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2013年 常設特集ベスト

続けて2013年常設特集ベストをあげます。
各地の美術館を訪れる楽しみは企画展もですが、常設展示も大きな要素のひとつです。むしろ比重は半々か常設の方が大きいかもしれません。企画展が予想外でがっかりしても常設が素晴らしければそれだけで十分来た甲斐があった!と喜びを得られます。美術館や博物館の建築もまた美術館巡りのお楽しみの一翼を担っていて、近いところでは豊田市美術館、遠方ではミホミュージアムや丸亀の猪熊弦一郎美術館、松濤美術館など建築空間、展示空間そのものも鑑賞を左右することもしばしば。

前置きはこのあたりにして常設特集ベストです。常設特集の場合、図録が作成されるケースは珍しく小冊子程度、下手するとチラシや作品リストだけの場合がほとんどなのが残念。こういう展示こそブログで詳細書いておかないと記憶の彼方に消えてしまいます。

順位は付けず良かったと思うものを。

・出来事(イヴェント)がアートになる時ー特集展示・塩見允枝子と林三従ー 倉敷市立美術館
・塩見允枝子とフルクサス 国立国際美術館
いずれも塩見允枝子とフルクサスの活動を展観していたが、倉敷市美では地元アーティストの林三従と塩見との関係を絡めた展示で個人的には倉敷市美の方が面白かった。林三従さんを本展で知る。1987年より備前アートイヴェントを企画プロデュース。精力的な活動、活躍に深く感銘を受ける。昨年「日本の70年代1968-1982」展でタージマハル旅行団が紹介されていたが彼らのイヴェントにも林さんはパフォーマーとして参加していた。
もっと詳細な資料が観たかったので、鳥影社刊『林三従アート集成』を彼女のアトリエだったホワイト・ノイズ<林三従ミュージアム>に連絡し取り寄せた。次に岡山に行くことがあれば、事前に予約のうえ、林三従ミュージアムを訪れたい。

・再発見! 小林徳三郎 ふくやま美術館 2013年12月21日〜2014年4月6日 前後期一部展示替えあり
能公演で福山市を訪れたので未訪だったふくやま美術館へ初訪。企画展の開催はなかったが、企画展と言って良い小林徳三郎特集が開催されていた。未知の画家であったが、フュウザン会に参加し萬鉄五郎や木村荘八と親交があったというではないか。ドストライクゾーンの展示で嬉々として見入った。広島県美所蔵品と作家の遺族より寄贈された作品で構成され約80点。油彩に水彩、スケッチブックに墨絵まで堪能。良かった良すぎた。なのになぜ2013年ベストにあげなかったのか。
いや入れても良かったかもしれない。木村荘八展と同年にこの展示を拝見できたことに感謝したい。『西瓜』や『金魚を見る子供』、『ダンスホール』は木村荘八とはまた違った構図で油彩に関しては荘八より小林徳三郎の方が私の好みだった。

・下絵を読み解くー竹内栖鳳の下絵と素描 京都市美術館
これは常設特集に該当するかどうかやや疑問だが隣で同時開催されていた竹内栖鳳展とは別に500円で入場できたので常設扱いする。展覧会タイトルの前には京都市美術館開館80周年記念展とあるが一部個人蔵の他はすべて京都市美所蔵品。
1.絵を躍動させる要素:動き
2.巧みな構図づくり:モチーフの集合と分散、余白の活用
3.組み合わせの妙
4.空間の広がり
5.京都画壇と下絵
で栖鳳の下絵の特徴と魅力を展観。圧巻は東本願寺大寝殿の障壁画の試作。下絵で栖鳳がどの線を何度も引き直したかよく分かる。同一モチーフを写生帖で繰り返し繰り返し描く。あの迫真の絵は修練の賜物。企画展のチケットがあれば200円であったこの展示は隣が大盛況であったのになぜか空いていたのは残念でならない。

