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小川待子|生まれたての<うつわ> 豊田市美術館

小川待子

小川待子|生まれたての<うつわ> 豊田市美術館 9月17日~12月25日
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2011/special/machikoogawa.html
常設特別展 「新・陶・宣言」 豊田市美術館 9月17日~12月25日
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2011/temporary/shintou.html

既に終了してしまったけれど、豊田市美術館で開催された「小川待子|生まれたての<うつわ>」展、常設特別展「新・陶・宣言」それぞれ面白く、2つの展覧会の組み合わせが良かったので感想を残しておこうと思う。
また、併設の高橋節郎館で開催されていたテーマ展「高橋節郎と黒と金と衆の美術」も素晴らしく、こちらは別記事とする。
いずれも巡回なしの豊田市美術館独自企画で、改めてこの美術館の素晴らしさを痛感した。愛知県にこの美術館があって本当に良かったと思うし、私がここまで美術を好きになれたは、地元に豊田市美術館があったからだと思い至った。

私的なことであるが、このブログ記事の脈絡のなさからお察しの通り、古美術から現代、西洋、東洋、日本、メディア芸術と多分野にわたって広く観ている方だと思う。
それでも、濃淡はあって中でも現代陶芸はあまり興味の湧かない分野だった。
毎月必ず訪れる銀座のINAXギャラリーでは現代美術ギャラリーと現代陶芸を紹介するスペースの2つがあり、目当ては現代美術の方であって、陶芸は大変失礼な言い方になるがついでに覗くという具合。

だからという訳でもないが、この小川待子展も訪れるのが最終日の前日という滑り込み状態になってしまった。
小川待子(1946年生まれ)の作家の存在も本展開催まで知らずにいた。
2002年に神奈川県立近代美術館で「小川 待子 ~呼吸する気泡」も開催されているので、既に美術館でも取り上げられている作家であることをこの記事を書いて初めて知った次第。

ということで、前知識はtwitter上での評判のみ(評判はすこぶる良かった)で臨んだ。

最初に1階の「新・陶・宣言」を観て次に2階の小川展へ。
豊田市美術館の誇る天井の高い真っ白な空間に、これまででもっとも大きな新作が待っていた。

その空間の張りつめた空気は何とも言葉では形容しがたい。

本展チラシや美術館のサイト等で「永遠の詩的存在」と評されているのも分かる気がする。
ガラス釉は、陶芸作品で使用されているのを観たことはあるが、小川の作品はガラス釉を「水」と模している点に特徴があるだろう。「水」に見えるのは、ガラス釉を湛えた外形の造形表現の賜物で、受けるものがあって初めて「水「」はその場所に留まれるのだということを見せてくれる。

陶土は土、ガラス釉は水、やきものの下には、硅砂と呼ばれるガラスの原材料となる真っ白な砂がこんもりと盛られている。
まるで、砂の中から、作品自体が生えて来て、そこに水がたまったように見える。

展示室3では、「K-2000-故宮する気泡」2000年、同一の筒型の土器が2つ、3つと塊として焼かれ、壺状の窪みにはガラス釉が溜まっている。解説によれば、作家の表現が、空間的に展開をし始めた作品とのこと。

更に、空間的展開を示した好例として、展示室5の「Li2O・NaO・CaO・Al2O3・SiO2:水の破片」2007年を挙げたい。
暗く照明を落とした空間の床に、川のように四角の瓦のように長く伸びており、手前に土器が積み重なっている。
歩きながら縦に眺めて、手前で眺めてと複数の方向から、また歩きながら作品を愛でることができ、その表情は少しずつ変化して見えた。

その一方で、初期作品にブランク-シの彫刻を思わせる真っ白な卵殻を思わせる陶肌と形を有した作品「88-KーⅣ」1988年は、作家の関心や方向性を考える上で重要な作品だと言えよう。

これまでの陶芸と言えば、分類的には工芸の分野となり、生活に身近なもの、それは抹茶碗だったり、お皿、お椀、花瓶などであった。それがいつしか陶芸作品を空間にまで影響を与えうるような彫刻として制作、発表するようなケースが増加している。
「新・陶・宣言」では、こうした陶芸を「工芸」「伝統」「因襲」といった狭い世界から引き出し、陶表現に新たな息吹を吹き込み、制作活動において一つの表現手段として「陶」を用いる作家を紹介している。
出展作家:イケムラレイコ(1951- ) 奈良美智(1959- ) 尹 煕倉(ユン・ヒチャン)(1963- ) 森北伸 (1969- ) スターリング・ルビー (1972- ) 桝本佳子 (1982- ) 谷本真理(1986- )

こうした流れで小川待子の作品を眺めると、いかに彼女の作品が彫刻的で空間に強くアプローチしているかが分かるだろう。

土、水、時間、風といった要素を作品の中に織り込み、表現している見事な陶表現だった。

図録の図版がいまひとつだったので、豊田市美術館限定販売という小川待子氏が自費出版された最新作が掲載されている作品集を購入した。

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