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『預言者』 伊東宣明 個展 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 

「預言者」 伊東宣明 個展 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA  9月14日(水)~9月25日(日)
http://www.kcua.ac.jp/gallery/exihibition/1776.html

真っ暗な展示室に、ひじ掛けつきのソファがひとつ。正面にはスクリーンで片手首から下のクローズアップ映像が映されている。

伊東宣明の新作『預言者』は不思議な体験だった。

2010年にサントリー天保山ミュージアム「レゾナンス 共鳴」展で『死者/生者』を見た。
この作品については、 PEELERの高嶋慈氏が素晴らしいレビューを書かれているのでそちらを参照ください。
http://www.peeler.jp/review/1006osaka_2/index.html

今回の作品も高嶋氏が指摘する観点を踏まえて作品を体験してみれば良かった。
これは過去形。
最初に本作『預言者』を体験した感想は、なんだかよく分からないだった。
冒頭に書いた通り、ひじかけソファに腰をおろす、これが実に居心地が良い。
そして、目の前のスクリーンと会場に入った時から聴こえていた何者かの声がぴたりと一致していることに気付いた。

一体、これは誰の声なのか?作家?関西弁のくぐもった男性の声で、何を語っているのか聞き取りにくかったが、音声の内容に合わせて、スクリーン上の手が様々に忙しく動く。
手の動きは、影絵遊びをする時の形をイメージしていただくと良いだろう。

実際は約5分のループ映像の作品だが、ループと気付いたのは頭上から「カ、カ、カ!」と言った笑い声が聴こえた時だ。
この激しい笑いに対して、手の動きも激しく笑いのタイミングに合わせて動く。
音声は頭上直上に設置されたスピーカーから流れて来るので、ダイレクトに伝わる。


よく分からないまま会場を出ると、出た所に作家の伊東氏がいらっしゃった。
そこで、男性の声が自分を預言者だと思っている人で、聴こえていたのはその「預言者」による預言だと教えていただいたのだが、そうでなければ分からぬまま帰る所った。
作家は、預言者による預言を録音し、その声を聴きつつ手の動きでそれを表現することを試みた。
映し出されていたのは作家の手。
注:預言:予言とは意味が異なる。預言は神の神託を告げる意。当初、予言と記載していたものは修正しました。

さて、その仕組みが分かったところで、自身の体験を振り返ってみた。

音声が体験者(鑑賞者)である私自身の身体を通じ、手の動きに変換されている錯覚。
つまり、体験者が作品間、音声と映像との媒介、例えて言うなら霊媒のような役割を果たしているかのような。
鑑賞者自身の身体感覚が作品に入り込み、共振している。

上記に紹介した高嶋氏のレビューが本作にもあてはまるだろう。一部引用すると「作品自体が、内部に他者を導入し、他者との回路を開くことによって成り立っている。(中略)伊東の場合は身体や記憶に関わる問題である。」と高嶋氏は『死者/生者』を評されていたが、アプローチ方法を今回は身体的側面を重視しつつも、鑑賞者の内面、自我にまでアプローチしようとしたのが狙い。

確かに、この椅子に座り続けていると奇妙な恐怖感に襲われる。
自分がこの『預言者』に乗っ取られるような恐怖があった。だから、2ループ以上は座っていられなかった。
乗っ取られの恐怖を無意識下に感じたのだろう。だから、自己を守るために居心地の良いソファを離れた・・・のかもしれない。


瑣末なことなのだろうが、気になったのは本作がサウンドインスタレーション作品とされていること。@KCUAの本展概要に「サウンドインスタレーション作品」とされていて映像については触れられていない。

果たしてサウンドインスタレーションと言い切れるのか。

これは、鑑賞者によって異なるのではないか。私自身はまず映像に注意が向き、音声については笑い声で初めて映像から注意がそれた感じだった。
もし、サウンドインスタレーションとするなら、私の場合、作家の意図が上手く体験できなかったことになる。
また、出口で作家に出会わなければ、あの声が誰のもので何であったのかは分からないままだった。できることなら、もう1度座って確認してみたい。
*その後、当初は音声だけの展示予定だった所を、展示1週間前に映像を追加することになったため、@KCUAの概要修正がされていないと分かった。


帰宅後@KCUAのサイトに書かれていたのに気付いたが手遅れ。初めて作品に接する鑑賞者には、作家の意図する所を読み取るためのヒントが少なかったように思う。
注 : 現在は、簡単なテキストが置かれています。

1日経過しても、笑い声が耳に残り手の動きがまぶたに浮かぶ。
短時間ではあったが強烈な認識の無いまま憑依されるという不思議な体験だった。是非、鑑賞されることをオススメします。

伊東宣明さん公式サイト → http://homepage.mac.com/nob_ito/

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