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「フェルメールからのラブレター展」 京都市美術館

フェルメール

「フェルメールからのラブレター展」 京都市美術館 10月16日まで
時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(ただし7月18日、9月19日、10月10日は開館)
展覧会公式サイト → http://vermeer-message.com/

京都市美術館で開催中の「フェルメールからのラブレター展」に行って来ました。
本展は、京都の後、宮城、東京に巡回しますが、東京は混雑必至なので、先に京都で観ることにしました。

何しろ、本展は現存作品が30数点と言われるヨハネス・フェルメール作品のうち3点を公開。そのうち、アムステルダム国立美術館の≪手紙を読む青衣の女≫1663-1664年頃が、日本初公開、更に、この作品はアムステルダム国立美術館で修復作業を終えての世界初公開ともなっています。

ただでさえ人気のフェルメールが3点、うち初来日する≪手紙を読む青衣の女≫が出ているとなれば、混雑は当然と思いきや、意外や意外、京都市美術館では実にゆったり作品鑑賞できました。
同館の開館は9時と東京都内の美術館と比べると早く、私が到着したのは9時20分頃。チケット待ちの列もなく、すぐにチケットを購入し中に入りました。
館内も、予想以上に空いていて、作品の前に誰もいない状態も多々あったほどです。

本展の総展示作品数は全部で43点ということ、会場が混雑していなかったので、1点1点丹念に観ていくことにしました。

さて、フェルメールばかりに目が行きがちですが、展覧会の趣旨もしっかりとしています。以下、本展のサブタイトルに注目です。
「コミュニケーション:17世紀オランダ絵画から読み解く人々のメッセージ」。
つまり、17世紀の「オランダでのコミュニケーション」を主題にその手段や状況などをオランダ絵画で読み解くことが本展の開催意図となっています。

上記を展観して行くにあたり、フェルメールだけでなく、同時期に活躍した他の画家、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーン、フェルディナンド・ボル、ハブリエル・メツー、アドリアーン・ファン・オスターデなどオランダの美術館でお馴染みの画家たちの佳作を揃え、展覧会趣旨と合った作品を選択している点が素晴らしかったです。

作品との間に、仕切りが置かれているため、細部まで確認したい方は単眼鏡等の持参をお薦めします。

そして、展覧会を楽しむ上で、ちょっとだけでも予習すると良いのは、アレゴリー(寓意)のお勉強。
私も最初は、西洋絵画になぜこんなに沢山しゃれこうべが登場するのか、地球儀もよく見かける。。。と思っていました。今回も、隣にいた二人の来場者野会話の中で「また、しゃれこうべがある。何か意味があるのかな。」と話し始めるのが聴こえて来ました。

しゃれこうべにも地球儀にも意味があります。これらの寓意が少しでも分かると、西洋絵画の絵解きの楽しさが加わるというもの。オランダ風俗画も寓意が満載です。
私が持っているのは、『すぐわかる西洋絵画よみとき66のキーワード』東京美術刊。本展の日本側監修をされた千足伸行(成城大学教授)氏が同著を監修と一部執筆をされている。これは、図版も豊富で分かりやすい。他にも類書は出版されていると思うので、何か1冊あると便利です。

寓意


なお、この展覧会の監修者はオランダ・プリンセンホフ博物館長のダニエル・ローキン氏で、ワシントン・ナショナルギャラリー(特にシニア・キュレーターのフェルメール研究の第一人者、アーサー・ウィーロック氏)も協力していることを補足しておきます。

展覧会の構成は次の通り。
1.人々のやりとりーしぐさ、視線、表情
2.家族の絆、家族の空間
3.職業上の、あるいは学術的コミュニケーション
4.手紙を通したコミュニケーション

以下、構成順に印象に残った作品を揚げていきます。詳細な各章の解説は公式サイトに掲載されているので割愛します。

1章.人々のやりとりーしぐさ、視線、表情
・ヤン・ステーン≪生徒にお仕置きをする教師≫1663-65頃 アイルランド・ナショナル・ぎゃらりー
1章で、一番印象深かったのはこの作品。ヤン・ステーンは他にも出展されていますが、本作品は比較的大きな画面で、また丁寧に描かれています。タイトル通りの場面が描かれているのですが、お仕置きされる生徒以外の他の生徒が何人もいて彼らの表情や動きが活き活きと描かれていました。

他には、ヘラルト・テル・ボルフ≪眠る兵士とワインを飲む女≫は、兵士と女に何があったのか、思わず想像せずにはいられない二人の間の微妙に漂うけだるい空気まで画面から感じられる。

2章.家族の絆、家族の空間

・ヤン・ステーン ≪老人が歌えば若者は笛を吹く≫1670-75年頃 フィラデルフィア美術館蔵
またも、ヤン・ステーン。上記のような室内で享楽に耽る人々を描く作品が多い。この絵には教訓も含まれているが、こうした家族の空間を描く作品においても寓意が潜んでいるのがオランダ風俗画の特徴だろう。

ヤン・ステーンはもう1点≪アントニウスとクレオパトラの宴≫個人蔵、歴史を舞台にした作品は珍しいのではないか。この作品にしても束の間の栄華を教訓でしらしめていると解説にあった。

・ピーテル・デ・ホーホ≪中庭にいる女と子供≫1658-60年頃
一見すると小鳥の入った鳥かごを抱く子供とひとりの夫人が壁に囲まれた中庭に佇む作品で、夕暮れ時だろうか、静謐な感じを受ける。しかし、描かれた物の寓意を読み解くと。。。気になる方は公式サイトの作品解説をご参照ください。

