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「棟方志功 祈りと旅」展 愛知県美術館

棟方

「棟方志功 祈りと旅」 愛知県美術館 9月4日まで
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/index.html

愛知県美術館では現在、東北復興支援特別企画「棟方志功 祈りと旅」が開催されています。
当初、この会期中にはプーシキン美術館展の開催が予定されていましたが、ご存知の通り作品の貸し出し中止により展覧会自体も中止になりました。
その代替として、今回の企画展が開催されたのですが、これが素晴らしかった!
私がここ最近愛知県美術館で観た企画展の中でも一番良かった。「放課後のはらっぱ」展以来のヒットだと思います。
愛知県美術館の展示室は非常に広い。天井高もかなりありますが、この空間をいつも持て余しているのです。
それが、本展では別。うってかわって、この展示空間を活かした展示によって、棟方志功の巨大な作品も余裕をもってゆったりと、じっくりと鑑賞できます。

実のところ、過去に何度か《二菩薩釈迦十大弟子》など拝見しましたが、私は彼の作品あまり好きになれませんでした。しかし、そんな私が、本展を観て棟方志功の作品に強く感動し引かれたというのはすごいことです。
たとえ、一人の観客であったとしても、好きじゃないものを好きにした、それだけで展覧会として十分成功したと言えるのではないでしょうか。

しかも、愛知県美術館の企画展では作品リストが用意されていないことが度々で、今回も期待せずに行ったら驚くなから新聞のような体裁で、作品鑑賞の3つのポイントが掲載されている上に、中をめくると棟方が日本を旅したゆかりの地とそこにまつわる作品をカラーで紹介している。その横の両面ページが作品リスト(何と作品の読み仮名付)になっているではないですか。中ひとつ折のA3サイズですが、こんなお役立ちツールが!!!
愛知県美術館も頑張っているなぁとひしひしと伝わってきます。

今回は横26mの大作《大世界の柵(さく)》をはじめ、横10mの《東北経鬼門譜》と大作ぞろい。
そのド迫力に圧倒されることしばし。
展示風景は愛知県美術館の公式ブログをご覧下さい。以下。愛知県美術館のブログの関連記事は他にも読み応えある内容が揃っています!
http://blog.aac.pref.aichi.jp/art/2011/07/000500.html

また、彼の木版画、本人は板画と書いて「はんが」と言っていたようですが、その色彩の美しさに改めて目を瞠りました。
版画にも「裏彩色」を使用しているとのこと。「墨で版を摺った後に紙の裏から彩色し、表に色をにじませる・・・以下略」(愛知県美術館作成作品リスト権、鑑賞前の3つのポイントより抜粋)。
そして、使われている色合いの背景には、棟方の故郷である青森県のねぶた祭りや青森凧の存在があるのです。

「彼は常に故郷を背負っていた。」
作品キャプションにありました。そして、生涯にわたり女性への憧憬、そして女性や母性に対して仏性、菩薩を見出していたようです。
彼が描き出すふくよかな女性像の数々はやがて、額に白毫(びゃくごう)を付け、いつしか菩薩像の姿へと変わっていく。

また、巨大な大作郡はピカソのゲルニカを思わせるとともに、どこか神話や陰陽五行、宗教的なものを感じさせます。

棟方の素晴らしい所は、引用した神話なり、古典作品を自分自身のものにし、独自の解釈を行い、そこから彼自身の創造力、と想像力を持って新たな形を生み出している所ではないでしょうか。
他の誰にも描き出せない、棟方の世界がそこには展開されているのです。

展覧会は、
・祈り
・津軽
・文人がかの多彩な芸業
・旅と文学
の4つから構成されています。

《女人観世音画巻(詩・岡本かの子》は、岡本かの子の詩を選択したという点においても興味深かったです。
志功は他にも多数の詩と自身の板画を組み合わせた作品を生み出しているのですが、彼が彫り出す字体にも魅力を覚えました。

最後のコーナーでは棟方が旅行く先での風景をカレンダーにした作品が展示されていますが、中で特に心うたれたのは《奥海道棟方板画》のうち3月「岩手 盛岡石割御桜の柵」です。
厳しい冬の時間、土中でじっと力を蓄え、春になって一気に萌えいづる桜のあふれんばかりの桃色が頭から離れません。桜の力が画中からひしひしと伝わってきます。

春が来て、この美しい桜が再び東北の地に咲くことを願ってやみません。

なお、本展開催にちなんで、東北復興支援イベントがいくつか予定されています。既に終了してしまったものがほとんどですが、7月30日(土)には版画ワークショップ、7月29日、8月6日、8月20日にはギャラリー・トークが。また、棟方志功展オリジナル・チャリティーグッズが販売され、その収益は義援金に当てられます。

愛知県内では、名古屋ボストン美術館で「ジム・ダイン」展、名古屋市美術館ではレンブラントの版画が。
特に私のオススメは「ジム・ダイン」展。まだ記事をあげていませんが、あれだけの数、ジム・ダインの版画を見られる機会はこれを逃したらないのでは。東西、今昔の版画を愛知県で楽しめます!

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