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TAMA VIVANT II 「ただいま検索中」 多摩美術大学八王子キャンパス

多摩vivant

TAMA VIVANT II 「ただいま検索中」 多摩美術大学八王子キャンパス 9月21日~10月1日

・多摩美術大学展【学内展】会期:9月21日(水)~10月1日(木)9:00~19:00(日曜・祝日、最終日は17:00閉場)
会場:多摩美術大学八王子キャンパス 絵画東棟ギャラリー、情報デザイン・芸術学棟ギャラリー
・パルテノン多摩展【学外展】会期:11月25日(金)~12月4 日(日)10:00~18:00(最終日は17:00閉場)
会場:多摩市立複合文化施設「パルテノン多摩」特別展示室

出展作家:一色、今村遼佑、下平千夏、武田海、土屋裕介、冨田菜摘、海老塚耕一

多摩美術大学八王子キャンパスまで足を運んだのは、私が好きな作家さんばかりのグループ展だったから。
「TAMA VIVANT II」は海老塚教授のゼミ生中心になって企画・構成・運営するアニュアル展。

以下各作家さんの感想です。

・武田海(たけだ・かい) 芸術学棟
武田さんの作品を観たのは、2009年の東京コンテンポラリーアートフェアだった。和紙を素材にしたものにミシンで縫ったような糸目を施した彫刻。
素材の特異性もさることながら、造形的に素晴らしく、一目で気に入ってしまった。

今回の作品は、2011年の新作3点と旧作1点、計4点。
展示スペースは芸術学棟ギャラリーで、外光が窓から燦々と降り注ぐ中、窓辺に4体の彫刻が置かれていた。
いずれも女性像と言ってよいだろうか。

≪サクリファイス≫、犠牲は、人魚をモチーフにした彫刻で、胸部から血を流している。
血は、赤糸で表現されていて、身体全体には濃灰色の糸目が施される。
なるほど、人魚姫のお話は考えてみれば「愛」ゆえの自己犠牲とも言える。
とにかく、痛みか苦しみに悶えたように顔を大きく後ろに逸らせたポーズにまず吸い寄せられた。
最初人間かと思ったのだが、足元を見たら鰭だったので人魚と分かった。この彫刻、台座がなかったように思う。
≪Kissed≫も同様に台座がなかったと記憶しているが、いずれも全身像で高さは約140㎝あるのだがバランスが良いのかしっかりと立っている。

≪f7≫は、他の作品に比べ記号的なタイトル。
fは恐らくfemaleのfだと思うが、7は制作順なのかもしれない。
こちらは、極めてセクシーなポーズをした裸像で、屈んで下着を片足から抜き取る瞬間を切り取っていた。

斬新だったのは≪ミスユニヴァース斬り≫という少々物騒なタイトルが付された半身像。
これも赤と濃灰色の糸目、両方が使用されていて、造形的にも糸の使い方ももっとも大胆。それでもミスユニヴァースの立ちポーズをばっさりと袈裟切りしているのは、しっかり分かる。

4つの女性達に囲まれていると何ともエロティックでありかつ残酷な気持ちにさせられる。
いずれにせよ、4体による空間支配力はなかなかのものだった。
以前拝見した作品から更に人物像としての形が美しく、感情までも表出していた像、例えば≪サクリファイス≫も忘れ難い。

・下平千夏 絵画東棟
下平さんは。2010年東京藝大先端表現の修了制作展で初めて作品を拝見。この時、印象に残った作家さんのおひとり。昨年INAXギャラリーでの個展以来、3度目になる。
輪ゴムを使ったサイトスペシフィックな空間彫刻と言ったら良いのだろうか。
とにかく、展示スペース次第で輪ゴムをつなげた大きなうねりの形態も変わるため、毎回非常に楽しみ。

今回は、こちらも外光の差し込む窓辺上部に展示され、輪ゴムの広がりの中から、日の光が見えて、ぞくぞくするような感覚。輪ゴムとは到底思えないような造形。
ねじりの中に自分も吸い込まれそうな感覚があるが、輪ゴムがエネルギーの渦に変換されているかのよう。

・富田菜摘 芸術学棟
今回は、過去に東京ユマニテ個展で展示された≪さんざん待たせてごめんなさい≫。
これは、見逃したのでここで拝見できたのはラッキーだった。
新聞紙や雑誌などの紙媒体そのものを材料にして、その材料にしているメディアを読んでいる人物像。
再生された人物が、元になった紙媒体とともに再構築される彫刻だ。

ところで作品全体で≪さんざん待たせてごめんなさい≫というタイトルなのだが、個々の人物像には名前がある。
例えば、朝日新聞の高齢化記事を読んでいるのは≪菅井チズ≫とか。
記事に登場した人物名なのか?それとも架空の人物名なのか?は分からない。

富田さんは既存の大量製造されたものを使用して新たなものを創り出すが、この≪さんざん待たせてごめんなさい≫は、私がこれまで見た彼女の作品の中ではもっともリアルに現代社会に迫っている。

・今村遼佑 絵画東棟
現在、横浜トリエンナーレ2011横浜美術館会場に出展中。
今回は旧作中心で1点2011年作。
資生堂ギャラリーや横トリのような空間全体のインスタレーションの前段階の作品と言って良いだろうか。
セメントブロックや本を積み重ねたてっぺん、はたまた木材の端っこを利用して小さな小さな飛行機などのオブジェが配される。

気配や普段見ているのに意識として見ていないような景色を得られることの大切さに気付かされ、ありったけの注意力で作品を探すという点は、現在の作品に通じる世界。

・一色 絵画東棟
最初見た時は、版画かと思った。
しかし、近づくにつれて版画ではなく鉛筆画であることに気付いた。
何という濃密な黒であることか。
墨色に近い黒。
ここまで鉛筆の線を描き重ねるという途方もなく細かな制作活動の集積。
黒と白で作られた世界は静かで、作品からは精神性さえ感じた。

・土屋裕介 芸術学棟  *9月26日追記
≪これが全てでも≫2010年は、今年の3月の東京藝大卒業・修了制作展に出されていた作品だと記憶している。
作家さんの名前はなかなか覚えられない(加齢が原因だと思われる)けれど、作品の視覚記憶は強いらしい。

テラコッタ製の人物の表情が何とも言えない。口を半開きにして、自分の座席の向かい側にある空いた座席を瞳は見つめている?
空席にはその前に人がいたのだろうか。
相手は立ち去ってしまった後の光景のように思えた。
そんな物語が浮かぶ程、この作品が語りかける要素は大きい。長いテーブルのほぼ中央にはテラコッタ製の白い皿がぽつんと置かれているが、そこには何も乗っていない。
口を空いた人物は食べるものを求めていたのかもしれない。
「お皿の上に何か乗せて!食べさせて」。鑑賞者の妄想は尽きない。

長いテーブルは小さな長方形の木片を組み合わせて作られている。ここにもかなりの手間がかかっている。
一木でなく、敢えて金色の鋲を使って組み立てた作者の意図を感じた。
2脚の椅子とテーブルの長い脚の質感はとても緊張感があった。

・海老塚耕一 芸術学棟
海老塚さんは彫刻がご専門だと思っていたが、今回は平面作品≪転写された水-Sへの記憶≫を出展。
鉄錆を利用して布に染み込ませたものに、アクリル絵具で描画している。
タイトルがそのまま制作方法につながっている。
河口龍夫さんも同様に鉄さびを利用した平面作品を制作されているが、海老塚さんの場合は、アクリルの描画と鉄さびとの組み合わせ、それぞれの位置や色を含めた関係性が鍵となるように思った。

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