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「油絵茶屋再現」 浅草寺境内

「油絵茶屋再現」 浅草寺境内 10月15日~11月15日 
午前9時~午後4時半 入場無料 会期中無休
http://gts-sap.jp/modules/ev_iap/index.php?page=article&storyid=13

「油絵茶屋」、何のこと?と思われる方も多いに違いない。

日本に「美術」という概念や言語が生まれたのは明治時代。美術の萌芽が芽生え始めたその頃、日本で初めて行われた油絵の展覧会場は、浅草寺の境内に現れた見世物小屋だった!
小学校でも、中学校でも教えてくれなかった美術史の裏側を紹介し、再現しているプロジェクトが、現代2011年11月15日まで、場所は同じく浅草寺境内にて開催されています。
題して「油絵茶屋再現」。
詳細は、是非浅草寺に脚を運んでいただき、そこで配布されている両面印刷の瓦版に、東京大学文学部教授:木下直之氏が「油絵茶屋と浅草寺について」寄稿されていますので、そちらをご参照いただければと思います。
どうしても、行けないという方は、是非、木下教授著「美術という見世物―油絵茶屋の時代 」(講談社学術文庫他)をお読みください。

日本の美術教育あるいは日本史で、油絵茶屋についても教えるべきだと思うが、見世物では体裁が悪いのか、はたまた風俗史扱いされたのか、事実は埋もれたまま今日を迎え、ようやく木下教授の著作によって一般に紹介されることになった。

今回のプロジェクトは美術家の小沢剛さん+東京藝大油画科のメンバーが主体となった油絵茶屋再現実行委員により、明治7年の五姓田芳柳、義松、2名の油絵による見世物小屋を再現したもの。
見世物小屋では、珈琲を供していたことから油絵茶屋と呼ばれていたとか。そんな初の油絵展覧会は、「美術」が生まれた上野ではなく「浅草」、しかも浅草寺境内を場所としていたのが実に興味深い。
当時の政府は、浅草に公園を作ろうとしていた。そうした都市政策?の一翼をも担っていたのかもしれない。
浅草寺という場所が明治時代、いかに重要な拠点とされていたかも知ることになる。

そして、その後浅草から上野へと「美術」の中心地は移行し、現代では更に六本木他へと拡大しているのだった。
浅草寺の後、見世物小屋は全国各地に巡回したというから、これも現代での展覧会の巡回とどこかつながっているのだろうか。

作品は全部で12点、これも当時の茶屋の様子が書かれた資料から、どんなタイトルの作品が描かれていたかを調査し、再現している。役者絵中心の展開で、縦長で絵看板のような大きさの作品を含んでいるのが特徴的であった。

入口で前述の瓦版を受け取り、奥へと入って行く。
入口を入って全てを見渡すことはできず、くねくねと奥へ奥へと進んでいくのが面白い。次に何があるのか分からないという所がポイント。
ホワイトキューブ中心の現代における展覧会との違いに思いをはせる。

明治7年の際には、油絵の説明をする口上があったそうで、今回は1日だけ口上をするパフォーマンスも行われた。
残念ながら、このパフォーマンスは見逃してしまった。
どんな説明で語り口だったのかだろう。

今回再現された油絵は、有志の制作スタッフの皆さまが1人1点担当され、絵画の横に役者の名前と作家からの一言(短いの長いの様々)が添えられている。
既にお名前を知った作家さんが多く、従来の作風を知っているだけに、再現された油絵はかなり個性や自身の作風を抑制し、再現することに努めておられるのが良かった。
やはり、皆さん非常に筆達者でいらっしゃるので、上手い!

江戸時代、高橋由一らによって漸く幕開けとなった日本人による油絵は、こうした見世物小屋の体裁をとって、初めて庶民に伝わっていたことが非常に面白かった。
好奇心をくすぐる見世物小屋には口上もちょっと新しい趣向として珈琲だって提供したという訳で、実に日本らしいではないか。
上から西洋美術がど~んと乗っかって来たものの、その受容の仕方があまりにも日本的だし、当時の世相をよくあらわしていると思った。
見世物小屋は用意されたが、油絵茶屋再現にはお客の存在が欠かせない。
何だ何だと除き込み、狭い茶屋の中に吸い込まれたら、私自身も周囲のお客さんも皆再現スタッフの一員であり、構成要素のひとつであった。
茶屋にある役者絵を見ながら、入れ物が立派な箱になり、味もそっけもなくなったけれど、明治も現代も、日本人にとっての油絵、「美術」という存在は存外変わっていないように思う。

ところで、前述の木下教授の著書では、油絵の前に「生人形(いきにんぎょう)」を使った見世物小屋が当時人気だったという。松本喜三郎は当時、生人形師としては国内トップ、人体標本の制作まで依頼されていたというから凄い。
一度、生人形も見たいと思っている。

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