スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「モダニズムと民藝 北欧のやきもの:1950's-1970's デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド 」 愛知県陶磁美術館

愛知県陶磁美術館の「モダニズムと民藝 北欧のやきもの」展へ行ってきました。

展覧会は4部構成。
第1章から第3章は1階の企画展示室、第4章のみ2階の廊下のようなところに展示されていたため、1階から2階へあがるまで右往左往し迷ってしまった。通常の特別展ならそのまま奥の特別展示室で最終章も展示されるケースが多いが、今回は2月15日から別のテーマ展で使用されるため2階へとなったようだ。

1950年代から1970年代の北欧のやきものを日本で紹介する初の試みらしい。
デンマーク→スウェーデン→ノルウェー→フィンランドと国別に時系列を追って名品とやきものの歴史を紹介していて、この流れは理解しやすく好印象だった。
4つの国の中でもデンマーク、フィンランドは個人的に好みの作品が多かった。
特にデンマークの冒頭にあった中世風のキリスト教のモチーフが4面?に使用されたやきものは、国内やアジアではまず見られない発想でインパクトがあった。本展は北欧やきものと民藝との関係を照射しようと試みていたが、展示内容だけでは鑑賞者に十分な理解を得難かったのは残念。冒頭のデンマークのやきものをはじめ北欧4カ国のやきものは各国の個性が出ており名品揃い、どれも見応えがあったので尚更である。作品総数も160点と充分だが、陶器だけでなく磁器も相当数展示したことで焦点がぼけた感は否めない。

ノルウェーは後発で北欧隣国からの影響も大きかったようだが、デンマーク、スウェーデン、フィンランドは特に中国陶磁、日本の陶芸をよく研究し自作に取り入れ昇華していた。釉薬や形を見ながら参照元の中国陶磁を思い浮かべるとより楽しめる。民藝との関係も同じだが、北欧やきものとあわせて参考出品で同じ釉薬を使用している中国陶磁を並べるもしくはパネルで紹介するなど、もう一工夫が欲しかった。解説だけでは参照元を理解できない鑑賞者も多いのではないか。

同様に民藝との関係性、北欧の陶芸家たちがどれだけ民藝の作家たちの作品を受容していたかをもっと知りたかったし、参照元の民藝の作家の作品も並べて見たかった。

民藝の中でも濱田庄司は、筆者が昨年オーストラリアに行った際にもビクトリア美術館だったか、オーストラリアの陶芸コーナーで、濱田庄司の作品が展示されていて驚いた。濱田は北欧だけでなく渡豪し現地の陶芸家の指導も行っていたと美術館の解説パネルで知ったのだった。イギリスとの関係性も深いオーストラリアなので、同じく民藝のバーナード・リーチを念頭に置けば頷ける活動だ。

オーストラリアだけでなく北欧も。。。民藝の作家は世界規模で双方の文化を摂取、伝授していたのだと改めて感心する。
濱田庄司旧蔵の作品や民藝がらみで訪日した北欧の陶芸家の作品も並ぶ。

中で、本展の目玉のひとつ初公開の宮内庁三の丸尚蔵館蔵(秩父宮家旧蔵作品)「カイ・フランクの部屋」(人間国宝・故加藤土師萌が北欧へ視察に行った折、フィンランドのデザイナー、カイ・フランクの部屋をスケッチしたインク画)は陶芸作品でなく人間国宝直筆のインク画で、これが実に良い味を醸し出していた。やはり人間国宝ともなると陶芸だけでなく絵のセンスも並々ならぬ力量であるとじっくり眺めた(本作品のみ2月9日で展示終了)。

北欧4カ国の中でも磁器の名門、ロイヤルコペンハーゲン(デンマーク)、アラビア製陶所(フィンランド)がある2カ国は作品が洗練されたフォルムと色調でハイレベルだったように思う。才能ある人材を集め、研究・教育の場を提供していたことが作品から伝わってきた。陶器で培った研究成果がやがて磁器へと発展していく流れも理解できた。

こうして感想を書きつつ振り返ってみると、図録の論考(巻頭は民藝との関わりの論考だったが未読)を読み、再度展示をじっくり鑑賞したい気持ちがわき起こる。モダニズムに関しては理解不十分でここで書くことができなかった。常設展示の第6展示室では特集展示「北欧のやきものとガラス」も開催していたようだが、館内で案内を見つけられず帰宅後、公式サイトで開催を知るという失態ぶりなので、やはり再訪せねば。

本展は関連の講演会も充実している。
生憎、2月8日に予定されていた「北欧のくらしと生活デザイン」は大雪のため中止となり3月22日に開催日が変更された。2月15日、2月22日、3月8日、3月22日と講演会を開催、またこれとは別に学芸員によるギャラリートークも開催されている。
詳細はこちら


県民茶室には北欧チェアが1脚置かれていた。好きな作家の茶碗で一服する至福のひとときでした。

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。