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「大絵金展 極彩の闇」展 高知県立美術館

高知県立美術館で開催中の「絵師・金蔵 生誕200年記念 大絵金展 極彩の闇」展に行ってきました。
高知県立美術館 公式サイト → こちら

今回の高知・愛媛の旅のもうひとつの目的は、高知県美の「生誕200年記念・大絵金展」でした。
絵金の存在は辻惟雄氏の著書(だったと思う)で初めて知り、絵金の芝居絵を見たときの驚きと言ったらもう。
「絵金」は、絵師金蔵の略。それがいつしか名前のように通称となり今でも絵金さんと高知県では親しまれているという。江戸幕末から明治初めに活躍した絵師で、もとは狩野派(駿河台)で修行し、通常10年かかると言われる修行を3年で認められ師匠の一字をもらった。土佐に戻り、土佐藩家老家の御用をつとめ注文の絶えない人気絵師だったが、ある日贋作事件にまきこまれ、城下追放。以後の10年間、どこで何をしていたのか分からない。一説には上方にいたなど諸説あるが、確かな証拠はなく今も謎のままである。そして、再び土佐に舞い戻った時、叔母を頼りに高知県香南市赤岡町に定住。町絵師として、酒蔵をアトリエに絵を描いた。その酒蔵を参考にしつつ建てられたのが現在の「絵金蔵」である。
狩野派の絵師としての技量を存分に発揮し、奉納絵馬、奉納芝居絵などの注文が集まり腕をふるう。絵金のもとには多くの弟子が集まり、彼が指導した弟子が絵金の死後も芝居絵を描き伝えて行った。

これが絵師・金蔵のあらましです。身長180センチもある大男、そんな絵金の姿が脳裏に浮かんでは消えて行く。

鮮烈な赤、黄、青などで着彩された屏風はおどろおどろしく、毒々しいのですが、眼が離せない、実際に作品を見たいと思っていたところ、板橋区美術館の「諸国畸人伝」展(2010年開催)で数点拝見する機会を得ました。鮮烈な色彩は強烈でしたが、線はいまひとつかな(偉そうですが)と思った記憶があります。

しかし本展はそんな第1印象を見事に吹き飛ばし、絵金の魅力を余すところなく伝えてくれました。

本展のみどころをまとめると次の通りです。
1.絵金の現存する芝居絵の大をはじめ約200点が集結!
2.実際に祭礼時に使用する絵馬台を2つ神社より借用し、祭礼時の様子を再現!
3.芝居絵だけでなく下絵やお手本に使用した白描を大量展示!
4.絵巻、絵本、掛軸、幟など芝居絵にとどまらない絵師・金蔵の仕事を紹介!
5.絵金の弟子たちの芝居絵も数多く展示。絵金以後の芝居絵を紹介!

高知の芝居絵が昭和にまで続いた伝承文化の一端を担っているとわかり、地元で見ること、お膝元だからできる重要な内容だと痛感。

芝居絵の鮮烈な色彩を除いた白描からは絵金の線がひときわ際立ちます。色彩だけでない、墨の使い方、線の強弱、肥痩の使い分けを十分心得ている腕前が素人目にも分かりました。白描には落款が入っていない、入っていたとしてもそれが本人によるものだという証拠はないが、学芸員氏によれば、今回展示されている白描は絵師金蔵の手が入っているもの、そうでないものと元々保存されている時から分かれていたとのこと。ある程度の信憑性をもとに展示作品を選別したそうです。また、どれが金蔵でどれが弟子のものか、そんな議論があっても面白いと思います。展示室の監視員の方は「金蔵のものと弟子のものは、やっぱり違う。何度も見ていると分かる。」と仰っていました。

また、金蔵から弟子へと受け継がれた芝居絵は後年になるにつれ、現在の漫画のような構図、画面になっているのがとても面白かったです。高知県美の後に行った香美市立美術館の「絵金せいたん200年記念 絵金とその時代展 闇からの伝承」では、「絵金派」として紹介されている芝居絵が多く出展されていて、それらに顕著に現れていたと思います。

真ん中ひとつ折の屏風形式は絵馬台に設置するのに最適なサイズ、今で言えばユニット方式とでも言うのか。同時代の絵画で一つ折屏風というのはそんなに多く見かけません。これも金蔵の生み出した絵画様式として評価できます。
金蔵が住んだ赤岡町では現在も7月第3土曜日・日曜日に開催される「土佐赤岡 絵金祭り」では屏風と絵馬提灯が軒先に並ぶ。ろうそくの灯りで見ると、強烈な色彩が最適なものだと鑑賞者の眼をもって理解できると思う。

構図面では、絵中画のような形態を使い「異時同図法」が多く見られる。浄瑠璃や歌舞伎の今で言えばポスターやスチール写真のような役割も果たしていたのかもしれない。
絵自体は浮世絵の役者絵がまず浮かんだが、それに狩野派の技が加わっているが、四条派風の表現も見られる。「國華」掲載されていた論考によれば「江戸でも四条派の画風は伝わっていた」そうなので、あるいは最初の修行時代に四条派風の表現を見つけ会得した可能性もある。

そして、血赤と呼ばれる程の出血大サービスの画面は絵金の少し後に活躍した浮世絵師月岡芳年の血みどろ絵を彷彿とさせますが、芳年との大きな違いは「笑い」でしょう。絵金の芝居絵はたとえ血まみれでも例えば人物の羽織紋に男女の交合の様子がプリントマークのようにこっそり隠されていたり、同じく落款も商店の看板や幟、屏風に書かれていたりと遊び心が潜んでいます。

美術館では提灯がぶらさがった絵馬台に実際に金蔵の芝居絵が展示され、思わず「あれはレプリカでしょうか?」と聞いてしまった。絵馬台そ素晴らしく彫刻が施されているものもあり、これも見逃せません。

まだまだ書き足りないところですが、ひとまず一旦終えます。後日書き足りない点は追記します。
大絵金展は12月16日(日)まで。絵金を体験できるチャンスです!

本展図録は一般書籍として販売されているため、一般書店・Amazonなどで購入可能ですが、高知県立美術館ミュージアムショップでは展覧会会期中(12/16迄)に限り、定価3,990円→展覧会特別価格3,150円(税込)で販売中。通信販売も可能です。詳細→こちら

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まとめ【「大絵金展 極彩の闇】

高知県立美術館で開催中の「絵師・金蔵 生誕200年記念 大絵金展 極彩の闇」展に行ってきました。高知県

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