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小瀬村真美 「闇に鳥、灰白の影」 ユカササハラギャラリー

小瀬村真美 「闇に鳥、灰白の影」 ユカササハラギャラリー 10月29日~12月3日
http://www.yukasasaharagallery.com/exhibitions/index.html

artist Website → http://www.db-beam.com/mk-works/j/

小瀬村真美さんの4年ぶりとなる個展を拝見した。
今回は映像インスタレーション作品「Frozen」(20min.)と写真ドローイングを展示。
写真ドローイングは、先日京橋で開催されたヴィラ・トーキョーで初めて拝見し、今回展示されていたのも同じレースのシリーズだった。

さて、写真ドローイングはひとまず脇に置いて、ここでは映像インスタレーション「Frozen」の感想を。

壁のスクリーンは恐らく白い布だろうか?映像サイズ以上の長さで床に設置している。下方に垂れさがる布を見ながら、なぜスクリーンを床に広げたのかを考えることになった。
スクリーン前には折り畳み椅子が2脚。
到着した時には、ちょうど小さな染みが少しずつ広がりを見せ始めた時だった。
しばらく画面を見つめる。
徐々に黒い染みが少しずつ、茶色になったり濃紫になったりして、色面を広げていく。ごく僅かな動きでうっかりすると、どこが広がって行くのか見逃してしまう。
そして、上方からザーザーという波音のようなものが聞こえ始めたが、これは映像のサウンドなのか、はたまた隣接する首都高速を走る車の音なのか判断できなかった。帰り際に、ギャラリーの方に確認したら、映像サウンドとのこと。
とすれば、やはりあの音は打ち寄せる波の音だったに違いない。

そうこうするうちに、黒い染みはどんどん広がって行き、スクリーンの半分程の大きさになる頃、画面中央に島影が見えて来た。「ん、これはもしや?」。島影はやがて本当の島もしくは岩になって眼前に登場。大小大きさが異なる岩が3つ程見えて、黒い染みだと思っていたものが、今度はうっすらと消えていき、海面に変化していくではないか。

黒の靄は雲のようにも濃霧のようにも見え。魔界が現実界になって眼前に現れたかのような、白昼夢を観ている心持がした。
そして、すっかり海と岩の風景がはっきりと現れたその時、1羽の海鳥が飛び去って行く姿が見え、やがてその姿が別の右側にあったスクリーン(存在にその時迄気付かなかった)へと移行、鳥はスクリーンからスクリーンへと渡って行った。

制作技法についてはギャラリーサイトに掲載されているが、以下一部引用させていただく。
和紙にジークレー・プリントで印刷されたイメージの上に水彩で加筆されたドローイングは、これまでの小瀬村作品同様、時間のながれに着目したものになっており、2007年発表のイングジェットでプリントアウトした架空の風景写真のインクを溶かして再撮影した作品 「Under Water」がベースになっています。

染みのようなものはインクを溶かしていく過程で発生したものなのだろう。

大元は写真、これに彩色を加え、更にそれを溶かして膨大な量のスチール撮影、そのコマ撮り画像をアニメーション同様につなげて映像化している。

作家もステートメントで述べているように、写真として過去の時間を留めた像が再び新たな時間を追加され復元してくる。
先週まで、馬喰町のギャラリーαMでは「風景の再起動」と題した個展が開催されていたが、小瀬村の作品は「時間の再起動」とも同じく「風景の再起動」いずれにもあてはまる作品だった。

おびただしい時間の集積は、コマ撮りされた写真1枚1枚の積み重ねと比例し、その時間を追体験する鑑賞者は、作家の描いた時空の中に取り込まれる。
知らず知らず、時の物語に入り込んでみると案外居心地の良い世界だったのは、好きな水墨画の境地を感じさせたからかもしれない。

素晴らしい映像インスタレーションだったが、併置された写真ドローイングとの関係性が分からなかった。関係ない2つのシリーズであれば、単純に隣接させない方が良いのではと思った。

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