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「横浜トリエンナーレ2011」 横浜美術館会場

トリエンナーレ

「ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR -世界はどこまで知ることができるか?-」
2011年8月6日(土)~11月6日(日)11:00~18:00 ※入場は17:30まで
[休場日:8月、9月の毎週木曜日、10月13(木)、10月27日(木)]
公式サイト:http://118.151.165.140/

いよいよ3年に1度の横浜トリエンナーレが開幕しました。
私は、川俣正さんが総合ディレクターを務めた2001年の「MEGA-WAVE」しか横トリは観ていません。
2005年の横トリはどうも興味がそそられず、行くのをやめてしまったのですが、今にして思えばやはり観ておけば良かったと後悔しています。観ていないことには、何も語ることはできません。
他人様の評価でなく、自分の目で観て感じる、考えることが大切なのに。。。その時の私にはそれが分かっていなかった。

まず、横浜トリエンナーレ2011が目指すものとは何かから。以下、公式サイトの逢坂 恵理子(総合ディレクター)の挨拶より引用です。

「みる、そだてる、つなげる」という3つの言葉を掲げ、横浜トリエンナーレが現代美術にかかわる多様な機会を創出する契機となることを目指します。

1、美術作品の鑑賞を通して見るという体験を深める機会となること
2、作家はいうまでもなく美術愛好家も育てる機会となること
3、まだ歴史化されていない現代美術の作品を未来へつなげる機会となること
4、現代美術にかかわるネットワークを構築する機会となること


また、横トリ2011のコンセプト「OUR MAGIC HOUR-世界はどこまで知ることができるか?-」について、三木あき子氏(シニア・アーティスティックディレクター)の挨拶から一部引用。

世界や日常の不思議、魔法のような力、さらには超自然現象や神話、伝説、アニミズム等に言及した作品に注目します。この方向性は、決して科学の限界を問うものでも、また神秘主義を讃えたり、単にアートの娯楽性のみを追求するものでもありません。それよりも、こうした科学や理性では解き明かせない領域に改めて眼を向けることで、これまで周辺と捉えられていた、あるいは忘れ去られていた価値観や、人と自然の関係について考えるとともに、より柔軟で開かれた世界との関わり方や、物事・歴史の異なる見方を示唆しようとするものです。

今日は、横浜美術館会場だけを観て来ましたが、コンセプトは何なのだろうと終始頭から離れず。帰宅後、記事を書くにあたって、目的やコンセプトをチェックしました。特にコンセプトを踏まえつつ、展示内容を振り返ってみます。

なお、鑑賞に必要な時間は、最も長い映像作品が30分弱、映像作品は全部で15点弱。全作品を最後まで観ようと思ったら2時間半~3時間は必要でしょう。
また、会場では一部の作品を除きフラッシュなしなら撮影可能です。
混雑状況は、私は朝一番に入場しましたが夏休み期間中、しかも土曜日ということもあり、小学校高学年~中学生が非常に多く目立ちました。彼らは、さっと観てさっと消えますがかなり賑やかしい。13時半頃迄はそれ程の混雑はありませんでした。


個々の作品についての評価や感想は別にして、こと横浜美術館だけに限った印象は、主催者の頑張りが伝わる展示だったということ。

(1)所蔵品との組み合わせ 
→過去に開催された横トリと違い、横浜美術館を会場にするため、所蔵品と絡めた展示をすると、計画段階から話されていた。
(2)横浜美術館という建築をいかに有効活用するか
→キックオフミーティングでは、南條史生氏曰く「横浜美術館は展覧会をするには使いづらい空間」と言われる程、横浜美術館の建築はいまひとつの評価があちこちで聞こえる。

(1)に関しては、上手くいっている場所とそうでない場所が混在。
個人的に上手く行っていると思ったのは、マグリットの絵画1点とスン・シュンのアニメーション映像(約28分)といつもはダリの巨大絵画があるシュルレアリスムの部屋。この部屋は、デミアン・ハーストの蝶の羽を使用したステンド・グラスとマッシモ・バルトリーにの巨大オルガン(ただし、オルゴールが使われている)、コプト縫製などの組み合わせにより教会のように見える。

所蔵品との組み合わせではないけれど、本展出品作同士のつながりが分かる展示室もあった。

2階の最初の展示室からトピアス・レーベルがーは、鉱物つながりの展示室。
スワロフスキーを使用したインスタ-レーションとパフォーマンスのジェイムス・リー → オレリアン・フロマンの映像(手品をモチーフにしている?錬金術を想起した。3Dっぽい映像。)→ウィルフレド・プリエト(人造ダイヤを使ったインスタレーション)→冨井大裕「ゴールドフィンガー」(画鋲を隙間なく留めているだけだけど)→次の展示室トピアス・レーベルガー(59個の手吹きガラスのインスタレーション、子供部屋の電気スイッチと連動して電球が点いたり消えたり)。

他には、メレット・オッペンハイムと池田学、砂澤ビッキの動物学植物学の標本室のような見せ方も面白い。今にして思えば、なぜこれが?と思った湯本豪一の妖怪コレクションも博物学的で隣の池田学らの展示室と繋がる。
湯本氏の妖怪コレクションは、神話、伝説等に言及した作品として選択されたに違いない。


逆に一番つながりが分からなかったのは、佐藤充、樫木知子らのペインティングなど平面がある部屋からイサムノグチの彫刻までの展示室で、2階の約半分のスペース。例えば、今村遼佑さんの展示室内の更に展示コーナーは唐突感が大きく、作品世界に入り込めず。同じく唐突なのは、国芳の浮世絵だが、化け猫でも幽霊画でもはなかった。なぜ、あそこにあったのだろう?変態、変形つながり?

