅱ 香道と香りの道具
香道というのも、日本独自のもので王朝文化の名残。何とも雅な遊びである。
ここで使用する道具がまた凝りに凝っている。この辺りは、様々な展覧会や美術館で見かけるので省略。

印象に残ったのは金工ものが中心。
・自在蟹香合 江戸時代 東京藝術大学
・飴釉獅子香炉 初代大樋長佐衛門 ⇒ 陶なのに、銅製かと見まごう。
・暦文字文蒔絵香合 小川松民 江戸~明治時代
・銀秋草に虫図釣香炉 村田盛久、村上盛之 明治時代 清水三年坂美術館 
⇒これはどこかで観たことがあるような。香炉がぶれないような工夫がされた上で銀細工の精緻な細工が目を引く。
・干柿香合 磯矢完山 明治~昭和時代 東京藝術大学 ⇒ 枯れっぷりは最高。なぜ干柿なのか。乾漆造とは思えぬ。隣に銅製の柿香炉があったので、柿というモチーフと香りに何か関連があるのか。

Ⅲ 香りの日本文化2 武家から庶民へ
いよいよ、香りの文化が貴族や武家から庶民の生活へ浸透し始める様子を絵画を中心に紹介。

まずは浮世絵。
・伝菱川師宣 「美人聞香図」
・宮川長春 「遊女聞香図」
・摺物 葛飾北斎「五歌仙 美人聞香図」 北斎は人気絵師だったため、摺物も多い。そして摺物好きにはたまらない美しさや工芸のような匠の技が見える。

明治時代の香水の広告「花香水」も珍しい。

Ⅳ 絵画の香り
ここが一番のお目当て。
後期には島成園、北野恒富ら関西画壇の作品が出展されている。
・島成園「伽羅の香」1920年 大坂市立美術館
老いた遊女のすさまじい妖艶さを表現したというが、着物の帯下、裾の赤のグラデーションが深紅の炎のようにギラリと光る。めらめらと美への執念をこの赤に託したか。
他人事とは思えぬような、遊女の気持ちが伝わる名作。しばしここで固まる。

北野恒富「羅婦仙」京都国立近代美術館蔵は、いつになくあっさりとした表現で拍子抜けする。むしろ中村大三郎「婦女図」1925年(前後期展示)の方が清楚で良かった。

・小茂田青樹 「緑雨」五島美術館 1926年
この作品も後期のみ展示だが、これを観ることができて本当に良かった。小茂田好きとしては、嬉しい限り。しかも彼の作品の中でも比較的サイズが大きく、また溢れんばかりの緑で覆われた画面に圧倒され、眼に染みるような岩絵具特有の緑にひたすら感動した。

御舟の「夜梅」1930年の方が一般的な評価は高いのだろうが、私は小茂田の「緑雨」の方が好き。
この他、古径や鏑木清方の作品と日本画で華を添えていた。

会場半ばに、香道で使用されるお道具が香席で、どのように使われるかを再現したコーナーがあり、これは興味深かったが、堅苦しそうでもっと気楽に楽しめたら良いのにと思った。

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ボギー鈴木様

お返事遅くなりました。
香り展は、日本画楽しめましたね。
藝大コレクションは、通常の半分くらいのスペースでしたが、
絵因果経はじめ、毎回ゾロゾロと名品が出ます。

No title

 こんばんは。私は5月2日の前期の展示の時に観て来ました。印象深かったのは,速水御舟の「芍薬図」1923年で、雨に濡れた芍薬の花の紅色の鮮やかなこと、思わず息をのみました。また、知らずに訪れた展示室2では、「藝大所蔵の仏教彫刻」が開催されており、快慶の「大日如来坐像」などが観られたのは、ラッキーでした。

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