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ボヴェ太郎 舞踊公演 『夜の白波ー能《江口》ー』

名古屋市内には中川運河というかつて名古屋港から旧国鉄笹島駅まで物資を運ぶため掘られた運河がある。

中川運河近辺は物流拠点であるため運送会社や倉庫が立ち並ぶ。この一角を利用して2010年から中川運河キャナルアートというイベントが年に1度開催されている。

10月19日の19時半〜有料イベント(といっても1000円!)としてボヴェ太郎 舞踊公演『夜の白波ー能《江口》ー』が開催され鑑賞の機会を得たので感想を。
舞踊も能も半年前の私には遠い世界だった。美術は好きでもダンスや演劇、能・狂言、歌舞伎は年に数回観るかどうかの自分が、ひょうんなことから今年の6月の能「道成寺」を皮切りに突如この未知なる世界にずぶずぶとはまりつつある。

運河の近くで『夜の白波ー能《江口》』とは何とも粋な趣向ではないか。

ボヴェ太郎氏の名はおろかその舞踊も初。能《江口》も未見曲であったため、こちらは事前にあらすじを予習した。
能《江口》→http://www.nohbutai.com/contents/05/01a/4eguchi.htm

舞踊はボヴェ太郎氏であるが、この日の囃子方、謡を務められた皆様もまた看過できない以下の面々(敬称略)。
笛:竹市学
小鼓:曽和尚靖
大鼓:河村大
謡:田茂井廣道
詳細→http://www.canal-art.org/art/artist/markt.html

広大な鉄骨造鉄板梁屋根の倉庫の中央に白いスクエアな敷物(薄いマット?)その奥に囃子方の席と後ろにはピクチャーウインドウよろしく開口部が。
そして照明がぐっと落とされ、スポットライトが中央の白い舞台面を照らす。

竹市さんの笛が空気を裂く。
小鼓、大鼓と低い掛け声、倉庫内の音の反響は能楽堂以上に強かった。
周囲の空気が変わっていくのを観客皆が固唾を飲んで見守る。ちびっこ達もこの時ばかりは静かに舞台を見守っていた。
そして、囃子に耳を傾けていると奥から黒いベルベットのハイネックに袴姿の長身ボヴェ氏がしずしずとすり足で舞台の脇をスクエアな線を描く。橋懸かりの代替としてあえてすぐに舞台中央に進まず、周囲をすり足でしずしずと進んでいく姿は既に能楽師のようであった。

ほぼ1周したところで、中央へ。
ここから夢幻能の世界が始まった。
長い手を活かした非常にゆっくりとした動きがに魅了されていく。背筋は棒でも入っているかのごとく常にまっすぐ。
クラシックバレエのダンサーのような身体つき。
激しい動きはまるでないが、すぐにボヴェ氏の額に汗が光る。
汗が秋露のように見えた。

照明が絶技と言えるハイレベルさで、スポットライトが月に見え、ボヴェ氏のマットにのびる黒い影もまた見どころ。
陰影は霊の現世への名残のようで。

月明かりに照らされてボヴェ氏演ずる遊女が舞う、艶かしい艶やかな動き。
まるで遊女の生き様のような笛と鼓の音色は時に強く時に弱くやさしく鳴り響く。

ラストを飾る田茂井師の謡はしっとりと川面に流れる。
川面倉庫の向かいだけでなく、会場内の倉庫にも広がった。
照明は微妙に色を変え、これも囃子や舞踊にぴたりとあわせた演出。

謡が消え、江口の君の霊も月夜の力で普賢菩薩へと成仏し暗闇へと消えていった。

時間も場所も変成させる美しい美しすぎる舞台だった。

椅子が板で1時間超の舞台で辛かったことも忘れさせる貴重な舞台。川沿いの倉庫という場所であったからこそ可能になった一夜の夢舞台。

関係者の皆様のご尽力とご協力にひとりの鑑賞者として厚く御礼申し上げます。

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