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特集展示「古代イタリアの陶器と、コプトの染織・彫刻」 大阪市立美術館

1月10日(金)から大阪市立美術館ではなんと6つのコレクション展、特集展示が開催されている。
その多様さは毎度の事ながら圧巻の一言に尽きるが、それでも今期は更にスペシャル感が強い。
その理由は特集展示「古代イタリアの陶器と、コプトの染織・彫刻」にある。

古代イタリアの陶器はひとまず脇において、コプトの染織!
コプトって何?
大阪市立美術館のコレクション展は一度でも行かれたことがあればお分かりでしょうが、極めて素っ気ない。
まず展示の解説パネルが1枚きり。
作品解説は数点付されているが、大半はタイトル、年代のキャプションのみ。
コプト染織も何度も同館は訪問しているが、コレクション展に出展されていた記憶はこの数年なかった(私が知らないだけかもしれないが・・・)。
昨年「大阪の至宝」展(企画展)が開催されていたが、これにも出展されていなかった筈。
コプトとは一般的にエジプトのキリスト教徒、コプト教徒のことをさすそうで、詳細は大阪市立美術館の本特集展示解説にアップされていた。→こちら
このダイジェスト版が壁にあったが、できればプリントしたものを置いて欲しかった。観終わってから上記解説に気づいたという。。。ちなみにこの特集展示は作品リストもなし。どれも同じような作品名だからかもしれないが、貴重な機会なので作成して欲しかった。

ということで、コプト美術・コプトの染織を今回初めて拝見する機会を得たが、まず状態の良さに驚く。中心となっているのは7〜8世紀日本で言えば奈良時代から平安時代の染織で、正倉院宝物を思い出す。
事実、最大の魅力は文様で、花文、鳥獣文、幾何文、人物文と私がもしもアーティストなら感化を受けそうな面白さがあった。原始的であり、力強い色彩、簡略化された形態だがどこか宇宙的なものさえ感じる文様の美。

Twitterで本展に関して呟いたところ、さる方からパウル・クレーを思い出すというコメントをいただいた。
そこではたと思い出したのが2002年2月に神奈川県立近代美術館(当時はクローズしている鎌倉本館を全面的に使用していた)を皮切りに巡回した「旅のシンフォニー パウル・クレー展」で観たエジプト旅行後のクレー晩年の作品だった。
このパウル・クレー展は私がはるばる名古屋からどうしても観たいと思って初めて遠征した関東圏の美術展で忘れがたい。元々美術に関心が向くようになったのは、東近美で観たカンディンスキー展と常設のクレー《花ひらく木をめぐる抽象》と岸田劉生《道路と土手と塀》だった。

話がそれたので戻す。
2002年のクレー展図録にはクレーが1928年〜1929年にかけ念願のエジプトへの旅をしたことが詳細に書かれている。エジプト旅行での作品は、ピラミッドなど風景をクレー流に絵画化した作品などが図録に掲載されている。記憶違いだったかと図録の頁を繰って行くと1938年以後の作品は黒の太い描線で単純化された記号のような形態が見られる。
コプト美術との関連はこれだけでは到底見出せるものではないが、エジプト旅行がクレーに与えた影響の強さは晩年の作品から伺われる。
同展図録に寄稿された美術史家の奥田修氏の論考「旅の日のクレー その足跡を訪ねて」の中に引用されているケルステンのコメントを以下抜粋する。
「彼(クレー)は、エジプトへの見学旅行においてもはや1914年のチュニジア旅行でのように、芸術的半文化の理想を追求するのではなく、逆に彼自身の多少とも確立した芸術を一般に認められた、数千年以前に遡る高度の文明の伝統に結びつけようとしたのであった」。

コプトの染織に何を見出すかは見る人次第。
「人物鳥獣文 綴織覆布」をはじめ、十字架を模した残片など1点足りとも見逃せないものばかり。
建築装飾の一部もヘレニズム文化の香り漂う葡萄唐草文などこちらも文様の美がみどころ。

写真撮影は不可、染織は文様が極小なので単眼鏡、双眼鏡の類いの持参をおすすめします。

それにしても大阪市立美術館は国内公立美術館の中でも非常に珍しいコレクション形成で、基本的にアメリカのMETのように個人からの寄贈品を主体としているが、同館が購入(昭和37年)したのがよりにもよってコプトの染織だったとは。
ニッチでマイナーな選択をしたのだろう。ただただ驚嘆した。
*2月11日(火・祝)まで 
http://www.osaka-art-museum.jp/def_evt/古代イタリアの陶器とコプト染織・彫刻/#cnt_3

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