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「メタボリズムの未来都市展」その1 第4回ニッポン建設映像祭 森美術館

「メタボリズムの未来都市展」が森美術館で来年1月15日まで開催中です。
展覧会は、第2章まで見た時点で1時間半経過、非常に興味深い資料や展示物が多く、とても集中力が持たないので、再訪します。という訳で展覧会の感想は後日となります。

森美術館へ行ったのは、関連イベントとして10月17日(月)に開催された「第4回ニッポン建設映像祭-メタボリズムの未来都市特別編-」に参加するためだった。
面白そうなイベントだなと思っていたのに予約を失念し、twitterで開催を思い出した時には既に予約受付は終了していた。しかし、過去のイベントを思い出すと大体予約していても来ない方がいらっしゃるので、行けば何とかなるだろう、最悪立ち見でもと思って会場に向かった。

予想は上手い方に転んで、開始時間を5分過ぎても席は埋まっていなかったので、無事に座席を確保できた。

「ニッポン建設映像祭」はアンダーコンストラクション・フィルム・アーカイブ(UCFA)によるイベントで、2010年8月に大阪で記念すべき第1回ニッポン建設映像祭を開催し、今回で4回目を迎える。

ニッポン建設映像祭のサイトによれば、「ニッポン建設映像祭とは、20世紀という空前絶後の「建設の時代」を一挙に振り返る映像祭。万博、オリンピック、団地、ニュータウン、高速道路、超高層ビルなど…映し出される都市・建築の姿は、過去の遺物ではなく、未来へのメッセージ」とのこと。
詳細は公式サイトをご参照ください。→ こちら

今回上映されたのは、当初4本(1969年代制作2本、1970年代制作2本)の予定だったが、4本終了後、おまけとして特別に1本の追加上映が!冒頭と、前半2本の上映の後、UCAFの方から上映作品についての解説、見どころのレクチャーがあり、4本終了した後で、UCFAの活動をパワーポイントを使って説明して下さった。

追加されたのは、1970年2月4日に放映されたNHK制作ドキュメンタリー「ある人生 万博とび頭」であった。

これが強烈で、菊竹清訓設計の万博のエキスポタワー (Expo Tower)でとび頭として活躍された嶋田雪雄さんを主人公としたドキュメンタリーで、エキスポタワーの128メートルという危険な高所で、命綱も付けず陣頭指揮を取る姿をカメラがしっかりとらえている。撮る方も大変だったのではないか。
嶋田さんは82歳で平成7年に亡くなられたが、口は悪いが鳶職としてのプロ魂と技術は日本一であっただろう。
嶋田氏の「建築家は事務所で線引いてれば良いが、柱建てる奴がおらな、建物はたたへんで!」という言葉は非常に説得力があった。
この番組、エキスポタワーの建築現場映像として非常に貴重である一方、ニッカーボッカーと地下足袋で仕事以外も貫く嶋田氏が愛娘と2人連れだって買物する姿をバックにNHKアナが「鳶が鷹を産んだ・・・」と真面目に語りを入れるという、NHKらしからぬ番組であった。
(参考)NHKアーカイブス:http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2000/h000820.html

特別おまけ映像以外の4作品は次の通り。

・「かわった形の体育館-オリンピックのために-」 企画:清水建設 制作:岩波映画製作所 1964年 19分
代々木第一体育館(設計:丹下健三 施工:清水建設)の大屋根をさせる吊り構造、建設現場を撮影。

・「出雲大社庁の舎」 制作:大成建設 制作担当:産業技術映画協会 1963年 20分
出雲大社庁の舎(設計:菊竹清訓、施工:大成建設)のプレストレスト。コンクリートやプレキャスト・コンクリートといった最新の構造技術と伝統的な木の仕事、伝統と革新の現場が見事な映像。

・「カプセルマンション」 制作:大成建設 協力:日本映画新社 1972年、25分
中銀カプセルタワー(設計:黒川紀章建築都市設計事務所、施工:大成建設)のカプセルが滋賀工場で制作され、東京へと輸送、設置、内部の様子までしっかりとらえた貴重な映像。若き日の黒川紀章をはじめ関係者も登場。

・「EXPO OPERATION 大林組と万国博」 企画:大林組 制作:岩波映画製作所 1970年、28分
大阪万博で大林組が手がけたパビリオン工事を紹介。お祭り広場(設計:丹下健三他)の大屋根を地上で組み立てた後、38メートルの高さまでジャッキアップする。当時最先端のエアドーム構造を採用したアメリカ館の大屋根と2つの大屋根完成は手に汗握る迫力。

どの映像も通常工事関係者しか見ることのできない、建設現場がしっかと撮影されていて、基礎工事、配筋、柱組の美しさが模型では体感できない大きさと迫力で迫ってくる。
特に、60年代、70年代は建築技術の革新によって、過去に例のない難工事を工期にあおられつつ施工して行く現場の方々のご苦労が伝わってきた。

中銀カプセルタワービルのカプセル内部を実際に使用している様子(モデルケース)が撮影されていて、ベッドのヘッドボードに今は見る機会もなくなってしまったダブルのカセットテープセット、しかもメーカーロゴにしっかと「SONY」の文字が入っていたのには泣けた(泣いてないけど)。
カプセルタワーは、新しい都市の人々の生活方式も提案する画期的アイディアで、世界初のカプセルマンション。区分所有マンションとして利用されているが、設計趣旨とは外れるもののホテルとして利用することもありではないか。カプセルは交換可能だとしても、給排水管も交換できるのだろうか。全部のカプセルを交換する際であれば可能か。

メタボリズムを反映し、実際に建設された建物の完成した姿は模型や写真で分かるが、実際の建設現場はこうした貴重な映像がなければ我々の知らぬまま忘れ去られて行く。
設計者の名前は残るが、それを支えた工事に携わった多くの人々の尽力なしでは、建物は完成しなかった。
建設過程を見ると、最先端技術の導入とそれを実現させるための現場の努力、これが噛み合ってこそ建物として設計者の描いた理想が実現することを目のあたりにした。

その一方で、こうした建物は次々と取り壊され、例えばエキスポタワーは、万博終了後展望台としての利用者も減少し、最後は時代の遺物となり老朽化のため、2002年8月から2003年3月に解体されている。

戦後復興をかけて都市構想を描いたメタボリズムも時が経てば、数少ない実現した建物も既に失われ、近代日本建築の儚さ、メタボリズムが建築家を熱くさせた一過性の運動だったのかと感じた。
兵どもが夢の跡。

なお、アンダーコンストラクション・フィルム・アーカイブ(UCFA)は、建設記録映像を収集しています。
ご自宅や勤務先に古い映像テープやフィルムを発見したら、ぜひご一報をとのことです。
連絡先は上記、ニッポン建設映像祭のブログに掲載されています。

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