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大坂秩加 「良くいえば健気」 GALLERY MoMo 両国

大坂秩加
「兎に生まれて亀の皮を被る」2011年
acrylic, watercolors, colored pencil, chalk ground on hemp cloth and panel
90.0 x 300.0cm


大坂秩加 「良くいえば健気」 GALLERY MoMo 両国 11月12日~12月10日
作品展示風景(ギャラリーのブログ):http://artmomo.exblog.jp/17148630/

既に会期を終了してしまったが、大坂秩加さんのペインティングによる初個展「良くいえば健気」の感想は書いておきたかった。

毎回思い出から始まってしまうのは悪い癖だけれど、大坂秩加のペインティングを初めて見たのは2009年スパイラルの「ULTRA002」だった。
どういう訳か、その時の作品をあまりよく覚えていないのだけれど、非常に線が美しい作家さんだという印象を持つ。
オーナーからは、版画専攻でペインティング作品は初めて・・・というお話を伺ったというのが朧気な記憶。
昨年、銀座のシロタ画廊で初個展が開催されたがそちらは版画作品のみ。

版画ももちろん良いのだけれど、彼女の美しい線が版画だとどう頑張ってもわずかではあるが太くなってしまう。
彼女の場合は、とことんペインティングを見たかった。

そして、待望のペインティング中心の個展。
水彩、ドローイング、版画含めて約15点。圧巻なのは、個展DMにもなっている《兎に生まれて亀の皮を被る》2011年で、90.0 x 300.0cmという横3mの大作である。
聞けば、夏休み中、大学校舎が節電のため冷房が入らないため、両国のギャラリーでひたすら制作に励んでいたと言いう。

今や、彼女の作品のトレードマークと言っても良いだろう、大根足?が見事にウェーブのような形を形成しており、なぜか浴槽の縁からはローブが垂れ下がっていたり、リボンや布が垂れていたりとブラックな小道具も大坂流。

緻密な描写はますますさえて、銭湯の壁のシミやカビ、そしてモザイクタイルの間の黒ずみ、はては、水風呂コーナー?のみ丸石の浴槽で、石の配置と色の再現がリアルすぎる!
右端に転がっている小さな風呂桶が、そこはかとなく悲しい。
銭湯と言えば、富士山のペンキ絵。これはあまりに上手すぎると逆にリアルさを失うため、あえて手癖を押さえて、ぺたっとした富士山ペンキ絵で舞台道具は準備万端。

ところで、今回の個展での新作は、彼女が観た夢をモチーフにしている。
この個展に合わせて、個展カタログ子『大坂秩加 良くいえば健気』を限定300部で発売。その中に収められているのは、作品画像だけでなく、作品1つに対して1編の文章が寄せられている。
この文章が作家性というのだろうか、本人の個性を表しているように思ったが実の所はどうなのだろう。
夢で見たお話をショートエッセイとしてまとめているのだが、ちょっと詩的なものもあるが、等身大の20代女性の日常や心境を垣間見ることができる。

気になったのは、出展作品のうち《兎に生まれて亀の皮を被る》で観られるような緻密な背景描写、ディテール再現の作品もあれば、粗いタッチで背景を1色か2色でベタ塗りしている、例えば《私はまだ、よく分かりません》といった作品もある、
作家によれば、場所を特定したくない場合にこの背景テクニックを使用しているとのこと。タッチの粗さで場所の特定、不特定性を出すのは難しい。

大坂作品に共通する、ちょっと暗くて不気味な感じと、あっけらかんとした20代女性の感性が共存している点がとても面白かった。

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