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「アートとブックのコラボレーション展―出会いをめぐる美術館の冒険」 うらわ美術館

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「アートとブックのコラボレーション展―出会いをめぐる美術館の冒険」 うらわ美術館 11月23日~1月22日

うらわ美術館の恒例アートブックの展覧会が始まっています。
2009年の同時期に開催された「開館10周年記念オブジェの方へ-変貌する「本」の世界-」展で同館のアートブックコレクションに魅了され、毎年開催を楽しみにしている企画。

今年は、北九州市立美術館と組んで、うらわと北九州各館のコレクションを展示することで、違った側面からコレクションを観てみようという試み。
さんざん、国内各地の美術館へ行っているが、北九州市立美術館は分館ともどもいまだ未踏の美術館だが、何と7000点もの所蔵品があるとのこと。対するうらわ美術館は、アーティストブックや本のオブジェに主眼を置いたコレクションで約1000点。1000点では、さすがに長年続けていればマンネリ感も出てしまうことだろう。

本展は、うらわ美術館の後、来年5月に北九州市立美術館に巡回する。それぞれの地で、他館のコレクションと一緒に展観することで、馴染み深いコレクションも違って見えて来るのではないだろうか。
キーワードはA(Art)、B(Book)、C(Communication)、ABCである。本のページを繰るように展覧会を追ってみよう。

序章:出会い 類似と相違、相関関係からみえる、もうひとつの光
いきなり、カウンターパンチが。
最初に登場するのは、北園克衛(彫刻家:橋本平八の実弟)著『サボテンの花』。装幀は、恩地孝四郎。
この装幀原画を北九州市美が所蔵し、1938年の初版本をうらわ美が所蔵している。ついに2点が初対面となった。
これ、見ただけで嬉しくなる。
あぁ、良い企画だなと。そして、この思いは最後に向かうにつれ強くなるのだった。

駒井哲郎の版画も好きだけれど、ここでは省略。次に、控えていたのが加納光於のオブジェ2つ。作品タイトル《アフラットの船あるいは空の蜜》1971年~72年。2点tろも同じタイトルで、ほぼ同じ大きさであるが、内部にあるものが全体サイズ同様微妙に違う。
奥に、大岡信の詩が書かれたものが入っているが、内部を破壊しないと取り出すことができない仕組み。
作品性もおもしろいが、もっと興味を惹かれたのは、各館での作品分類の違いである。
類似の作品にもかかわらず、うらわ美術館ではブック・オブジェ、北九州市立美術館では彫刻で分類保管されている。
過去に、京近美で「マイ・フェイバリット展」が開催され、分類をキーにした展観であったことが思い出された。
加納の作品分類によって、両館の考え方、特色がよくあらわれていた。

また、ここで加納光於の作品が気に入り、銀座の東京ユマニテで12月21日まで開催中の加納の古典「地平の蜜蜂」を見てきたが、オブジェは3点、うち箱物は非売品の1点だけ。平面もおもしろかったが、強く心惹かれたのは箱のオブジェだった。最下部に絵の具が残った金属のパレットナイフが置かれていたのが忘れられない。

第1章 読む 読めない本を読む。文字ではなく作品を読む。
本といえばまずは読むものだろう。しかし、ここで登場するのは文字がない本である。
いきなり、ここから上級レベルの思考が要求される。

・・・と私の好きな安部典子さんの作品が2点。《Liner-Action Cutting Project11-23》、《Through the Edges》いずれも2003年の作品を見つけた。傍らには福田尚代さんの作品も3点、こちらもおなじみ。
安部さんは本をカッティングして切り抜く、福田さんは文庫本などの本の紙面を支持体として文字に刺繍を施している。意味をもつ文字を消してしまうというのがこの2人の作品に共通していた。

更にはもっとも追いかけ中の山口勝弘《Liber Liber》1975/2001
鏡を外側に貼り付けた本型のオブジェ。これを脇に抱えて街に出かける。歩くたびに鏡に周囲の人々や街の風景が映り込む。文字以上の視覚情報がそこで明らかにされていた。山口勝弘はすでに2011年の今現在取り組んでいることを35年前にやっていた。先見の明としか言いようがない。生まれてくる時代が早すぎたのが残念。

村岡三郎も河口龍夫の本の形をした鉛の本と鉄の本。彼らは本来、本の素材としては考えられないものを使って作品化されている、今ここで物言わぬ作品達が何か働きかける日を待つとしよう。

第2章 報じる 本はメディアである、残るメディアである。
本にもいろいろあるが、書籍からちょっと離れて、活字メディアである新聞や雑誌を取り上げる。
サブカルチャー的な資料が満載。明治の宮武外骨、赤瀬川原平の『櫻画報』シリーズ。などなど。

第3章 編む 本には始まりがあって終わりがある。編み方次第で物語が変わる。
版画集を編集面にフォーカスし展観している。珍しい試み。
シャガール、ピカソ、マティスの版画集をプロデュースした人物は誰だったのか。展覧会を見れば分かります。
が、私のイチオシはディーター・ロートの作品集を複数見ることができたこと。
ディーター・ロートの回顧展をいつか見たい。彼が手がけた本がずらりと並ぶ風景はさぞかし面白い光景になったのに登山年。

第4章 開く むしろ閉じた本に、込められた思いと未来を感じる。
うらわ美術館所蔵の《具体-インターナショナル・スカイフェスティバル》の作品を主眼にして、北九州市美の具体派作家の作品を1人1点紹介している。
ほかにここでは、ソル・ルゥット、デュシャン、ウォーホルにフルクサスのジョージ・マチューナス、メル・ボックナーの写真やアメリカニューペインティングのバスキア等々、ポロックやそれに続くカラーフィールドペインティング以後のアメリカ現代美術の流れを概観できた。


図録は、本展にあわせて、両館のコレクションを各々分けて中央で観音開きさせる凝った作り、なのに1800円は驚きの安値。中の作品写真も美しくデザインと写真に惚れて買ってしまった。。手に手間をさせること、紙の質感、香りなど、ネットではなかなか味わえない感触で、その感覚を忘れないようにしたい。

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