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「百獣の楽園」 京都国立博物館

百獣の楽園

「百獣の楽園-美術にすむ動物たち-」 京都国立博物館 7月16日(土)~8月28日(日)
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tokubetsu/110716/index.html

この夏、古美術系展覧会で一番のオススメ展覧会はこれ!
これほど、楽しい古美術系の展覧会には、なかなかお目にかかれません。
楽しいだけではなく、そこは京博。しっかりとさりげなく、名品・珍品を約120点も揃えてくれています。

仏教美術、絵画、陶芸、工芸、染織、彫刻と時代も幅広く古代から近代の作品を通して、美術にすむ動物たちを展観するものです。

本展は、明治36年(1903年)開館の京都市動物園と明治30年開館の京都国立博物館とが1連携して開催する初の展覧会です。会期中は、京都市動物園で幾つかの作品の写真パネルが本物の動物のそばに並べられたり、作品に表現されている動物の判別や生態についての情報提供などの交流を行っているそうです。

展示は時代や表現の違いが浮かび上がる、そして何より自由に楽しみながら美術に親しめるだろうという意図のもと、動物の種類ごとに作品が並んでいます。

第1室 体の大きな人気者 象、駱駝
第2室 猿
第3室 犬
第4室 虫
第5室 馬と鹿
中央室 禽(とり)
第6室 猛獣の間 虎と豹
第7室 狐と狸 擬人化
第8室 大集合 これまで見て来た動物たちのおさらい
第9室 鱗介(魚介類と、蛇と亀)
第10室 霊獣(龍や麒麟、鳳凰)

特に気に入った作品を各種類ごとにひとつ展示室順に選んでみました。とはいえ、展示作品はどれもこれも皆、素晴らしいものばかりです。選んだ作品は苦慮の末ということでご参考まで。

第1室
象:「色絵象香炉」 有田焼 個人蔵 犬のような象。解説には「伏せ」ていると完全に犬扱い。ユニークな逸品。
駱駝:「五百羅漢図」 丁雲鵬・盛茂筆 明時代 仁和寺
春の江戸博「狩野一信 五百羅漢」展の興奮もさめやらぬまま、お隣の中国明時代の五百羅漢図も羅漢はフィーバー中。ここでは、手前下で1人の羅漢が駱駝に乗ってとことこと。どこへ行くのだろう。
他の羅漢も皆楽しそうにくつろいでいる。元々24幅揃いの一幅。

第2室
猿:「巌樹遊猿図屏風」 式部輝忠筆 6曲1双 室町時代 京博蔵
式部輝忠は室町時代に活躍した水墨画家。私は式部が好きで、作品が出ると聞けば、なるべく行こうと思っている。故事を画題にしているが、左右の構図が良い。手足の長い猿の図様は、雪村、等伯にも共通するが、中国絵画の影響だろう。
この他、伊藤若冲のちょっといじわるそうな顔の猿が忘れられない「猿蟹図」、「群猿透鍔」は、一体どれだけ猿がいるやらと、刀の鍔びっしりと猿が絡み合う。

第3室
犬:「嵯峨人形 犬」京博蔵
若冲の「百犬図」をさしおいて、私の選ぶこの一品「犬部門」は嵯峨人形。かつて、ビクターのトレードマークだった犬を彷彿とさせるポーズに顔。これが首を回すと尾が動くからくり仕掛けというから驚き。
体に施された図柄も丁寧な仕事。
ウサギ:「銀製兎型水滴」霊鑑寺 赤目の銀製兎の置物のような水滴。右耳から水をたらすなど愛いやつ。
リス:式部輝忠「葡萄に栗鼠図扇面」
猫:「惺々狂斎画帖」 河鍋暁斎筆 化け猫のパンチ強すぎ。

