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後藤靖香 「床書キ原寸」 名村造船所跡地 クリエイティブセンター大阪

床書き

後藤靖香 「床書キ原寸」 名村造船所跡地 クリエイティブセンター大阪4階 11月23日(水)~12月23日(金)
後藤靖香さんのHatena Diary:http://d.hatena.ne.jp/yasuka510/20111201

年内に関西へ行くつもりはなかった。
でも、11月の関西遠征後、名村造船所跡地の製図室と呼ばれるスペースで後藤靖香さんの新作展示があると知り、一旦は諦めたものの、評判を耳にしてやはる行くことにした。

後藤さんの作品はもちろんだが、何と言っても場所性が魅力だった。旧造船所の製図室で後藤さんの作品。
どんな場所なのか、そしてそのスペースに後藤さんの作品がどう向き合うのか、これは画像などではだめで、やはり自分の目と身体で体感したいと強く思ったのだった。

最寄駅は地下鉄四ツ橋線の北加賀谷駅。
加賀などとつくと、てっきり石川県なのか?と誤解しそうだが市内でも海に近い場所になるようだ。
駅から徒歩8分くらいで、旧名村造船所跡地に到着。
敷地内に、内海が注ぎこんでいるではないか。そうか、ここで船を造ってそのまま沖へと出航したのだろう。あり日の姿が浮かぶ。
外階段を上がって、目指す会場は4階。
入った所は、想像以上にだだっ広い空間だった。何しろ60m×20m=1200㎡の大空間。
受付にはボランティア、それとも大阪府の方だろうか?男性がお二人いらっしゃった。なぜか観客は誰もいない。
今回の展示は「おおさかカンバス推進事業」の一貫なのだが、どうも大阪府外での告知が足りないようで、私もtwitterで初めて知った次第。「おおさかカンバス推進事業」とは、大阪のまち全体をアーティストの発表の場として「カンヴァス」に見立て、大阪の新たな都市魅力を創造・発信しようとするもの。専用サイトもしっかり開設されています。:http://osaka-canvas.jp/
なお、この事業大阪府主導です。

前置きが長くなりました。
名村造船所は、造船不況により大阪から佐賀へ移転、その後は日本橋梁株式会社が一時的に原図場として使用していたとのこと。床には、橋梁設計の跡が沢山残っています(下画像)。ひとつの設計が終わるとペンキを塗って、その線を消す。そしてまた設計図を書く、ペンキで消すの繰り返し。この床には船の設計図も間違いなく眠っている。足元に造船の歴史が眠っていると知って、それだけでわくわくしてきました。

橋の設計図

受付で、後藤靖香さんお手製の解説文(A41枚)に「床書き原寸とは・・・」や上記のような会社の歴史、設計にあたっての専門用語、作品に描かれている人物や小道具の説明など、イラスト入りで詳細に案内されています。
この案内文、保存決定です。
また、関連資料となる造船所時代の古写真なども沢山受付に展示されていて、当時の様子を知ることができました。
なるほど、なぜ床書キであって、床描キでないのかが腑に落ちます。

そもそも、ここに来るまで船の設計をCAD発明以前にどうやって行っていたのか、また船を造る手順など、まるで知らなかったので、目から鱗がポロポロと落ちていく落ちていく。

こうして、船の設計についてちょっとお勉強した後に、後藤さんの大作2点と改めて対峙します。作品画像は上記の作家さんのブログに掲載されています。
後藤作品の特徴である黒く太い、力強い描線は健在。キャンバス布を支持体に、裏に木枠なしで帆布のようにぶらさがっています。敢えてここは帆布を支持体にしても良かったかもしれません。

写真で見た原図工の方のポーズがややオーバーアクション気味になっていたり、人物の目線が、ドラマティックになっているなとか、写真そのままではなく、彼女なりにイメージを起こして絵画化しているのだとよく分かります。
人物だけでなく、バッテンと(実物大スケールの線を引くための木製または竹製の長い棒)の厚みやたおやかさ、留釘(バッテンを固定するための釘)の存在感などが目の前にド迫力で迫ります。

原寸ではなく、人物も釘もバッテンも実際より大きくなっているのも後藤流。

後藤靖香さんは広島県のご出身。祖父にあたられる方が特攻隊員で戦争の話をよく聞いていたとか。そんなこともあって、戦争画モチーフの作品で評価を得た作家さん。彼女の描く人物は坊主頭が多いのですが、今回は頭髪がある!
広島の軍港と言えば呉、呉も造船で栄えた街です。
今回の制作にあたり、呉近辺の造船所に見学に行ったりとリサーチもしっかりされた成果が、解説文や作品に現れていました。
そして、1200㎡のスペースに負けない平面作品は彼女なくしては難しかったでしょう。
慾を言えば、あと2点、両面から拝見したかったです。

4階からの景色を眺めつつ、海は呉にもつながっている。もしかすると、名村造船所で造られた船が、祖父の方とも縁があるやもしれないなと想像しながら、会場を後にしました。

海

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