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「画家たちの二十歳の原点」 平塚市美術館

原点


「画家たちの二十歳の原点」 平塚市美術館 4月16日~6月12日
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/2011201.htm

油彩画(一部創作版画)に焦点をしぼり、明治、大正、昭和そして現代までの画家たちの54人の二十歳前後の作品と彼らの言葉によって、その創作の原点を探る。

<出品作家>
黒田清輝、熊谷守一、青木繁、坂本繁二郎、萬鐡五郎、中村彜、安井曾太郎、梅原龍三郎、高島野十郎、岸田劉生恩地孝四郎、藤森静雄、田中恭吉、牧島如鳩、木村荘八、中川一政、河野通勢、林倭衛、村山槐多、佐伯祐三、関根正二、柳瀬正夢、尾形亀之助、猪熊弦一郎、三岸好太郎、海老原喜之助、長谷川潾二郎、吉原治良、三岸節子、靉光 筧忠治、 桜井浜江、佐藤哲三、藤牧義夫、松本竣介、オノサト・トシノブ、桂ゆき、加藤太郎、野見山暁治 鴨居玲  草間彌生、靉嘔、池田満寿夫、横尾忠則、神田日勝、難波田史男、高畑正、森村泰昌、大竹伸明、O JUN、野村昭嘉、会田誠、山口晃、石田徹也 以上54名


創作の原点まで鑑賞しただけでは行きつかなかったが、明治~現代に生きる画家たちの20代の作品ばかりを集めた非常に貴重な機会。
名前を知っている作家が殆どなのだが、彼らの20代前後の作品は回顧展はともかく、普段はなかなか観ることのできない作品が多かった。実際、未見作品が結構あったのも嬉しく、こんな絵を描いていたのかという驚きと喜びが錯綜したために、展覧会で彼らの創作の原点を探求するには至らなかったという言い訳。。。

展覧会構成は確か4部構成だったと記憶しているが、メモを取らずに観ていたので、確かなことは言えないが、時代ごとに構成され、近代日本洋画史を踏まえ、当時の時代背景や美術運動などに触れながら構成されていた。
平塚市美の場合、作品リストは作家別→制作年代順になっているが、展示順序とは一致していない。

ただ、全体的な印象として、54名もの作家の20代前後の作品を集めて何か見えて来たものがあったかと言えば、私にはそれが感じられなかった。
好きな作家の若描きの作品を興味深く拝見することは確かに楽しかったが、残るものがなかった。

時代背景も、個々人の性格も、育ってきた環境も異なる作家の20代の作品に共通するものなどあるのだろうか?
あるとすれば、各作家の表現における格闘、情熱、描かずにはおられない憑かれたような情熱、焦燥あるいは思うにまかせぬいらだちか。
ただ、画面だけを観ていてもそれらの感情を感じ取ることはできない。絵とともに添えられた画家たちの言葉からの想像にすぎない。

いわゆる夭折の画家と言われる早逝した天才画家、例えば、関根正二、村山塊多、青木繁、難破田史男らの作品は20代前後で既に頂点に達している。なぜなら、その後に彼らの作品は描かれることがなかったから。
早熟の天才たちは、早々と画業の頂に登りつめたかに、はたからは見えるが、本人達にとっては頂点でも何でもなく、生きて来た証をただただ描き残していたに過ぎないのだろう。

やはり、20歳前後の作品というのは、1人の作家の全人生の通過点の初期、もしくはスタートとして鑑賞したい。
その後、彼らの作品がどう変化したのか、または、前述の夭折の画家たちのように、早くもそこで画業は潰えてしまったのか。そうした全画業を観ていく中で、作家の背負ってきたもの、背負わざるを得なかったものが見えて来る。

時代順に並んでいたため、画家たちの横もしくは縦のつながりが僅かだが感じられたのは良かった。特に、気になったのは、河野通勢の存在である。岸田劉生率いる草土社のメンバーだった河野は、牧島如鳩(河野の葬儀は神田駿河台のニコライ大聖堂で行われ弔電朗読をしたのが牧島だった)はともかく、関根正二は16歳の時、河野と出会い、彼に傾倒し、その作品や河野からデューラー、ダヴィンチの画集等を見せ、多大な影響を与えたという。
2008年に平塚市美術館にも巡回した「河野通勢展」図録に詳しい。

関根正二は、松本竣介、岸田劉生と並んで私の好きな画家の一人だが、関根が当初日本画科の伊東深水の門下にいたとは知らなかった。河野通勢と出会う前のことである。

本展の一番の収穫は、関根正二の「死を思う日」1915年、「姉弟」1918年(いずれも福島県立美術館所蔵、寄託)、「子供」1918年(個人蔵)を観ることができたことだろう。同じく松本竣介「少女」1930年、「赤い建物」1936年、「少年像」1936年(すべて岩手県立美術館蔵)も未見作で、しかも既に松本竣介の個性が出ている作品群だった。
こうした20代前後の作品の多くは、画家の出生地にある美術館が所蔵していることが多い。同様に、柳瀬正夢の「自画像」「運河」「川と橋」1920年頃の3点は、彼の生地である愛媛県美術館の所蔵である。

難波田史男もまた、好きな画家だが、彼は船から転落死したが、今回添えられた画家の言葉は「海で死ぬことへの憧憬」であったのは、否がおうにもその死因が事故であったのかどうかと考えさせられる。目の前の作品「自己とのたたかいの日々」シリーズ2点は、そんな彼の自我との戦いを絵画で表現していて、この事実とタイトルを前にして、迂闊に美しいだのクレーっぽいだのとは言えなくなった。

現代の作家たちに目を向ける。
興味深かったのは、森村泰昌の「漁村風景」2点1971年頃とO JUNの岸田劉生と関根正二の作風を真似て自身の自画像を描いた2点。
いずれも、現在の2人の作品からは到底想像できない作品だった。


本展は、以下の美術館に巡回しますが、各美術館によって展示作品が若干異なります。

下関市立美術館(2011年6月18日~7月31日)、碧南市藤井達吉現代美術館(2011年8月9日~9月19日)、足利市立美術館(2011年9月25日~11月13日)

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