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「アンフォルメルとは何か? ―20世紀フランス絵画の挑戦」 ブリヂストン美術館

アンフォルメル

「アンフォルメルとは何か? ―20世紀フランス絵画の挑戦」 ブリヂストン美術館 7月6日(水)迄
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/

前評判の高い展覧会で、早く観に行きたかったのだが、この展覧会に行く前にどうしても『アンフォルム 無形なものの事典』イブ=アラン・ボワ+ロザリンド・E・クラウス著(月曜社刊)を読み終えてからにしたかったので遅くなってしまった。
しかし、遅く行って良かったこともある。
6月7日から、パリのポンピドゥーセンターフランス国立近代美術館所蔵のピエール・スーラージュ《絵画》が新たに出展された。
震災の影響で、本展には海外の美術館からの貸し出し作品も予定されていたが貸し出し見合わせ。そんな中、ポンピドゥー・センターが、本展開催の意義を認め、スーラージュの作品が特別に出品されることになった。
作品画像等詳細はブリヂストン美術館ブログをご参照ください。 → こちら

さて、展覧会は前評判通りの素晴らしい内容だった。
展覧会コンセプトが明確、かつ、構成が素晴らしいので満足度は非常に高かった。
こんな展覧会ばかりだと嬉しいのだけれど。

1章 抽象絵画の萌芽と展開は、序章の位置づけとして問題は第2章以後である。
2章 「不定形な」絵画の登場-フォートリエ、デビュッフェ、ヴォルス
いずれも、国内美術館の常設などで1点~2点を見かけるが、これだけまとめて観たのは初めて。

個人的には、フォートリエとヴォルスにはまった。
フォートリエはこれまで見かけても軽く流していたけれど、読み解きの面白い作家である。
そして、画面の作り方、石膏や紙を貼ったカンヴァスは、厚みを帯び、平面でありながら彫刻のような三次元性を持つテクスチャー。
しかも、色もよく観れば下地を何層にも重ねていることが良く分かる。
「不定形」について語ると長くなるので、ここでは割愛し作品についての感想のみにとどめる。
フォートリエの不定形は、当初エッチングにおいて試み始められたのだろうか?
今回展示されていたのは1942年制作の版画、油彩で一番古いもので≪人質≫1944年・大原美術館蔵。
この作品では、まだ人の顔だということが認識できるが、以後の油彩はもはやそれが何であるか分からない。不定形なるものと化している。

ヴォルスで一番驚いたのは彼の写真2点だった。
≪海の水面の反映、カシスの滝≫1941年、≪雲・・・・・・≫1937年、いずれもゼラチン・シルバープリントの絵画的な写真は、形が定まっていないものをモチーフとして選択している。これが、彼の絵画につながっていくのか。
ヴォルスの作品は、DNP川村記念美術館で初めて観て、以来好きな画家のひとりだが、≪構成≫1947年・国立国際美術館やクレーのような音楽を想起させる作品≪いいようもなくやわらかな色彩≫1949-51年など、溶けていくような色彩と不定形なる線の集積が画面をうまく構成している。
裕福な家庭に育ちながら、なぜ最後は腐った馬肉を食し食中毒で30代で死亡してしまったのか。

ジャン・デビュッフェは、≪草の茂る壁際≫1956年・東近美蔵に驚いた。こんな作品を持っていたとは。常設には何度も行っているが、過去に観た記憶はない。

3章 戦後フランス絵画の抽象的傾向と「アンフォルメルの芸術」
冒頭は、これまた私の好きなアンリ・ミショーの作品から始まる。
以前、東近美でミショーの特集展示があり彼の作品≪ムーブマン≫1950年、≪メスカリン素描≫1956年など、実験的な作品とオートマティスム的な作品。

これに一層拍車がかかるのが、ピエール・スーラージュ。
本展会場では、スーラージュに6つの制作について、以下のようなインタビューを行っている。
それによれば、彼は「黒」を多用するが光の反射を表現する手段として「黒」を使用する。黒で線を描くことでより白く見せる、それが光の反射であり、黒から光が生まれる。
幼少の頃から、黒が好きで、それが現在にまで至る。
画家と絵画、そして観る人の3つの関係によって成立するのが絵画芸術。

スーラージュは日本の漆技法に感心し、自身の絵画に取り入れる。画面のテクスチャーは光沢のある漆のを思わせる表情で、特別出品されているポンピドゥーセンターの≪絵画≫195x130cm・1956年は特に強い黒、そして光沢を放って存在感抜群だった。

ジャン=ポール・リオベル≪絵画≫1955年、リオベル自体の存在を初めて知った。

ピエール・アレシンスキーセルジュ・ポリアコフの面で構成された画面、ニコラ・ド・スタール等これまで見過ごしてきた作品達の魅力を再発見。

この海外からの流行が、日本に伝わるのも早かった。
堂本尚郎、今井俊満、ザオ・ウーキーーへと継承される。ザオ・ウーキーは、スーラージュと共にブリヂストン美術館を訪問したことがあるとのこと。
今回、ブリヂストン美術館が所蔵する全てのザオ・ウーキーが出ていたのではなかろうか。
この作家も好きなのだが、水彩、エッチングはあまり観たことがなかったので新鮮だった。彼もまたアンフォルメルの継承者だったとは。。。この流れで観ていくとごく自然に納得できる。

本当に良い展覧会でした。

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ブリヂストン美術館で「アンフォルメルとは何か?」を観た!

左:「アンフォルメルとは何か?」展、チラシ右:ブリヂストン美術館入り口、案内板 ブリヂストン美術館で「アンフォルメルとは何か?」を観てきました。観に行ったのは、約1ヶ月前の5月5日でした。「アンフォルメル」、あまり聞き慣れない言葉ですが、第二次大戦後

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