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アンリ・サラ 展「Anri Sala」 Kaikai Kiki Gallery 

アンリ・サラ 展「Anri Sala」 カイカイキキギャラリー 10月14日 – 2011年11月10日
http://gallery-kaikaikiki.com/category/exhibitions/solo_ex/solo_anri_sala/anri_sala/

1974年アルバニア生まれのアーティスト、アンリ・サラは、フランスでアートを学び、2001年ヴェネツイア・ビエンナーレでYoung Artist Prizeを受賞し、ベルリンを拠点に、多くの国際展への参加や世界各国の美術館での展示が続いています。

現在、東京都現代美術館で開催中の「ゼロ年代のベルリン ―わたしたちに許された特別な場所の現在(いま)」にも参加しており、先日彼の作品を拝見し、もっと作品を見たいと思った作家のひとり。

待望の今回の個展では、見事にその実力を見せてくれました。

映像作品は2011年制作の新作「Tlateloco Clash」含む3点とオルゴールやドラムを使った作品2点を使用した、インスタレーション空間を作り上げています。

まず注目すべきは新作「Tlateloco Clash」2011年(11分49秒)、「Le Clash」2010年(8分31秒)そして、最奥の展示室手前にあるスネアドラム乃作品「Doldrum」2008年はそれぞれ制作年も異なるが、3つが同期しあって、感覚という感覚が開かれるような共鳴を鑑賞者の中に呼び起こす。

2つの映像作品は手回しオルガンをモチーフにした作品で、Tlatelocoはメキシコの観光名所の名前だろうと思う。
メキシコの人々が、手回しオルガンを回す場面が、緩急をつけて編集され、そして何より視覚が捉えるのは手回しオルガンのキーとなる穴開きの楽譜(専門用語で何というのだろう)の形態だ。
この楽譜そのものが、音楽を視覚化し物質化されたもので、曲によって穴のあき方も変わり、楽譜そのものも変化する。
小さな長方形は、シーンが変わった時に映し出される、高層マンションと思しきビルの窓にイメージが重なる。
そして、途中オルガンが奏でる音楽とマンションの窓に見える明りの明滅が、リンクする場面があり、ゾクゾクするような感動を味わうことができた。

入口正面の和室で同時並行に上映される「Le Clash」もカラフルな建物の様子から同じくメキシコを舞台とする映像ではないかと思われる。この作品では手回しオルゴールを1人の男性が演奏しつつ、街を歩き進む。

手回しオルガンの音色と手回しオルゴールの奏でるメロディが物悲しく、切なく、それを奏でる人々の人生や生き方までもイメージさせる映像とともに鑑賞者を包み込む。
そして、忘れてならないのは、2つの映像作品の中間点に置かれたスネアドラムの作品「Doldrum」2008年。
このドラムが映像作品2つの上映が始まると、一定間隔で自動的にバチが動き、トゥクトゥクと小さな音を立て、オルガンとオルゴールの伴奏をしている。
何ともかわいい存在なのだった。

オルゴールとオルガンとドラムによる音の競演は、鑑賞者を別の空間に誘う。
そして、刹那に過ぎていくその至福の一瞬一瞬を移ろいゆく時間のはかなさを感じ、没入していくのだった。
音楽の構成要素である音符と楽譜の穴やオルゴールの針、それらは人の手を借りなければただの物質でしかない。
しかし、ひとたび人が関与することで、大きな感動を生みだす。

3つの作品との合奏はしないが、「No Window No City」2011年のガラスフレームをはさんだオルゴール作品は、二つの映像を結ぶ重要な役割を果たしていた。
この作品は、受付の方に申し出て、実際に鑑賞者が動かして音を奏でることができる。その時、鑑賞者自身も3つの作品との競演者となりうる。
映像から溢れるオルゴールなどの音楽と、実際に鑑賞者が作りだすオルゴールの音楽が、合わさった瞬間は2度と訪れることのない時間であった。
ガラスをはさんだオルゴールは場所と場所を結ぶ重要な鍵となり、音楽と空間というアンリ・サラの表現の発露としての役割を十分に果たしていたと思う。

2つの映像作品の同時上映の前後に、「Long Sorrow」2005年が単独上映される。
サクソフォンだと思われる楽器が奏でるメロディと演奏者の人生を重ねずにはいられない。

本当に、言葉にならない程の感動を味わわせてくれた。
アンリ・サラとカイカイキキギャラりー心から感謝を申し上げます。

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