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フィオナ・タン “Rise and Fall” and New Works WAKO WORKS OF ART

fiona

Fiona Tan “Rise and Fall” and New Works WAKO WORKS OF ART 2011年9月10日~10月15日

フィオナ・タン。
2009年のWAKO WORKS OF ART[この時は初台)で拝見した“The Changeling”(取替え子)に魅せられ(感想書いてません)、2010年の恵比寿映像祭、京近美の「マイ・フェイバリット展」と作品を観るたびに好きになっていく作家である。
詳細は、ギャラリーの作家紹介をご参照ください。→ こちら

今回は2009年のヴェネチア・ビエンナーレ、オランダ館で発表された“Rise and Fall”(22分)と新作映像“Hams and Helge”2011年(9分27秒)1点、ミュージッククリップ1点“Brendan's Isle”(6分52秒)で構成されている。

圧巻なのは、“Rise and Fall”。
通しで2度観たけれど、映像の美しさもさることながら台詞や状況説明一切なしで20分を見せ切る。
特徴的なのは、縦型スクリーンを2台並置して、それぞれのスクリーンに映し出される映像は時に同期し、時に僅かにズレ、そして、2つで1つの横長映像を創り出したりと、使い方が次々に変化し、それがまた非常に効果的に観者を映像世界に誘う。

登場するのは、若い女性と初老の女性。同一人物の若き頃と年老いた姿かとも思ったが、映像を観ていく中でどうやら違うと分かってくる。

2人は同じ時代を生きているのか、それとも時を超えているのかは分からない。
しかし、映像は2人の女性の行為を並列して重ね合わせる。
入浴、口紅をさす、食事、外を散歩する、着替え、様々なシーンがクロスし、そこには容赦なく老いた女性とうら若き女性との対比が提示されていた。
カメラは執拗に、若い女性の背中や肌、そして初老の女性のたるんだおなかや、顔の皺をクローズアップする。
背景になっている両女性の住む部屋もそれを取り巻く庭などの環境も、美しく静かで、2人の女性を引き立てる役割を果たしているように思った。

これは記憶なのだろうか。
時と場所を別にした記憶のモチーフ。
そして、これらを包み込み押し流してしまうのがナイアガラの滝だ。
この滝の何もかも飲み込んでしまう水量と水景が画面一杯に広がり、観る者に轟音とともに迫ってくる。

人は、母の胎内にある羊水に包まれ育ち、やがて母体から産み落とされる。
人の記憶は意識するとしないとに関わらず、そこから形成されている。

ナイアガラ瀑布もやがて川に流れ落ち、静かな流れへと変わり穏やかに海へとたどり着く。
そこに、人生と同等のものを感じる。

Rise and Fall、上昇と下降、時の流れは止めることができない。


“Brendan's Isle”は、インターネットでフィオナが見つけた古写真、霧がかかった海から突き出ている岩石が露出したもの、から彼女が想像した物語。

詩のように、フィオナの声による物語の朗読が始まり、章と章の合間に効果音(海の音など)が流れる。
映像はなくても、目を閉じて静かにフィオナの声に耳を傾けると、脳裏に彼女が古写真から創造した世界を共有できる。
*英語による音読だが、受付で日本語訳を貰える。


“Hams and Helge”2011年は、他の2編と比較すると異質で、映像の美しさや日常を捉えている点は共通するところだが、記憶や時間を扱っている映像ではない。
トップブリーダーと思われる男性と育成している犬達が映し出される。男性は2人。
実はこの2人の男性は双子。
フィオナにその点を尋ねると、数年かけて双子のプロジェクトを行っていて、これはその中の一つとのこと。
映像は、双子ということを聞く前に観ていたが、まさか双子とは。。。男性2人は初老に達しており、外見では分からなかった。
フィオナは双子に関心があるというが、なるほど彼女がこれまで扱ってきたテーマを考えると、双子にフィーチャーするのも分からぬではない。
ただ、プロジェクトの全貌が分からないので、本作品だけを観ても、その意図を理解するのは厳しい。

フィオナの世界を十分に楽しめる内容だった。個展初日にはフィオナ・タン本人が在廊していたのは嬉しかった。
どこかの美術館でフィオナ・タンの個展を開催してくれないものだろうか。

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