スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎」 サントリー美術館

南蛮美術

「南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎」 サントリー美術館 10月26日~12月4日
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/11vol05/index.html

今、東京で観ることができる古美術系展覧会でイチオシがこの「南蛮美術の光と影」展。

行くまでは数年前に同じくサントリー美術館、大阪市美へ巡回した「BIOMBO」展と同じような内容だろうと思っていた。
ところがどっこい、本展鑑賞後に「BIOMBO」展図録を確認したが、確かに出展作品で重複するものは何点かあるけれど、こちらは「南蛮美術」にだけ的を絞った点がそもそも異なっていた。確かに屏風は南蛮美術の重要な一翼を担っているが、本展では、屏風に限らず聖母図、聖龕、聖人肖像画などなども多数出展されている。

第1章 はるかなる西洋との出会い
ここでは、南蛮屏風の名品+万国人物図、合計11点が一同に・・・と書きたい所だが、そうは問屋がおろさず4つの会期に渡ってバラバラと。中には神戸会場のみ展示作品が3点あり。11点は2回行けばほぼ観ることが可能。
中でも、伝狩野山楽、狩野孝信筆の南蛮屏風2点はそれぞれ、細部まで細かく描かれており優品だった。他に宮内庁三の丸尚蔵館や文化庁保管など、なかなか出展されていない南蛮屏風も珍しくどれも当時の様子を知る貴重な作例だった。

第2章 聖画の到来
いよいよ日本に聖画がイエズス会によりもたらされる。
「ポルトガル国インド副王信書」は版画?が周囲を彩る貴重なもの。信書の下に下がるひも状のものも古過ぎて固まっていたが当時のままなのだろうか。
「悲しみの聖母図」「聖人像」「人物像」など、西洋画が日本に初めてもたらされたのは、既に16世紀後半のこと。
これを当時の日本人はどのような気持ちで見つめたのかが非常に関心のあるところ。
日本画とは明らかに異なる画材、支持体で描かれた祈りの対象。
そして、これらの聖画を自分たちの手でやがて描くことになる。日本の油彩原点は17世紀初期にあったのではないか。

第3章 キリシタンと輸出漆器
来日した宣教師たちは、日本の高度な技術で作られた漆器に目を付ける。蒔絵コレクションと言えばかのマリー・アントワネットの漆器コレクションは凄かった。あれも、サントリー美術館で拝見したのでした。
西洋の人々は蒔絵が大好きなようで、せっせと国外輸出を始め、そのための漆器類制作を命じる。
IHS、イエズス会の紋章入りのものは当然として、「秋草洋犬蒔絵絵箪笥」など、琳派と西洋が融合したような不思議な図柄のものまで登場。

第4章 泰西王侯騎馬図の誕生と初期洋風画
いよいよ、本展のハイライトである泰西王侯騎馬図屏風の揃い踏み。
サントリー美術館所蔵のものは四曲一双。神戸市博所蔵品は四曲一隻。
この屏風に使われた顔料を科学的に分析し、X線照射をして得られた最新の研究成果をもとに、同屏風の謎に迫る。
2つの屏風の金箔では金の含有量が異なるとか、胡粉だけでなく鉛白も使用されていたとか。
しかし、材料云々より、まずはここの描かれた馬の表情や躍動感、人物の顔や着衣の表現などに注目したい。
また、両屏風は元々会津藩伝来のものだが、その後所有者が変わったため表具や金具の差もチェックしたい。
日曜美術館で特集されたので、TVをご覧になった方はよくお分かりかと思う。

泰西王侯騎馬図屏風は名品中の名品だが、それだけではないのがこの展覧会の素晴らしいところ。
個人的には第1期に出ていたMOA美術館の「洋人奏楽図屏風」、満福寺の「泰西王侯図」、香雪美術館「レバント戦闘図・世界地図屏風」(これはBIOMBOにも出展されていたと思う)など、珍しい洋風画屏風が沢山。
ここにおいて、日本人、恐らく日本人宣教師らが描いた国内初の洋風屏風が誕生する様を知ることができる。

第5章 キリシタン弾圧
しかし、日本の政権は安定せず。織田から豊臣、そして徳川へと時代が変わり、キリシタンの弾圧が始まる。
政権交代程、当時の外国人宣教師にとって怖いものはなかっただろう。
日本史教科書でみる板踏絵、真鍮踏絵、更に弾圧の様子をありありと表現するのはイタリア内務省所蔵、マカオ伝来の「長崎大殉教図」2点と「日本イエズス会士殉教図」の凄惨たること。
稚拙な表現ながら、淡々として見えるが実は凄く恐ろしい状況。斬首の様子はリアリティありすぎ。

第6章 キリシタン時代の終焉と洋風画の変容
聖画として伝わった西洋画が日本国内でやや形を変えながら洋風人物図になっていく様を紹介。
ご存知「聖フランシスコ・ザヴィエル像」に「老人読書図」「達磨図」など、モチーフが聖画でなく宗教を超えている点に注目。キリスト教に達磨像はない筈。

第7章 南蛮趣味の絵画と工芸
最後はこうした南蛮美術がもたらした南蛮表現の在り方をめぐるもの。
「観能図屏風」「花下遊楽図屏風」に始まり、「南蛮人喫煙図柄鏡」「色絵うんすんかるた香合」「南蛮胴具足」などなど。
個人的には南蛮人の燭台がインパクトありました。

本展は、この後4月に神戸市立博物館に巡回します。
図録は掲載論文6本?だったか2500円。神戸でもう1度観たいです。

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。