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「葛城修験の聖地 中津川行者堂の文化財」 和歌山県立博物館

図録

「葛城修験の聖地 中津川行者堂の文化財」 和歌山県立博物館 6月11日~7月18日
http://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/nakatugawa/frameset.htm

前回、和歌山県立博物館を訪れた時には、企画展「文化財」の基礎知識 「緊急アピール・文化財の盗難多発中!」を開催していたと記憶している。
和歌山県には多くの寺社があるが、近年貴重な文化財である仏像などの盗難被害が続いており、これを防ぐためにはどうすればよいか、また広く県民他の方々に文化財盗難の現状を訴える内容だった。

そして、今回の企画展は冒頭にある通り「中津川行者堂の文化財」がテーマ。
くしくも中津川行者堂も盗難被害にあっており、役行者像と前後鬼像(平成22年8月盗難)、阿弥陀如来および両脇侍像(平成2年9月盗難)、更に不動明王坐像、僧形坐像(2体)、伝韋駄天立像(いずれも平成2年9月盗難)とこんなにも多くの仏像が盗難にあっている。
下の画像は、役行者像と前後鬼像(平成22年8月盗難)。中央の役行者像が展示されている(7/18まで)

役行者


幸いにも今年の5月に昨年盗難にあった役行者像は犯人逮捕がきっかけで発見され、ちょうど私が訪れた前日から同館で急遽公開されることになった。

この役行者像、思っていたより大きく像高58.9㎝。
上記の通り、阿弥陀如来、不動明王坐像等、主だった仏像群すべて盗難被害にあっているため、この役行者像が戻ってきたことは非常に喜ばしい。
更に、役行者像は珍しい面貌をしており、通常よく見かける役行者像にある髭がない。
昨年神奈川県立歴史博物館で「天狗推参」展が開催され、この展覧会でも役行者像が展示されていた。天狗は修験道とも関わりがあったので、今回和歌山まで行くことにしたのだ。

神奈川で展示されていた役行者像を帰宅後図録で確認したが、複数体あったが、いずれも立派な髭が生えている。立体像だけでなく、絵画として描かれた役行者像にも髭はある。

そう思うと、今回戻ってきた役行者像は珍しい。
一木造だろうか?制作年代の推定が幅広く、室町時代~江戸時代と特定困難。
頭頂部の鑿跡が、武骨で、丁寧な仕上げが行われていない所が却って気に入った。
思い出したのは、橋本平八作「老子像」。表情が似ている。

発見された役行者像とは別に、役行者および前後鬼像(室町時代)こちらは、像高52.3センチ。髭はあるが、三日月形の眼が特徴的で、神像で見かける表情に似ている。しかも、この役行者像は坐像で腰かけた姿で制作されているのも面白い。
前後鬼のいずれも揃っており、その朴訥とした姿は何とも言えない魅力がある。正統派にはない亜流の美。

展覧会の康生は次の通り。
一.役行者と葛城修験
二.葛城修験の聖地・中津川
三.中津川行者堂の碑伝と護摩札
四.熊野神社の棟札
五.中津川の文化財-盗難文化財情報とともに-

葛城修験とは、役行者が修業を行った葛城山系(和泉山脈、金剛山地の総称)の峯々に設定された行場を巡る体系のこと。
中津川と言えば愛知県民の私は、岐阜の中津川市を思い出してしまうが、それとは別で、和歌山県紀の川市の粉河寺(絵巻でも著名)の約2㎞北にある集落の名前で、ここから更に山中に1㎞入ったところに、中津川行者堂と中津川の産土社である熊野神社がある。

峯入りした修験者が名前と入峯の年月日、入峯の回数や願文などを書き記し、行場におさめる。
これがおびただしい数、展示室に並んでいた。棟札は「カーン」、「カンマン」といった梵字で始まる。
これらに何が記載されているのか、徹底的な調査が同館によって行われており、本展図録に資料として掲載されている。これら棟札は中津川行者堂におさめられたものと熊野神社におさめられたものの両方がある。

前記の図録(トップ画像)は、カラー刷りでページ数14ページとはいえ僅か300円なので、入場料と思えば安いもの。しっかり購入して来ました。
葛城入峯は、近世を通じて現在も行われている。熊野の修験道の入峯は今なお続いていることに驚きとともに時間が止まったように思えた。

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