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「画家 岸田劉生の軌跡」 刈谷市美術館

私は岸田劉生の作品が好きだ。
美術鑑賞の道をたどり始めた頃、クレーの作品を見に東京近代美術館へ行きました。
そこで、劉生の「道路と土手と堀(切通しの写生」に目を奪われたのです。何と言う迫力。
それまで日本人の描く洋画に全く興味はありませんでしたが、同時に出会った古賀春江と共に、以来私の好きな画家となっています。

刈谷市美術館は、県内在住にも関わらずしかも育ちは西三河!なのに、初めて訪れました。
これまで私の興味をひく展覧会がなかったというのが理由ですが、もしかすると見落としもあったかもしれません。

「画家 岸田劉生の軌跡」展はとってもとっても良い展覧会でした。
失礼ながら正直、まさかこれほどとは思っていませんでした。
展示作品には重要文化財に指定されている冒頭の「切通しの写生」や著名な「麗子微笑」も出展されていませんが、私にとって新たな劉生を沢山発見できたのです。

感銘を受けたと言いつつ、図録を泣く泣く諦めた上、作品リストも用意されておらず展覧会の構成をたどるのは非常に厳しいので、印象に残ったことをつらつら書いていこうと思います。

1.麗子作品
最初の展示室ではポスターやチラシにも使用されている「麗子五歳之像」(下)との再会です。

麗子


劉生は自画像を数多く描いていますが、麗子が生まれてから麗子の姿を自画像のように描くようになります。
本人も麗子作品に自分の全ての画風が反映していると述べている通り、展覧会を通じチラシコピーにもあるように七変化する麗子を堪能。

ここでは「デロリ」と呼ばれる不気味系な寒山捨得風の作品が印象的でした。墨彩なのに、麗子が手にしている林檎らしき果物だけが蒼い。
顔は麗子さん本人が目にしたら怒るんじゃないかと思うような妖怪系。

これらの麗子像作品は残念なことにガラスケースの向こう側に展示されていました。よって近づくことができず、これが本展で一番の難点と言えます。
もっと近くでみたいよ~と思いつつ次の展示室へ。


2.劉生の日本画・水彩画他
まずは、ムンクかと見紛うような作品がお出迎え。第2回フュウザン会展会場装飾画(下)ですが、どこか宗教性も感じます。

ムンク



この作品は本展でもっとも印象に残ったのですが、ムンクのみならずセザンヌやマティスに影響を受けた様子が伺われる作品もいくつかありました。
いずれも私が過去に出会った劉生作品とはかなり趣の異なる作風で、写実一辺倒の肖像画だけではない劉生の新たな一面を発見。


更に、先日訪れた和歌山県立近代美術館で初対面した劉生作日本画がずらりと展示されています。

劉生は晩年に近づくにつれ東洋の美に傾倒し、その一貫として日本画にも取り組みました。「書」もなかなかなもので、日本画に添えられている「讃」が直筆であるとするなら(確かめていなので本人直筆か不明)、より作品の質を高めているように思います。

日本画作品では「青梅」や「桃」などの果物が爽やかな色合いですっきりと描かれていて好印象。もっと日本画作品も評価されても良いのではないでしょうか。
日本画作品のベストは「七童図」(下)。

七童図


一見して思い出したのはなぜか若冲の「伏見人形図」。かなり違うかな・・・。
子供達の様子が愛くるしい、でもちょっと妖怪入ってます。


3.劉生の装丁画・版画

日本画に続く新たな劉生の一面は、2階に展示されていた本の装丁画と版画(数点)です。
この人なしに劉生は語れないであろう武者小路実篤の著作を飾る装丁作品他、数多くの作品を遺しています。本人も装丁画は片手間の作品ではないと言っているように、劉生の装丁にかける意気込みや熱意が伝わってきました。

そこにも麗子がキャラとして何度も登場しています。
劉生の油彩に描かれているサインや完成日等に見られる装飾文字が、装丁画ではますます冴えを見せ、ここぞとばかりに劉生のセンス発揮。

更に驚いたのはエッチング作品数点。
エッチングは3点程しか展示されていませんでしたが、描かれた人物の描写力と技量には本当に感心しました。
もっとエッチング作品が見たい~!どこに行けば見られるのでしょう?


全部で130点もの劉生作品と出会えるこの展覧会。
劉生ファンならオススメです!

刈谷市美にはミュージアムショップはありませんが、本展にちなんだ劉生グッズが会場で販売されていました。
装丁画をモチーフにしたクリアファイル(下)と絵葉書を購入。

ファイル


クリアファイルはセンス抜群で一目でお気に入りです。


本日は、美術館に併設されている「佐喜知庵」で期間限定カフェが開催されていました。何とコーヒーや日本茶が一杯100円!というドトールも真っ青の衝撃価格で、お庭を眺めつつゆっくりできます。

プラス200円で「劉生日記」に登場する「どら焼き」を再現したおやつもセットできます。

実り多い秋にふさわしい展覧会でした。

*10月28日まで刈谷市美術館で開催中。
「佐喜知庵」での期間限定カフェは、この後10月6日、7日の11:00~15:00だけの開催となりますので、ご注意下さいませ。

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chat_noir様

こんばんは。
この展覧会で改めて劉生の凄さを痛感しました。
書き忘れたのですが、何と陶器に絵付けまでしてました。
野菜が描かれていて、これがまた素朴で良いです。

コワくはないですよ~。
刈谷は遠いですが、これは関東方面からでも出向く価値はあるかと思います。
県内の他の美術館(例えば、豊田市美や県美、名古屋ボストン美術館)とセットで是非是非。

PS:私は愛知県在住です。

劉生

memeさん、こんにちは♪
私も「切通しの写生」好きです! はじめて観た時の衝撃は今でも忘れられません。

私自身は劉生が好きというのとはちょっと違う感情を持っていますが、しかし劉生作品を観るたびにスゴイな~といつも思います。この展覧会とっても観たいです、ちょっとコワくもありますが。

memeさんは愛知にお住まいなのですね?
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