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神仏います近江 「天台仏教への道」 MIHO MUSEUM

miho

神仏います近江 「天台仏教への道」 MIHO MUSEUM 9月3日~12月11日
展示替えあり。作品リストはこちら。注:展示替えが多いのでご注意ください。

先に記事をアップした滋賀県立近代美術家は仏像をメインとしたテーマ・展示だったが、こちらは釈迦入滅から天台仏教の確立までの道のりという縦軸に長いスケールで展観。
本展に限定した話ではなくまMIHO MUSEUMの展示の特徴として、作品を決して置き過ぎないことが挙げられる。
それゆえ、一度に展示される作品数は50点から60点と少なく、展示替えが多いのも特徴。

信楽の本当に山奥にあるこの美術館への道のりは公共交通機関を利用するとJR石山駅からバスで約1時間。途中の山の景観は美しいが遠いと言えば遠いので、そうそう度々訪れることができないの。

以下展覧会構成とともに感想を。

■釈迦入滅
このテーマでは5つの作品が展示されている。
しかし、ぐいっとひきつけられたのは仏涅槃図(荒戸神社)室町時代。
涅槃図は仏教美術の展覧会ではよく出品される。タイトルそのまま釈迦入滅の時を絵にしたものだが、経典の釈迦入滅をもとにしてはいるが、絵画様式は自由にまかされているため、時代や描き手によって構図や縦長、正方形、描かれているものなどが異なっている。
それぞれ違いを楽しむのも素人にとって最初の鑑賞のポイントだと思う。とはいえ、複数の涅槃図が一度に見られれば比較は容易だが、今回は1点のみ。こういう場合は、面白いと思う部分を見つける。
会衆や動物たちの悲しみの表情はどうなっているか?摩耶夫人一行の位置は?
戴金、錐金などはどこにどんなふうに使われているか。状態は?などなど。
今回拝見した涅槃図は、中央やや右に満月がくっきりと描かれている。会衆や動物たちの数が非常に多く、画面下部に所狭しと並んでいる。
摩耶夫人一行も同じく通常より多く8名様であった。

■釈迦誕生の因果(過去仏、因果仏)
・「誕生釈迦仏立像」善水寺・重文・奈良時代
これは大きい。誕生仏も様々見たけれど、比較的小さなものが多い。善水寺の誕生釈迦仏は、さすがに東大寺のそれ(47センチ)には及ばないものの23.2センチとほぼ半分の高さ。東大寺誕生仏と姿形も似た印象を受ける。

・弥勒半跏像 百済寺・奈良時代
奈良時代と軽く書いてしまうが、奈良時代の仏像は貴重。こちらも像高は23.4センチと小さいが、僅かに大陸の雰囲気を残しつつ素朴な表情が印象的。特徴は顔の表情。

■大乗の菩薩と他浄土の仏
このコーナーは本展のハイライトのひとつで仏像が充実している。
・「観音菩薩立像」極楽寺 奈良時代・重文
・「吉祥天立像」 櫟野寺(らくやじ) 平安時代・重文
・「帝釈天立像」 正法寺 平安時代・重文
・「薬師如来坐像」大日寺 平安時代

他にもあるが、この4体が特に良かった。極楽寺の観音菩薩は法隆寺宝物館の観音菩薩に似ている。
吉祥天はどっしりとした体躯とふくよかな顔が実に良い。衣に僅かに彩色が残る。
帝釈天は、滋賀県近美でも気になっていた木目を意識して作られたような像。実は漆箔だったようだが、すっかり漆は剥がれている。特徴は絵門の表現。翻った袖や脚に沿ってドレープした衣がリアルに彫られている。

「薬師如来坐像」これがここでのベスト。漆なしの素地を活かした檀像。木目は細かい。非常に古い霊木でも使用したのだろうか。仏像の材になっている木の年月に思いを馳せる。一木造かと思いきや木寄せ法だとのこと。
やっぱり解説を読まないと一見しただけでは分からない。山岳仏教の遺品だが、滋賀近美両会場を見て、山岳仏教の信仰の地であった縁の品々が多い。


絵画では「阿弥陀二十五菩薩来迎図」新知恩院・重文・鎌倉時代
これは実に賑やかな来迎図だった。来迎図にも色々種類があるし阿弥陀二十五菩薩来迎図も涅槃図同様、経典の1シーンを描いたものだが、各人各時代で様式は様々。

二十五菩薩が琵琶をならし踊り阿弥陀を伴って来迎する。まことに華々しい。こんな来迎なら良さそうと古の人々も思ったのではないか。状態も良く、錐金も美しい。見ごたえがある。


■仏編満する宇宙
・「善財童子図」南宋時代・MIHO MUSEUM
南宋時代の墨画をさらりと出してくるあたりがこの美術館の美術館らしいところ。

■奈良時代の仏教
漸く奈良までたどりついた。
・「持国天立像」平安時代 MIHO MUSEUM・重文
邪鬼に注目。ものすごい表情で踏みつけられている。彩色もかなり残る、大型の持国天。昔はさぞかしピカピカだったのだろう。

・「千手観音立像」 善勝寺・重文・平安時代
記憶をたどれば、前記の持国天立像」と対面するように向かい合って展示されていたと思う。
像の表面が炭化していることから火災にあった仏像とのこと。よくぞ、くぐりぬけて今日まで。体躯は檜の一木造、顔は扁平な横長だが、表情は柔らかい。脇手などは後補だがそれ程時代は離れていないらしい。こちらも木目が美しい。

・「大般若経」常明寺・国宝
まず用紙に目が行く。料紙は黄麻紙。きっちりとした文字。文武天皇追善のため発願された「和銅経」の遺品。

■法華経
「法華経」は天台宗の根本経典とされた。西教寺の「法華経(重文)」は料紙の色違いを接いだ色紙経の優品。料紙好きにはたまらない。
紫、濃萌黄、薄茶、白、古の色、と言えば京都の染司よしおかさんを思い出してしまうが、日本の伝統の色の美しさ取り合わせの妙を堪能。もちろん裂箔などの装飾も施される。

■比叡山の最澄
・「薬師如来立像」衆生来迎寺・平安時代
あどけない顔が何とも言えない。思わずこちらもつられて微笑んでしまうようなうっすらとした笑みを浮かべているよう。銅像。衣の線や表現もゆるい。

・「如来立像」 若王寺・平安時代・重文
右手で衣を握っている珍しい木造一木。中刳りしていない。

・「大黒天半跏像」 明寿院・平安時代・重文
鎧を身につけ、左手に棒を持つ半跏坐像。武装している大黒天としては最古のものとして貴重。

■最澄以後、天台密教の隆盛
・「宝冠阿弥陀如来坐像」 香蓮寺 平安時代
・「黄不動尊像」 百済寺 南北朝時代
最後に黄不動を持ってくる所がいかにも滋賀らしい。黄不動と言えば、有名な園城寺根本像、秘仏で著名な黄不動を数年前に拝見したのが記憶に新しい所。
今回も5つの展示期間中ほぼ毎期単位で黄不動像が入れ替えとなる。全部で5つの黄不動像が入れ替わりでおでましになる。


企画展示室を出た後には、すぐ隣の展示室を見るのも忘れないように。
その小さな展示室には、飛びきりのコレクションが数点展示されている。
今回は、室町時代の「檜扇」。根来の瓶子に壁には木造の飛天、緑青の筒。古材をあしらって空間全体を古美術品でインスタレーションしている。

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