こうして、家族を描いた風俗画も戒めや教訓が込められていることがよく分かる。

3章 職業上の、あるいは学術的コミュニケーション

オランダでは、読み書き能力が重視されていたため、教育もしっかり行われ、結果識字率が高かった。最終章で観る手紙が普及したのもその影響がある。

・ヘリット・ダウ ≪羽ペンを削る学者≫1628-31年頃 個人蔵 ニューヨーク
・ヘリット・ダウ ≪執筆を妨げられた学者≫1635年頃 個人蔵 ニューヨーク
恐らく、上記2点はいずれも同じ所有者のものではないだろうか。サイズもほぼ同寸で小品。ダウは、写実的に緻密に学者の皺や皮膚のたるみまで克明に描き出す。

・ハブリエル・メツー ≪窓辺で本を読む女≫1653-54年頃 個人蔵 ニューヨーク
メツー好きとしては、やはりこの作品を揚げておく。

他に、フェルディナンド・ボル≪本を持つ男≫1644年、レンブラント工房にいたヤン・リーフェンス≪机に向かう簿記係≫個人蔵、他にアドリアーン・ファン・オスターデなど、オランダ風俗画を代表する画家の作品が3章は特に多かった。ヤン・リーフェンスの≪机に向かう簿記係≫は、レンブラントと同じラストマンに師事し、友人でありライバルでもあった。一時期工房を共有している。そのせいかレンブラントの画風と共通するものがある。(注:ヤン・リーフェンスに関してレンブラントの弟子としていましたが、誤りです。正しくは上記の通り。12月13日修正)

4章 手紙を通したコミュニケーション
お楽しみは最後ということで、フェルメール3点は最終章に3点が1つの展示室で公開されている。

・≪手紙を書く女≫1665年頃 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
これは初めてお目にかかる。やっぱり、女というよりどこかあどけない表情が残る若い女性が愛らしい。大きめのリボンが3つ。そして、背後に飾られているのは静物画で、肉眼視できるかどうかぎりぎりのヴィオラ・ダ・ガンバが描かれている。この作品の情景から何を想像するのか。専門家はいつものごとく、寓意をもとに作品を読み解くが、個人的には自分の好きなように作品を見て想像すれば良いのではないかと思ったり。寓意を知った上での読み解きも楽しいが、そればかりに縛られることもない。

フェルメールの描く光と影、毛皮の質感、椅子の鋲、色づかい、細部まで楽しむ。

・≪青衣の女≫1680年頃 アムステルダム国立美術館
修復を終えての公開。修復前と修復後の過程については、第4章に入る前の休憩コーナーにて高精細映像が上映され、更に詳細な解説パネルが傍に置かれていた。

女性の着用している青いドレスについた汚れなどを洗浄したようだ。この作品は修復に入る前にアムステルダムで観ているが、どう違うかまでは映像を見なければわからなかった。
むしろ、女性の顔の中央あたりに、蝶の羽のようなものが付いていて、あれは耳飾りなのか、何なのかが気になった。
背後にある地図を置いている鉄の棒の質感と色、そして地図の横の長さと画面の右のライン(地図から床まで)の長さが同一になっているので構図に安定感を与えているとの図録解説を見て納得。
ここまで、計算していたか!

使われている場所によって違う青のニュアンスの違い。やはり、。フェルメールと言えばフェルメール・ブルーと言われるその青色を堪能したい。

・≪女と召使い≫1670年頃 アイルランド・ナショナル・ギャラリー
3作品中、もっともドロドロしていそうな状態。メランコリックで床にはくしゃっとなった手紙の書き損じ。赤い封印が引き裂かれた状態で落ちている。
背後の召使の無表情も怖い。
背景の壁にかかっている絵にも注目。
テーブルから垂れさがるタピスリーの質感描写は、他のオランダ風俗画家はフェルメールに限らず皆上手い。

・ピーテル・デ・ホーホ≪女に手紙を読む男≫1670-74年頃、フランス・ファン・ミーリス(1世)≪手紙を書く女≫など、手紙にまつわる絵画がフェルメール含め合計8点あった。
あ、と思ったのは「だまし絵展」で観たエドワールト・コリエル≪レター・ラック≫1703年。トロンプルイユと呼ばれる便せんや手紙がはさまった、一風変わった手紙にまつわる絵画もあるので楽しい。

他に当時の手紙の書き方のパネルなど関連資料も展示されていました。


なお、京都展のみで展示される作品と、巡回先の宮城・東京会場のみで展示される作品が2点ずつあります。
<京都会場のみで展示される2作品>
・ピーテル・デ・ホーホ ≪女に手紙を読む男≫1670-74年頃 クレマー・コレクション
・ピーテル・フェアエルスト≪教師と生徒≫1660年頃 

また、展覧会会場風景や監修者の作品解説は「京都で遊ぼう ART STAFF BLOG」様に詳しく掲載されていますので、ご一読されることをお薦め致します。

本展巡回先は次の通りです。
・宮城県美術館 10月27日(木)–12月12日(月)
・Bunkamura ザ・ミュージアム 12月23日(金・祝)~2012年3月14日(水)

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「フェルメールからのラブレター展」(京都)

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nyonn 様

ご指摘の通りですね。
ありがとうございます。修正致しました。
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