・信濃橋画廊コレクションを中心に 兵庫県立美術館
兵庫県美の常設展示も毎回のお楽しみ。中で今年は信濃橋画廊コレクションが一挙公開されていたのは記憶に残る。1965年に大阪市西区の地下に開廊し、2010年に閉廊。貸し画廊だったが、画廊独自の企画展も開催し河口龍夫、福岡道雄ら新進気鋭の作家たちの作品発表の場であった。オーナーの山口勝子氏のコレクション583点が同館に寄贈された記念として約160点と同画廊の関連資料を1965年〜2010年まで時系列に紹介。ほとんど知らない作家の作品だったが同画廊の資料は興味深いものがあった。地下スペースが時代とともに壁の仕切りを動かし変化していく。作品形態、展示形態にあわせたリノベであったのだろう。しかしすごい量でしたが常設の小パンフレットひとつとリストしか手元に残っていない。

・都市の無意識 東京国立近代美術館
東近美の常設特集も毎回のお楽しみだが、2013年はこれがベスト。冴え渡るキュレーションで作品を通じ都市の無意識(隠れた構造)をアンダーグラウンド、スカイライン、バランプセストの切り口で鑑賞者に考えさせる。映像『東京もぐら大作戦』が傑作であった。地下の垂直からスカイラインの水平、落書きに見る表層の多層の切り口に都市をどう捉えるのか問われ、受け手の自分の未熟さを大いに痛感。高度成長期の東京、昨年の同館で開催された「実験場 1950s」の続編であるように思った。企画展への展開を期待したい。リーフレットあり。

・謄写版の冒険 卓上印刷器からはじまったアート 和歌山県立近代美術館
プリントごっこで御馴染みの謄写版の歴史を振り返りつつ現代の謄写版を考察する素晴らしい内容。これで常設料金で良いのかと疑う。A4サイズ31頁のカラーパンフレットも無料配布。花王芸術・科学財団の助成を受けて実現。昔懐かしいガリ版や鉄筆にローラーも展示され、隣にいた見知らぬご婦人と「懐かしいですね〜」と思わず会話が弾む。謄写版でしかできない版芸術もある。実用から芸術へ、残って欲しい版技法。ガリ版文化が日本固有の印刷の歴史だったとは本展で初めて知った。

・江戸時代がみた中国絵画 東京国立博物館
東博の特集展示は古美術好きなら欠かさずチェックする展示だと思う。「江戸時代がみた中国絵画」は目から鱗が落ちる内容でとりわけ記憶に残った。展示作品だけでなく付属品もあわせて展示することで中国絵画が日本でどのように受容されていたかを紹介。作品を保管する箱そのものに書かれた箱書きなど拝見する機会はこれまで皆無。本当に珍しいものばかりでこれから場所は取るけど一部でも良いので軸物は箱や付属品と一緒に展示して欲しいと思った。リストのみ。

・わたしたちの90年 1923−2013 2013年6月29日〜9月8日 東京都現代美術館
東京都現代美術館の公式サイトを今確認したところ、現在も同名での常設展示が行われているが、会期が異なっているため展示作品も重複していない。同館の通年企画だが会期によって展示替えされている。
1.震災と戦争
2.変わりゆく東京
3.終わらない戦後
4.遠くて近い場所
以上4部構成。昨今の日本の現況を鑑みると時代は歴史は繰り返すのではないかそんな危惧や不安に苛まれる。終わらない戦後の作品群を観つつデマンドの『制御室』で新たな恐怖を覚えた。リーフあり。


年明け早々に三重県立美術館で福井美術館との連携により福井県美所蔵の岩佐又兵衛が三重県美の蕭白とあわせて常設で紹介される。来年も常設特集の一層の充実を楽しみに待ちたい。

新年の展覧会はじめは名古屋ボストン美術館の北斎展になる予定です。
来年は都市圏以外の展覧会で良かったものはできるだけ記事にできればと思っています。

皆様どうぞ良いお年をお過ごしくださいませ。

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