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「杉本文楽 曾根崎心中」 神奈川芸術劇場

杉本文楽

「杉本文楽 木偶坊 入情 付り観音廻り 曾根崎心中」 KAAT神奈川芸術劇場 8月15日 17時~
公式サイト:http://sugimoto-bunraku.com/

文楽を一度も観たことがないくせに、「杉本文楽 曾根崎心中」に行ってしまった。
「木偶坊 入情 付り観音廻り」は、「でくのぼう、いりなさけ、つけたりかんのんめぐり」と読む。
文楽を観たことがない人でも楽しめる内容だったのは、曾根崎心中という心中ものが演目であったことも大きいと思う。
男女の刃傷沙汰は、古今東西相通ずるものがある。例えて言えばシェークスピアの「ロミオとジュリエット」が近松に先だって書いている。

「杉本文楽」は当初、3月に上演の予定が震災により中止。3月上演前に、青山ブックセンター本店で杉本博司さん、橋本麻里さんを聴き手に、公演にまつわる裏話や解説などの講演会にも参加していたので、やむを得ないこととはいえ、がっかりした。
チケット払い戻し再上演はないのかと諦めていたところ、今回の再上演が決定。
ただし、チケット代が3月の倍に跳ね上がっていたのはきつかった。
何とかA席のチケットを入手し本番に臨む。

人形の顔をアップにした映像と観音めぐりだけに、関西のお寺の名前の看板が順々に上映されていく。スクリーンは正面に大きいのがひとつ、左にひとつ。

文楽は元々人形をひとりの人形遣いが動かしていたことに端を発し、現在の3人遣いになったと、ブログ「Art and The City」のcatnoelさん(たまたま同じ回を観に来られていた)に教えていただく。
catnoelさんの青山ブックセンターでのトークまとめ → http://ameblo.jp/noel0901/entry-10987325260.html

1人遣いは冒頭の場面だけ、後は通常の3人遣いである。

奥行きのある長い花道から人形が少しずつ舞台前面に登場するかと思えば、せり上がりから天井スポットを浴びながら、登場したり、退場したり。
通常の文楽では観られない舞台装置や演出が随所に見られる。

また、杉本博司さん所蔵の「十一面観音」(平安時代)も舞台美術のひとつとして、役目を与えられ登場。
お初が観音像につつと寄り添う場面など、杉本演出が随所に見られる!
その後、いとうせいこう氏のtwitterでの呟きで、舞台装置として使われていた神社のお社も古美術品と知った。ということは、あれも杉本さん所蔵品。。。

こうした演出もさることながら、私の心を捉えたのは浄瑠璃語りの太夫の朗々とした場内に響き渡る声と三味線の音色。通常の文楽では三味線だけのようだが、今回は他の楽器も使用されていた。特に冒頭鳴っていたのは胡弓もまた忘れがたいが、これはさすがに初演ではなかっただろう。

今年に入って、能も一度観に行ったが、この時も謡に痺れた。
テレビで聴く謡と生で聴く謡や鼓の音の響き、この違いはあまりに大きかった。

今回も独特の節回しでまるで音楽のような浄瑠璃語りが、実に素晴らしい。

更に文楽と言えば、人間でなく人形が役を演じるのだが、小さな動きひとつひとつ、身をくねらせ、時にコミカルな演技を見せ、動きはかなり激しい時もあった。

クライマックスの心中シーンに入る前には、モノクロで松林の映像がゆっくりと背後のスクリーンン流れ、いかにも杉本さんらしい背景。
同時に本当の火を使用してひとだまを飛ばしていた。これは、歌舞伎ではよくあるらしいと翌日知った。
縦に横に上下にと空間をダイナミックに使用するのも通常文楽との大きな違い。
女性役の人形たちの着物にも注視。何度か衣装替えもある。実は、この着物には、エルメスのスカーフが使用されている!

最後の心中で短刀を取りだす場面、お初を刺し、自らの首に刃物を当てるその姿は、魂が宿っているようにも見え、人間以上にリアルに心中を再現していたのに驚く。

場内が暗転し舞台が終了した後、人形遣いの方、太夫、三味線の皆さん全員が顔出しで観客へご挨拶して下さった。
最後にせり上がりから登場された人形遣いの方は、両手を広げ観客の声援にこたえて下さった。
壇上に上がられた皆さん全員が、とても晴れやかで誇らしげで、かつ、舞台を楽しんでおられる様子が伝わってきたのが何より嬉しかった。

杉本氏の申し出に応じ、新しい試みにチャレンジされた文楽界の重鎮の方々のご英断に、心から敬意を表したい。

伝統芸能をそのまま継承していくことは勿論重要なことだと思うけれど、現代において文楽を継続して行くには、時に新しい試みも必要なのではないだろうか。時代に即して、素晴らしい舞台ができれのであれば、それはそれとして評価されるべきことだと思う。
勿論、古来からの文楽も継続していくことは大前提として必要だと思っている。
従来の文楽、新しい文楽の共存によって、新たな文楽ファンの増加、ひいては伝統芸能たる文楽の継承につながるのではないだろうか。

今回の公演は、海外、例えばニューヨークあたりで上演したら評判になりそう。
海外へ日本の伝統芸能を持っていく、そんな試みがあっても良いのにと勝手な妄想は膨らむのだった。

当日券も出るようなので、興味をもたれた方はぜひ、足を運ばれることをお薦めします。

再演を期待したいものです。
8月17日最新情報:9月25日21時~放送日程が変更になりました。10/16(日)22時~TV:NHKEテレにて、ETV特集「杉本文楽」(仮)で公演ドキュメンタリー番組がオンエアされるそうです。そういえば、昨日の公演にTVクルーが入るって貼紙があったのはそのせいか。録画必至ですね。

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よし様

こんばんは。
開催公演あると良いですね。
どうやら、テレビ上映があるようです。
まずは、そのリリースを心待ちにしたいですね。

こんにちは

ええ、 フクフンさんのブログでこちら杉本文楽の画像みました。
衣裳も人形もたいへん目をひきました。
関西へも来ていただきたいです。
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