ここで、作品に強度があったのは横尾忠則「黒いY字路シリーズ」2011年新作である。10点はあっただろうか?部屋中が黒のY字路絵画で覆われているが、1点横尾さんらしからぬ静物画風の作品があり驚いた。あんなタッチは観た記憶がない。横尾さんと言えば、ご本人が既に神秘的なので、その時点で選抜されたのが納得できるが、作品も鮮やかな色彩が消え、黒をベースにしたおどろおどろしさが不気味。

写真では荒木経惟が大きなスペースを使っていたが、来場者の年齢を考慮したのか、いつもの過激さはなく大人しい展示だった。
逆に杉本博司は、迷路のように展示室を仕切り、歴史的遺物と自身の作品を絡ませ「デュシャンへのオマージュ」として展示を構成。作家の個性が強く、本人がキュレーションした展覧会の中での展覧会のせいか、彼のコーナーだけ切り離された感が、早い話、そこだけ浮いていたような印象。コンセプトにはしっかりマッチしているのはさすが。

懸案の1階の巨大吹き抜け空間は、折角の高い天井高を活かせなかったのが残念。イン・シウジェンの渦巻型の作品はまだしも、オノ・ヨーコの透明な小部屋(奥には電話機があり、そこに作家から電話がかかって来たら、電話で話せる。コミュニケーションがコンセプト?)は、あの場所に置く必要があったのだろうか。1度に5人しか中に入れないので、入場して空いていたらすぐに、そこに行くことをお薦めします。
*人数制限がある作品はこれと2階の田名網敬一の映像(ヘッドホンは4つだけ)。

2階の展示室と展示室を結ぶ広いスペースでは、田中功起が面白いスペースを創り出していた。
美術館の中に彼のアプローチ(集めて来たガラクタ?で構成)で美術館を造ったような。上映されている映像作品は、下記サイトで鑑賞できます。もう1度、もしくは時間がなかったという方はこちらをどうぞ。ただし、字幕はありません。
<田中功起映像作品>→ http://vimeo.com/kktnk

個人的な関心事として、同じく美術館を会場としたあいちトリエンナーレ2010との比較で言えば、次の2点が挙げられる。これも今回の横トリの特色。

(1)分野が写真(荒木経惟、田口一奈)、陶芸(金理有の現代陶芸)、平面絵画(薄久保香、樫木知子、佐藤充ら)広く網羅されていたこと。弊害は、ごった煮感と小粒な印象を受けたこと。あいトリは映像中心のインスタレーションが多かったが、派手さはあった。

(2)国内の若手作家を多くメイン会場で採用。
まだ、名前を挙げていない作家で言えば、阿部泰輔(古布による立体)、八木良太(映像他)、森靖(木彫、彼は愛知県・旭丘高校出身なのに!)、嵯峨篤(1970年生まれなので中堅かも)

最後に、横浜美術館会場で気になった作家は次の通り。
・前田征紀(彫刻)
・オレリアン・フロマン(映像)
・ジェイムス・リーバイヤース (パフォーマンス+インスタレーションの組み合わせが上手い)
・ハン・スンヒル(写真)
・田名網敬一(短編2編。古い写真を上手く織り込んだアニメーション)
・ミヒャエル・ボレマンス(絵画と映像)
・マイク・ケリー(立体インスタレーション)
・ツァイ・チャウエイ(映像で良いのかな)
・スン・シュン(28分と長いが、マグリットへのオマージュかと思うような重複イメージが登場する。面白い。)
・ダミアン・ハースト
・マッシモ・バルトリーニ

なお、観落としやすい作品として(私自身も見逃している作品が他にもあると思いますが、)
・冨井大裕 → 2階の美術情報センターへ向かう通路にあるポスターコーナーに紛れた「天井」シリーズ4点
・岩崎貴宏 → 2階の斎奥通路にある望遠鏡と逆サイドの新聞束+α
・島袋道浩 → エントランス前のハムの屋台
・カールステン・ニコライ → 美術館正面の工事仮囲いに8色8枚のステッカーを観客が貼っていく。参加型作品。ステッカーはビジターセンターにて100円寄付するといただけます。


日本郵船海岸通倉庫(Bank ART STUDIO NYK)会場では、クリスチャン・マークレーの「The Clock」(映像)が話題をさらっています。逆に、これしか評判が聞こえてきません。早くも24時間上映して欲しいという要望が寄せられており、期間中にできるだけオールナイトに沿うようなイベントも予定されるとか。発表を心待ちにしたい所です。
*参考:クリスチャン・マークレー 『The Clock』インタビュー→こちら(Art itへリンク)

新港ピアはまだ普請中、黄金町エリアは公開制作期間ですので、ご注意ください。

逢坂ディレクターが目指すものが成しえるかどうかを楽しみに、会期末まで楽しみたいと思います。
私が入館した際に、逢坂ディレクターも玄関でお出迎えされていて、既知の来場者の方との会話で「人生で一番大変でした!」と仰っていたのが聞こえました。

末尾となりましたが、震災という大きなアクシデントがあったにも関わらず、こうして予定通りトリエンナーレが開催されたことを心から感謝するとともに、主催者、関係者、そしてボランティア、参加アーティストの皆さまに厚く御礼申し上げます。

*8月7日、AM9時半加筆修正。

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ヨコハマトリエンナーレ2011/横浜美術館

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Tak様

こんばんは。
4月にTBをいただいた時(それは上手く反映しています)から
こちらの設定は何も変更していません。

逆に変なスパムは以上に増えて飛んできてます。

リンクの件、有難うございます。



No title

こんばんは。

TBありがとうございました。
こちらから送るとエラーが出てしまい送れないようです。
コメントだけで失礼します。

拙記事中にリンク貼らせて頂きます!
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