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「西山裕希子展  室内模様」 STANDING PINEーcube

室内模様


「西山裕希子 室内模様」 STANDING PINE-cube 6月12日~7月3日 火・水休廊(6/20休廊)
http://jp.standingpine.jp/current/index.htm

西山裕希子の名古屋で初個展となる「室内模様」に行って来た。
本日がオープニングで、名古屋のギャラリーのオープニングパーティーに初めて参加したが、東京では観たことないお料理の数々(しかも美味)で驚く。
作家さんご本人もいらっしゃったので、直接お話を伺うことができた。

西山さんは、1978年生まれ、2003年に京芸大学院美術研究科染織専攻を修了し、現在同大大学院美術研究科博士課程(後期)油画領域在籍中。

私が、彼女の作品を初めて観たのは、東京のMEGUMI OGITA GALLERYのSHOWCASEだった。
DMを観た時から例によって、これは行かねばと思い出かけたが、線の美しさは印象に残ったものの、点数が少なかったせいもあり、それ以上のことを語ることはできなかった。

西山さんは、日本の伝統的な染織技法である「ろうけつ染め」を使用し、染料によりろうによって僅かに残された細い溝(線)を染料によって細筆で埋めていく平面作品を制作されている。
*ろうけつ染めについてはこちら
その一方、今回もSHOWCASEでも見せていた鏡と写真を組み合わせた作品や、映像作品(未見)も手がけているとのこと。

次に先月開催されたアートフェア京都にて、今回個展が開催されているSTANDING PINE-cubeとMEGUMI OGITA GALLERYの両ギャラリーで作品が展示されており、両ブースである程度の作品数を拝見することができた。

さて、今回の個展では7点のろうけつ染めによる平面作品と写真と鏡を組み合わせた作品。そして冒頭にドローイング集(スケッチブック)が展示されている。

一番好きなのは、「飾結」(染料、蝋による防染、綿布、パネル)横が約183センチの大作。(上記ギャラリーサイトでご覧いただけます。)

女性らしいポーズとして、まず思い浮かぶのはどんなポーズだろうか?
作品制作にあたって、「物語性」、作家のステートメントでは「ナラティブ(narrative)」という言葉が使われているが、絵画の中で、現実の女性像と物語や歴史の中での女性像を結びつけ、イメージ化、再構成化したものを表現したいのではないかと私は解釈した。

そうであるとすれば、「飾結」は、うなじを見せて髪をかきあげる女性とその髪にぶら下がる神社や祭事で使用される「結び」の模様との関連性も見えてくる。
彼女の作品では、髪をモチーフとして扱っている作品が多い。「飾結」では、これまで髪だけで終わっていた部分が、更に延長し、ヒモ「結び」の図柄と繋がれていて、その繋がり方が不思議なことに違和感を感じさせない。

ヒモの「結び」部分では、紅、濃紺の色の染料の特有の色と滲みとグラデーションが大変美しい。

ろうけつ染めが、こんな風に現代絵画に溶け込む様子を観ていると、日本の伝統技法の可能性はまだまだ未知数なのではないかと思える。更に、かなり作品から離れた場所で引いて作品を眺めていると白布の向うに、かつて染織作業をになっていた女性達のイメージが浮かんでくる。古代的なモチーフとの組み合わせで、時間軸を超えて女性像の姿をイメージさせることにこの作品は成功しているように思える。

「髪」と「神」という同音意義語を意識しての組み合わせであるならば、読み解きの面白味は更に増すのだが、実際はどうなのだろう。


今回初めて、西山さんご本人にお会いし、描かれている女性が、ご自身に似ていることに気付く。
直接お伺いしたところ、やはりご自身がモデルであることも多いとのこと。
西山さんは絵に描かれているような長い黒髪の美しい女性なので、さもありなんと納得した。

「Portrait Royal Blue」も好きな作品で、これも自画像らしき女性が、濃紺の線で描かれた作品。白布に細い濃紺線が映える。

個人的には、白布ベースの作品が好み。白地に染料による手彩色は色の美しさや線の美しさが際立つ。余白の白が、潔いくらい大きく抜けているのも良い。単色の線描より、「飾結」のように紺と赤を組み合わせたような作品の場合は、線の色に深みが出ていて、線を彩る色を辿るのが楽しい。

一方、VOCA展に出されていたような、プリント地の方は、鑑賞者の視線が、プリントの方に行きがちなので、せっかくの美しい線描が相殺されてしまっているように感じた。2010年VOCA展に入選されていたのに、記憶が残っていなかったのは、そのせいかと思う。

プリントという点では、応接コーナーに置かれていた「ガラス」ガラスコップの写真を一部に転写+ろうけつ+線描の作品の方が、線と馴染んで共存できていた。このシリーズは今後に期待したい。

ろうけつ染めの作品とは異質な鏡の作品についても触れておく必要がある。
鏡のごく一部を削り、写真をはさんだ作品「支度」は、作家にとって、観る、観られるの関係を考えた時に生まれた作品だという。写真の存在は、傷痕のようでもあり、鏡の奥を覗きこむ自分と逆に鏡の中の写真から観られているような相対する関係性が作品鑑賞する際に生まれる。
すなわち、鑑賞者が鏡を覗きこむこと(鑑賞者の存在)により、初めて作品として成立するのかもしれない。
女性はお化粧をしたり、鏡を覗くことが多く、女性像の一部を作品化した点において、平面作品との共通項を見出す。

私自身は、彼女の描く女性の腕の太さや足の指、手の指、背中の肩胛骨部分に取り分ける何とも言えない清楚な色香を感じて、それが彼女の作品に惹かれる理由になっている。

冒頭に置かれていたドローイング集を最後にじっくりと拝見した。思っていた以上にドローイングの線がか細い。
興味をひいたのは、ドローイングに描かれた様々な女性のポーズである。
髪にまつわるポーズがある一方で、女性が緊張感から解放されて放心したようなしどけない仕草の作品が何点かあった。出かける前の支度や髪を結ぶ行為は、女性にとって緊張感を強いられる行為だと私は思うが、その一方で、緊張感から解放され素のまま、弛緩した姿にとても共感が持てた。

凡庸だがひとつのストーリーが浮かぶ。
好きな男性との外出前に、美しく見せよう見せたいとする女性像と、彼との外出が終わり、緊張から解放されてくたっとした女性像。どちらも真の女性の姿に違いない。

今後どんな変化をされるのか楽しみな作家さんである。

注:昨日アップ時点で時間がなかったため、日本語として甚だ不完全な文章となっていたことをお詫び申し上げます。6月13日に大幅に加筆修正しましたので、ご了承ください。

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