第4室
虫:「夕顔蒔絵象嵌料紙・硯箱」 笠翁銘 個人蔵
意匠が派手で、やや盛り込み過ぎの感があるが、貝、べっ甲などの細工が実に美しい。江戸から明治にかけての作品。
雪村の「菊竹蟷螂図」個人蔵の水墨は初見。セミを追うカマキリはどこか優雅。焦りはみえない。

第5室 
馬:「野馬図屏風」与謝蕪村筆 6曲1双 京博蔵
蕪村48歳の作品。特に樹木に中国渡来の北宋風の表現が見られる。絖本であることも見逃せない。
鹿:応挙「双鹿図屏風」「と蘆雪「楓鹿図屏風」の子弟対決。ここでは、愛らしい応挙を選びたい。正面向きの鹿がかわいらしすぎる。

中央室
とり:ここはもうスーパースター級作品が勢ぞろいしていて、とても一つには選べない。
狩野元信「四季花鳥図」 京都・大仙院 博物図譜のような詳細さ。一体何種類の鳥が描かれているやら。
狩野永徳:「花鳥図押絵貼屏風」個人蔵 永徳展開催後に発見されたらしい、永徳20歳頃の作品。画面はかたいが、きっちりと良い仕事をしている。
この2点見られただけで充分な満足感に浸れる。
そのわきで、じっと「孔雀明王像」京都:安楽寿院が、きょとんとした孔雀に乗ってこちらを見つめる。
もちろん、鳥と言えば鶏の若冲でしょう。「群鶏図障壁画」はもちろん、時代はさかのぼり伊勢集断簡(石山切)」の美しいことと言ったら。

第6室 
虎と豹:「虎図」長澤蘆雪 個人蔵 蘆雪の虎と言えば、和歌山のあの犬のような虎が忘れられないが、こちらは、本気出してる虎図。下書きの線が見られないという。一気呵成に描いてこれですか。。。素晴らしい。
朝鮮または中国の影響が濃く出ている「虎図屏風」単庵智伝画あるかと思えば、昭和35年の工芸、加藤宗巌作「銀製豹」の洗練されたデザインと斬新さ。何より、表面に施された鋳目が何とも良い味わいを出している。

第7室
狐と猿:北斎「狐狸図」2幅1対。北斎肉筆画。

第8室
大集合:「星曼荼羅」大阪・久米田寺 この曼荼羅は衝撃的だった。十二宮が勢ぞろい。確か先日イスラエルのガリラヤ地区のモザイクにも同じく十二宮のモチーフが使用されていた。明らかに西から、東へ伝わってきた画像だろう。
「童子経曼荼羅」智積院もユーモラスな曼荼羅。鬼を動物化して表現している。人々への布教のしやすさを狙ったのだろうか。

第9室
最後の最後に登場してくる応挙「雲竜図屏風」6曲1双のド迫力。個人蔵だそうですが、これはすごかった。
他にも雪村「琴高仙人図」やら赤目の富岡鉄斎「龍図」他もあるが、群を抜いていた。

第10室 
霊獣:「斗牛服」妙法院 迷った末にこれを。明王朝から下賜された宮廷服。この龍に似るが、牛のような角をもつ。

今回は、いつもはおかたい解説も、かなり遊び心が強くて面白い。
特に、元信作品の解説「とくに松の幹に止る鳥たちに踏みつけられた、哀れな虫の存在は必見!!」らしい。
「必見!!」なんて初めて見た。

とにかく、親子で一緒に行っても楽しめること請け合いです。
ひとりで行っても美術館で動物たちがお待ちしてます。

なお、展覧会図録は驚きの800円!オールカラー184ページで、作品解説は日本語・英語併記。海外からの来客でもこれなら大丈夫。スルット関西の特別きっぷ提示や京博友の会員なら、更に10%の割引が。
どうやら、京博の協賛企業である佐川印刷株式会社さんのご尽力により実現した価額らしい。
B5サイズでそれ程場所も取らないので、やっぱり買ってしまいました。

時代や表現方法の幅を超えて、動物と人間は共存していたんだなとつくづく感じました。

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