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内海聖史 『シンプルなゲーム』 void+

内海聖史『シンプルなゲーム』 void+ 11月11日(金)~12月10日(土)
http://www.voidplus.jp/satoshi-uchiumi-simple-game/

内海聖史(うちうみ さとし)さんの個展、今年の4月のギャラリエANDO(渋谷)「さくらのなかりせば」に続き、本年2度目の個展開催です。
作家プロフィールはこちら

本個展では重要な命題があった。
「完璧なホワイトキューブでの個展機会を得ることになった。画家として、作家としてどうするか?」

直球ど真ん中で行くか、カーブでかわしてみるか、制約のない展示環境を得られた時、如何にその空間を活用するのかことに真摯に考えた結果を本展では見せてくれている。

通常の個展では考えられないような開催期間中週に1回の展示替えが行われる。
メイン会場の真っ白なほぼ立方体のような部屋は天井に照明がなく、邪魔な柱も梁もない。
そして、サブ会場に応接セットがあるスペースの最奥壁面があてられている。
この2つの展示スペースを1軍と呼び、応接セットのあるサブ会場の他の壁面には、出番を待った控え投手さながらの作品達が置かれていた。

様々なプランが泉のごとく湧出た結果、今回は上記のような週1度の展示替えを行い、作家は「絵画とは何か」を思考しつつ、非常に実験的かつチャレンジングな展示を見せてくれた。

星型のキャンバスに描かれた絵画を観たことがあるだろうか?

私は本展第3週目に≪Star≫と題された赤ベース、青ベースの星型キャンバスに描かれた作品を観た。
矩形の壁面にピタリと展示された≪Star≫は、これまでの作品とは違って、色よりもキャンバスの形に意識と注意が観た瞬間一斉に流れ込むのがよく分かった。
私の中での絵画の形、固定観念は基本的に矩形、あっても円形キャンバスくらい。少し前にWAKO WORKS OF ARTで、矩形キャンバスの下部が詰め物か何かで両脇こぶのように膨らんでいたのを覚えている程度。

固定概念を超越した星型(五茫星)は、単独でのフォームの意味合いを考えてしまった。そして、フィールド自体が意味を持ち始めた途端、私の関心は色彩から遠のき形へと向かう。
それによって、これまでの作品の見方と明らかに違う信号が脳内に発信されていた。

これも作家にとっては想定済みのこと。
分かっていながら、敢えて鑑賞者に「星型キャンバスでの作品はいかがでしょう?」と問い掛けられているような。

元々絵画は洞窟壁画から始まり、建築空間、展示空間に合わせて、基本的に矩形キャンバスを使用するのが一般的。
12月9日の「アーティスト・トーク」内海聖史 x 笠原出(美術家)、中村ケンゴ(美術家)、松山賢(美術家)は、対談相手の絶妙な突っ込みと質問が上手く噛み合って、面白い内容だった。

トークの中で、「内海さんの作品は作家の内部からではなく、展示空間は言うまでもなく季節感を考慮した、古典的技法や考え方を軽さをまとうように提示」という中村氏はじめ作家以外の3名の方々からのコメントがあり、納得が行った。
ストイックなまでにシンプルな技法ではあるが、非常に手数のかかる作業は表に見えないように、完成作は軽やかに鑑賞者の前に登場する。


そして、作家の関心は色、絵の具、その材料となっている顔料にある。
好例となる逸話があり、ヨーロッパなど諸外国のオールドマスターや名品を前に出た感想は、「絵の具の色がいい。」!
とコンセプトやストーリー性はみないということに驚いた。

この作家にとって絵画とは色を見せる、色を感じてもらうための装置なのではないか。

個展初日に絵の具のお話を伺ったところ、同じ色番号でもメーカーが異なっただけで色のニュアンスが変わる、その絵の具の色の違いを利用して色のグラデーションが制作されている。

衝撃の星型キャンバスを見詰めつつ、視線がキャンバスの中をさまよう。

星の中には綿棒を押すことで作られた無数の点が何ものにも見えないように注意深く構成された画面で輝く。

気が付いた時には最終周。
ゲームにはまると時間の経過になかなか気付かない。
チャレンジングな作家の掌の上でころころと転がされた自分に気付いた。

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内海聖史『シンプルなゲーム』

void+では内海聖史の個展を11月11日(金)~12月10日(土)まで行います。「シンプルなゲーム」と題された今回の展示では、会期中毎週作品を展示替えし、新作7点を発表します。 「絵画の美しさは絵の具の美しさ」と常に語る内海の作品は、筆や綿棒で点描することによって?...

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ぐっぴー様

コメント有難うございます。
レスが遅くなり申し訳ございません。

か、格調高いなど、滅相もないです。
少しでもお役に立てれば幸いです。
内海さんの個展、実験的で楽しめましたね。

No title

こんばんは。
いつも丁寧で格調高いレポートを楽しく拝見しております。
内海さんの個展は、2週目にうかがいました。
とってもシンプルですが、いろいろなことを考えさせられました。
同じ展覧会を他の方が見るとどう感じるのかを知るのも
大変勉強になりました。ありがとうございました。
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