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「村山槐多の全貌」 岡崎市美術博物館 

槐多岡崎

「村山槐多の全貌」その芸術の神髄と大作の謎?山本鼎との真実 岡崎市美術博物館 12月3日~2012年1月9日
http://www.city.okazaki.aichi.jp/museum/bihaku/exhibition/exhibition.html

22歳で亡くなった伝説の夭折詩人画家:村山槐多の展覧会が史上最大規模で岡崎市美術博物館にて開催中です。

村山槐多の回顧展と言えば、2009年に松濤美術館で開催された「没後90年 村山槐多 ガランスの悦楽」が記憶に新しい。
松濤美術館での回顧展も素晴らしく、案の定図録は完売。先日都内のとある古書店で松濤美術館の槐多展図録が1万円で書棚に並んでいるのを見つけ驚愕したばかりです。

本展は、この松濤美術館での槐多展を上回り一部展示替えはあるものの槐多作品が約250点、槐多と従兄弟の山本鼎の作品が約100点と合計約350点が出品され、本展初公開作品や90年ぶりの公開となる大作など見どころが目白押し。ただし、槐多の場合、貧困にあえいでいたせいか、タブローは元々それ程描いていないようで、デッサン、ハガキ、スケッチが多い。

何と言っても本展の目玉は、1982年に「新発見の大作」とされ、後に「実は、山本鼎の作であった」と訂正された問題作の≪日曜の遊び≫1915年が特別出品されることでしょう。
本作品が誰の作だったかを、同館学芸員の村松和明氏の独自調査と研究成果によりその謎に迫っています。
実際、化学的分析結果などを紹介し、≪日曜の遊び≫に関するコーナーのスペースを広くさいていたのが印象的でした。
詳細は図録に論文と絵具調査した解析結果と共に掲載されています。遠方の方は図録(B5版の書籍サイズで2300円)だけでもお取り寄せ可能です。デザイン、編集は地元岡崎市のギャラリーなどが担当しています。
図録取り寄せについての詳細はこちら

≪日曜の遊び≫自体は、マネの≪草上の朝食≫とセザンヌ≪水浴≫を足して2で割ったような画面構成でした。
これを村山槐多作と推測しているのが、本展担当の村松学芸員の説。作者の特定についての論議は、今回の検証結果などを踏まえ、充分に議論を尽くし、「これだ!」という結論を出していただきたいと願うしかありません。また、村松学芸員は講談社より本件についての著作を出版されるそうです。調査に関して更なる詳細が明らかになるのでしょうか。こちらも楽しみです。

そして、もう一つの見どころは従兄弟の山本鼎との交流でしょう。
山本鼎は版画家としての活動しか知りませんでした。今回は初期からヨーロッパ留学中の油彩、水彩も展示され、約100点の鼎作品は非常に嬉しかった。元々鼎の版画が好きだったので喜びひとしおでした。
約100点と言えば、通常の美術館ならそれだけで展覧会を開催しているレベルですから。で、色々拝見したけれどやっぱり版画が一番良いという平凡な結論に至るのですが、油彩を見て言うのと見てないのとでは、違うのです。

槐多についての感想は、松濤美術館での回顧展のものとほぼ変わりません。
強いて言えば、槐多は画才ももちろんあったけれど、文学的素養の方が強かったのではないかと思ったことくらいでしょうか。特に今回、小説や詩の原稿が沢山出展されていたので、そう感じたのかもしれません。
参考:松濤美術館「没後90年 村山槐多 ガランスの悦楽」感想

また、木炭デッサンの力強さも比類ないものがあります。武骨な線ですが、とにかく野性的で力がある。90年ぶりの公開となる≪無題≫1916年はその代表例のひとつ。≪尿する禅僧≫1915年は力強いデッサン力がそのまま活かされ、そこにガランスの赤や黒や黄、この赤は血の色に見えてしまうのですが、何度見ても恐ろしい程魔力を感じる絵です。この作品については、東近美で開催中の「ぬぐ絵画」でも図録で取り上げられています。心理学的解釈をすると性衝動の表出であり、その衝動の強さが周囲の自然を赤変させる、アニマリズム時代を代表する槐多の作品と言えるでしょう。

槐多と鼎、両者の精神的、経済的結びつきはよく分かったけれど、技術的な点の指導や両者の共通点はどれだけあったのか、そんな疑問が残りました。

なお、年明け1月にも本展関連イベントが続きます。
<新春・なんでも鑑定団スペシャルトーク>
日時:1月9日[月・祝]午後2時~
テーマ:槐多―驚きの結果に騒然!
講師:永井龍之介(永井画廊廊主)定員70名(当日午後1時から整理券配布)、聴講無料
会場:当館1階セミナールーム

<村松学芸員の講演会>
日時 1月22日[日]午後2時~
テーマ 夭折の天才、村山槐多の謎―引き裂かれた絵の真相
講師 村松和明(当館学芸員)定員70名(当日午後1時から整理券配布)、聴講無料
会場 当館1階セミナールーム

*本展の巡回はありません。

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